明日、ライオンズクラブで松の木の植樹を予定している場所が水軒の浜です。水軒の浜での植樹は今回が三度目となりますが、この場所での松の木の植樹は、かつて東洋一と言われた水軒の浜にあった松の木の林を再現することを目指したものです。それ以外にも地球環境保全の一助としての取り組みの意味合いがありますが、地域貢献活動として水軒の浜に松林を復活させようとしているものです。
水軒の浜が東洋一と言われたのは長くて美しい海岸線とその背後にある松林の景観だったようです。この長くて美しい海岸は海水浴場として栄えていたようで、昭和20年代から30年代前半までの、当時の若い人達の海水浴のメッカだったようです。
「土曜日に水軒の浜に松の木を植えに行くから」と母に話したところ、「ライオンズクラブで植樹に行くのですか。水軒の浜はきれいな海水浴場で、若い時の夏によく海水浴に行きました。海岸に沿って松の木があったので日陰になり、そこで海水浴の合間に休憩をしていました。松林は涼しい木陰を作ってくれていました」と答えてくれました。
この場所の松林は当時の若い人たちにとって思い出にもなっているようです。今は水軒の浜からは海岸も松林も消え去っていますが、当時と同じような松林の景観を取り戻そうと取り組んでいます。母の話を聞いて更に、「私達の世代で親の世代にあった景観を再現するために、松の木の植樹はやらなくては」という気持ちにさせてくれました。
「今はもう松林はないからね」と言う母に対して、「今回で三回目の松の木の植樹になるから、少しずつですが松が育ってきています。何年かして松の木が成長したら水軒の浜に松林が戻ると思います。10年か15年後になるかも知れませんが」と伝えました。
少しでも早く松林を再現したいのですが、植樹する松の木はこれから成長してくれる約120センチのものなので、成木に成長するには少しの時間を要します。当時のような松林の景観を見せたいので、この場所に来年以降も松の木の植樹を続けたいと思っています。
水軒の浜への松の木の植樹は、地球環境保全とかつての景観を取り戻すことの価値に加えて、和歌山市が栄えていた時代の記憶を留めるためにも必要なことだと感じました。町の記憶は大切な財産で、当時の誇るべき景観を語れる人がいる間にその財産を言葉で受け継ぎたいと思います。その言葉に基づいてかつての素晴らしい景観を取り戻すことができたら、守るべきものを次の世代に残せることになります。
「今思うと、価値のあるものは自然なのかなと思います。一度失われた自然は戻ることはないので大事にしておけば良かったと思います。失ってからもったいないと思います。せめて今ある自然景観は壊さないで守って欲しいと思います」と話してくれました。
昭和30年代後半からは日本は高度成長期に突入することになります。自然や景観よりも工場立地と地域の開発が価値のある時代でした。自然に価値はなく、人が作り出すものに価値があると思って開発と発展を遂げた時代だったと思います。経済成長を遂げた後、人が創り出すことのできない自然に価値があることを感じ、認めるようになりました。
水軒の浜の優れた自然と景観を全てではないにしても再現することは価値のあることだと思います。当時を生きた人の記憶にあるような水軒の浜の松林になるような取り組みに関われていることを嬉しく思いました。和歌山県で生活している人として、ライオンズクラブとしてやるべきことがある。そんな思いにさせてくれる出来事でした。
「ライオンズクラブは良い活動をしていますね」。そんな温かい言葉を聞くと、松林の再現を数年前から実践していることと、ライオンズクラブメンバーであることを誇りに感じます。親が認めてくれるような活動ができていることは嬉しいものだと感じました。
親は子どもが喜ぶ姿が見たいと思っていますが、子どもも親が喜ぶ姿を見ると幸せになります。そんな今がとても良いと思います。
明日のライブに備えて、坂本つとむさんとケンイチ大倉さんが東京から和歌山市に入ってくれました。まず夕方からのテレビ和歌山の番組に出演し、明日のライブのことや和歌山市との関わりなどを話してくれました。この番組はウインズ平阪さんが出演しているご縁で、「つと☆ケン」の出演が叶ったものです。平阪さんのご厚意に深く感謝しています。
「番組を見ていたよ」という声も聞かせてもらうなど嬉しい反響がありました。
そして二人の歓迎会を行いました。歓迎会でゆっくりと和歌山市を楽しんでもらおうと思っていたのですが、「つと☆ケン」の二人は、お店に来ていたお客さんのためにミニライブをしてくれました。5曲程度でしたがライブで店内と和歌山市に熱気を送り込んでくれました。二人の歌が店内を盛り上げてくれることで、改めて音楽の力を知ることができました。元気を与えること。気持ちを高めること。明日への活力を生み出すこと。そして今を楽しむこと。それらが音楽の力です。
そして二人は「片桐さんのための曲です」と言いながら、以前ライブでプレゼントしてくれた「ひとすじの光」を歌ってくれました。二人の歌はポップンロールと呼ばれるノリの良い曲が多いのですが、この曲はしっとりと、そして今日という日が大切なことを教えてくれる曲に仕上がっています。大好きな曲を歌ってくれて、歓迎会はエンディングへと続いていくことになりました。ラストは「雨に濡れても」で店内は更に盛り上がりました。
音楽の力、二人の力は「凄い」と感じることができました。明日のライブでは和歌山市の夜を盛り上げてくれることを期待しています。