トップランナー方式と公平方式についての話をしました。
国などがメーカーの技術力を競わせ全体のレベルを向上させるために用いる方式がトップランナー方式です。性能の優れたモデルを採用するモノを採用した人や事業所に対して補助する制度のことですから、メーカーは性能を競って製品を作り上げることになります。競争を促してレベルを高くするためには他よりも優れた製品の登場が必要となります。
トップに君臨する製品が登場することで、ライバル他社はそれを超えようと技術開発を行うのです。あるレベル以上の製品に対して国が補助を行うことで、市場全体のレベルが向上していくことになります。
環境に資する製品がトップランナー方式に適しています。全ての省エネルギー製品を補助対象とするのではなくて、一定以上の環境負荷低減に資する製品を補助金の支出対象に選定することはあり得ることです。補助金を受けられると他の製品に比べて売れますから、トップランナーの登場は市場を熱くします。一つのトップランナーが登場すると次々にそこに到達する製品を投入できるメーカーが増えていくのです。
トップランナーの登場は、それまで競い合ってきたレベルから抜け出して、より高いレベルの市場に生まれ変わることになります。
この方式は一定水準以上の性能のものに対して補助を適用するので、高いレベルが基準となります。
それに対して公平方式は高いレベルを求めるのではなくて、大多数の人が範疇に入るレベルのところに線を引きます。多くの人がその線を超えるであろう位置に線引きを行いますから対象者は多くなります。公平の観点からすると、より多くの人にサービスの提供を行えることを目指すことになります。高いレベルの製品を補助対象にすると、そのレベルに達していない製品は売れなくなります。そこで全てのメーカーの製品を補助対象にするため、つまり公平性を保つためには製品レベルを下げる必要があります。
性能が10のレベルまであり、補助対象を8のレベルにすると補助対象となる製品は2つだけだとします。残りの8つのメーカーの製品は補助対象外となりますから、売れなくなります。
トップランナー方式によると、補助対象にならなかったメーカーは技術開発などによってレベル8を目指した製品づくりをすることになります。
ところが公平な方式であれば10の製品があれば、その10の全てを補助対象にします。レベルの低い製品も補助対象となりますから、レベルが低くても価格の安価な製品が売れることになります。ここでは競争が起こらないでメーカーは技術開発の必要性を感じないのです。その結果、市場のレベルは低い位置で安定することになります。
どちらが良いか市場や地域事情によって異なりますが、発展性を求めるのであればトップランナー方式が適していると思います。
トップの考え方によってレベルも市場も変わっていくのです。ただトップランナーを支持しないでいると、その市場のレベルは高くなりませんし、トップメーカーは市場を外に求める行動に移ることもあります。公平性はとても大事ですが、事情によって市場や地域をリードしてもらえるようなランナーを大事にしたいものです。
和歌山ゴールドライオンズクラブ理事会に出席しました。7月から始まる新年度の課題解決の方法などを協議しました。クラブ運営は毎年繰り返しているもので、その都度の課題は解決してきているのですが、それでも新たな課題が発生します。人が活動していると常に課題が出てくるもので、思うようにはいかないものです。それだからやりがいがあるのかも知れませんが。今期中に解決を図れるものと次期に繰り越すものを仕分けして対応しようとしています。
- 防災協定に関して協議を行いました。南海トラフの地震と津波被害に備えて、スーパーなどと食料品の供給などの体制作りに努めたいと考えています。
- 公共建築物への地中熱利用による省エネと災害発生時への対応について協議を行いました。災害発生時に避難施設や司令塔へのエネルギーの供給は不可欠ですから、その対応に関して話し合いました。