活動報告・レポート
2016年5月23日(月)
書道から学ぶ
福祉法人理事会

評議員に就任させてもらっている福祉法人の理事会に出席しました。理事長から平成28年度予算案や事業計画案、就業規則の改正案、そして役員案などの提案があり、審議した結果、全ての議案は承認されました。この福祉法人は障がい者の働く工場を有していて、訪問するといつも働いている皆さんが声を掛けてくれる礼儀正しさと明るさを持っています。働きやすい職場環境を創るための提案ばかりなので、改正後はもっと働きやすい職場環境になることを期待しています。

書道から学ぶ

書道の山西先生との会話を楽しみました。先生の書き方を見ていると、書道はスポーツのようだと思います。これまでは先生が書く文字を見ていたのですが、腕の使い方に注目してみると右腕が意思を持った生き物のように自在に動いています。腕の返し方や手首の返し方などを見てそう感じました。

その後、先生の腕の動きを見て自分で書いてみました。見て分かったつもりでいても、実際に書いてみると腕の動かし方が分からなくなってくるのです。何度も聞きながら書くのですが、一人で各段階になると、やはり筆の使い方が混乱してきます。

先生が「一回で覚えるのは無理ですよ」と話してくれたように、この技術は一回の稽古で習得できるものではありません。バットを素振りするように、筆の動かし方を何度も空中で練習してみると、なんとなく理解できてきます。それで紙に向かうと、やはり実践できないのです。体に染み込ませるほど何百回も稽古をしなければ、考えないで腕が動くことはないようです。

技術を習得することは難しい。そんなことを思いながら10枚程度毛筆を書いてみました。書道は腕の使い方を意識して書きますし、集中力が必要ですから10枚も書くと腕も精神も疲れてきます。まるでスポーツのように思います。10枚書くだけでも大変ですから、100枚書こうと思えば、相当の体力と精神力が必要だと思います。

先生が、今日の稽古で仕上げた作品見て、「片桐さんの作品は、とても柔らかくて深い文字です。深いとは文字に芯が通っているということです。このことから優しい文字ですが強さを秘めています。男性らしい力強さが感じられます、また書く速度が速いので意外とせっかちかも知れません」と評価してくれました。

大勢の生徒さんが先生のところで習っていますが、「一人も同じ書き方をする人はいません。文字にはその人の性格が表れると思います」とも話してくれました。

先生の評価から嬉しい単語を抜き出してみると「柔らかくて深く、強さがある」となります。書道で現れたこれらの特長が僕の性格だとすると、嬉しいことだと思います。

書道も型を繰り返すこと。回数を熟すことが上達の秘訣です。そして上達とは、紙に向かう都度、書き方を考えなくても書けること。同じ形の文字は何度も書けること。意識して書き方を変えることができること。などを、簡単にできる状態に到達することを言うと思います。

先生の書き方と指導方法から、上達することの意味を感じることができます。ですから単に文字が上手に書けるだけでは足りない。そう思います。自分の思いや持っているものが文字で表現できることが大事なことだと思います。お手本通りの書き方は、書いていても楽しくないですし、見る側にとっても面白くありません。書いていて楽しいと感じること、見る側にとって「あの人の作品だ」と分かることが、大人が楽しむ書道だと思います。

書き方を指導してくれるだけではなくて、心の内を引き出して文字で表現させてくれることが良い先生だと思うのです。