宮地区連合自治会の研修会は二日目に入りました。立山有料道路を走り2,450mの山頂の室堂まで走りました。ここには雪の大谷と呼ばれる雪の壁があります。少し雪が解けていたため雪の壁は5m程度でしたが、この雪の壁は高い時で20mもあるそうです。5m程度でも感動するには十分な光景でした。雪の壁の有料道路を走り、室堂では歩いて雪の壁沿いを歩きました。この感動体験は格別です。「来て良かった」と思うことは滅多にありませんが、ここは感動を感じさせてくれる絶景でした。
ところでこの立山有料道路は高さ2,450mの室堂まで走る高い場所にある有料道路ですが、通行料金も高いことで有名だそうです。有料道路入口の桂台から室堂までの料金は51,820円で日本一の高さだと言う話を聞きました。但し、この料金は立山の環境保全のためバスとトラックだけが通行できることになっていて、そのバスの料金となっています。トラックとバス以外の車両は通行できないのでケーブルカーで室堂まで行く必要があります。この通行料金を支払ってでも行く価値のある場所だと思います。
さて室堂は標高2,450mにある場所でここから3,003mの雄山を眺めることができる絶景です。ここに立つと立山の自然は守るべき自然であることを感じます。
ところで立山から大観峰を降りると黒部ダムに行くことができます。このことから幹事から依頼があり黒四について皆さんに説明をさせてもらいました。
黒部ダムと言えば黒四の愛称で親しまれているダムで、かつての映画「黒部の太陽」の制作により、日本で最も有名な発電所の一つになっています。昭和31年に工事をスタートし昭和38年に完成、高度成長期の日本を支えた発電所なのです。発電出力は335,000kWで、現在ある火力や原子力と比較すると小さな発電所ですが、昭和30年代の日本にとって欠かせない発電所だったのです。参考までに和歌山県にある海南発電所の発電出力は210万kW、御坊発電所は180万kWですから、その規模の違いを感じることができます。
この世紀の難工事と言われた黒四建設の様子は石原裕次郎さんが「黒部の太陽」で演じてくれているので、その凄さを感じることができます。多くの殉職者を出してまで完成させた黒四は、それほどまで当時の日本にとって必要な発電所だったのです。
ところで石原裕次郎さんは「黒部の太陽」完成当時、和歌山市にも来てくれています。大スターが来てくれたことで大変な騒ぎだったことを先輩から写真を見せてもらい、話を聞いたことがあります。
映画「黒部の太陽」は長くビデオにもDVDでも販売されていませんでした。理由に関しては色々な説がありますが、石原裕次郎さんの思い入れのある映画であったこと。映画館のスクリーンで観なければこの映画の凄さが分からないことなどもその理由だと言われています。本当のところは定かではありませんが、大自然の中に存在する黒四の建設の技術の凄さを思うと、「主演した人として、特別に思い入れのある映画であるから」という理由であって欲しいと思います。
また黒四は電力会社の管轄で言うと中部電力の管轄になりますが、黒部川の水利権を関西電力が持っていたため関西電力が黒四を建設し、現在に至っています。黒部川水域は険しい地形で、昭和20年代から30年代の技術ではこの川にダムと発電所を建設できないと思われていました。そのため管轄外の関西電力が水利権を持っていたと聞いています。
以上のような紹介をさせてもらいました。
皆さんから「良い話を聞かせてもらいました」、「知らないことがありました」など言ってもらえ、嬉しく思っています。今回の研修会に少しでもお役にたてたら幸いです。
立山の自然に包まれた感動の時間を過ごすことができたことに感謝しています。但し、春ですが気温は摂氏8度で、長い時間外にいると体が冷えてしまいました。
研修会終えて和歌山市に到着したのは午後9時頃となりました。とても良い研修会になったことを参加者で喜びました。