活動報告・レポート
2016年4月18日(月)
観光事業
観光事業
観光事業

もう20年以上振りでしょうか。市役所を出たところでばったりとK社長と会いました。社長から「片桐くん??」と声を掛けてもらったので、その後1時間以上、久しぶりの再会の時間を楽しみました。本当に久しぶりだったのでこのまま別れるのが惜しく、市役所から自宅に行って懇談する機会をいただきました。

そこでKさんの著書「働かずに1億稼ぐ考え方」を頂戴しました。社長が書いたこのビジネス書はかなり売れたと聞きました。

K社長は当時から、民間企業として利益を上げた分を「お世話になっているから」として地元の地域振興に使ってくれています。地域振興の一環として和歌山県内で映画撮影を誘致してくれて、その時出演させてもらったのが森田健作さん主演の「ランニングフォーエバー」です。

話を交わし、当時の写真を見せてもらっていると、紀三井寺競技場のゴールシーンに出演させてもらったことを思いだしました。懐かしい今も語れる出来事があることで、「こんな思い出があることは幸せなことだ」と思いました。今も語れるような思い出はこれまで生きてきた証しであり、現在の自信や誇りになっています。

当時から和歌山県の活性化に取り組んでいるK社長は、現在の和歌山県に必要と思われることを話してくれました。

和歌山県が観光立県を目指しているのであれば、考える前提があると言うことです。それは観光だけで利益は上げられないと言うことです。観光の比率が30パーセント、物販が30パーセント、食事が40パーセントの比率を考えることが観光事業だと言うことです。

物販と食事を組み合わせることが観光事業であり、景色を楽しむことが観光事業ではないのです。和歌山県は観光に訪れる人がいても、観光事業になっていないことから「観光で収益は上がっていないと思います」と話してくれました。

例えば和歌山城は観光地ですが、ここに物販と飲食が不足しています。和歌山城に観光に来て、買い物を楽しめる場所と和歌山らしい食事を食べる場所が欠けているのです。観光地としても名が挙がる伊勢神宮を訪れると、その場所で買い物と食事を楽しむことができます。ショッピングエリアと飲食エリアを備えておくことが観光事業として必要なことです。「和歌山県や和歌山市の観光をビジネスにするためには、景色を見るだけではお客さんの満足度は30パーセントです。物販と飲食の満足度を高めることが必要です。ここを改善して下さい」と伝えてくれました。

また「観光事業にするためには民間の協力と参画してもらうことが絶対に必要です。観光事業の60パーセントを占める民間事業者の参画なくして観光事業は成り立ちません」と話してくれました。

それが確立できた後に必要となるものがあります。エンターテイメントとヒストリーです。その観光地が夢を語ってくれること、歴史から来る物語が伝えられるようなしくみがあることが必要になります。和歌山城に観光で来た人が「もう一度訪れたい」と思ってもらえる仕掛けと、ここに伝わる歴史を学べることが観光事業として不可欠となります。「もう一度来たい」、「ここに来たらおもしろい歴史を学べる」というものがなければ、観光客はリピーターにはなってくれません。

K社長は以前から、物販や飲食事業を全国に展開していて成功を収めています。そのノウハウの一端を示してくれました。

「これからの和歌山県を背負ってくれる片桐君に期待していますから」と大きな期待を寄せてくれました。

懐かしい「ランニングフォーエバー」の映画とこれからの観光事業の話をすることができた、楽しい時間となりました。質の高い会話と時間は幸せな時間となります。

和歌山城
和歌山城

和歌山城の整備計画について意見交換を行いました。和歌山城整備計画は平成7年度に策定されているもので、もう21年が経過しています。この整備計画に基づいて和歌山城の整備が進められてきているのですが、その計画は大幅に遅れているようです。

そこで現状に合わすと共にこれからの整備を図るために、平成28年度に見直しを行うことになっています。どこから整備を進めるのか。観光地としてリピート性があり、魅力のある和歌山城にするための整備計画になるようにして欲しいと思っています。

現在の和歌山城には天守閣は存在していますが、それ以下の建物は存在していません。江戸時代の和歌山城を再現することで、観光地として発展を続ける和歌山城にすることができます。和歌山城の江戸時代の図面はありますから、一期計画、二期計画、三期計画を順次策定して行くことで、何年にも亘って観光地としての価値創造を図ることができます。

和歌山城

予算面、誘客面からも一気に整備を進めるよりも、段階的に整備を進める方が得策とも思います。

和歌山城を訪れる観光客は、直近の統計によると年間、約23万人となっています。お城としての観光客は少ないので、もっと来てもらえるための方策を作り上げたいものです。江戸時代の和歌山城を復元していくことで観光事業の成り立つ和歌山城になると思いますから、整備計画の見直しに期待しています。