活動報告・レポート
2016年4月12日(火)
地中熱
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地中熱

地中熱利用と活用に関しての説明会を行いました。地中熱の利用に関しては以前、和歌山県議会本会議の一般質問で取り上げましたが、その時は、地中熱利用は寒暖の差が大きい寒冷地が適していること、和歌山県内に具体的な事例がないこと、施工者がいないことなどから、環境省が推進しているにも関わらず和歌山県内での取り組みはできていない状況でした。

数年経過した現在においても和歌山県内での事例がなく、地中熱を利用した地球環境への対応が遅れている地域の一つとして和歌山県があることから、何とかしなければと対応してきました。今回、地中熱の利用に理解を示し、新店舗建設に際して地中熱利用を計画してくれた事業者と共に県庁で協議を行いました。和歌山県内で他府県に遅れながらも地中熱利用が始まることを歓迎していますし、これを契機に弾みをつけたいと考えています。

地中熱の利用に関しては政府の動きと連動しています。2014年4月に発表されたエネルギー基本計画では次のような取り組み方針が示されています。

  1. 業務、家庭部門における省エネルギーの強化。
  2. 再生可能エネルギーの導入加速。
  3. スマートコミュニティの実現。
地中熱

この中で業務、家庭部門における取り組みに関しては、トップランナー方式が推奨されていて、メーカーが性能を上げていくための競争をしてきました。地中熱利用機器の性能が向上し、温暖な地域でも効率が良くなっていることから和歌山県内で利用できないことはなくなりました。

その証拠に、採算性を求めるスーパーマーケットが地中熱の利用を決めたことはその証拠です。お客さんに食料品などを買っていただいて小さな利益を積み重ねるスーパーは鋭い金銭感覚を持っています。そのスーパー経営者が地中熱利用を決めたのは、事業として採算性があり地球環境や地域の環境保全に貢献できると判断したからに他なりません。

国でも地中熱利用を推進していて、環境省は地方自治体施設の地中熱利用に対する補助制度を設けていますし、経済産業省では民間事業者への補助制度があります。民間事業者が地中熱を利用する場合、経済産業集から3分の1以内の補助が受けられますが、地方自治体と連携、指定などを受けた場合は3分の2以内の補助が受けられます。地方自治体にも地中熱利用の理解と民間事業者の導入促進を図って欲しいと思います。

地中熱

地方自治体の取り組みと例として、新潟県では家庭用地中熱利用設備の導入支援制度があります。新潟版グリーンニューディール政策として家庭における地中熱の普及を促進するため導入費用の支援を平成28年度に予算化しています。新潟県では地中熱利用が高い省エネルギー効果や、環境負荷軽減効果があることを認めての支援制度を導入しています。

他に経済産業省の支援得てエコアイランド事業が宮古島での取り組みが行われていますし、岐阜県では地中熱利用研究会を産官学で設立して導入の推進を図ろうとしています。このようにこれまでは主に北海道や東北、北陸地方で採用されていた地中熱ですが、全国に広がりを見せています。ただ関西での取り組み状況は全国と比較して遅れているようです。同じく和歌山県での取り組みは一つ目を具体化させた後の展開になりますが、和歌山県を始めとする市町村との連携を図り、環境省の支援制度の活用をしながら利用促進を図っていきたいと考えています。

この地中熱利用に関する事業者と地方自治体との連携のしくみを整えることが大切な役割だと認識しています。

その他
  • バイオマス発電に関する協議を行いました。紀伊半島の中で、奈良県や三重県では実績があるけれど和歌山県で事例はないので推進するに際しての課題の協議を行ったものです。 平成28年度中には具体化の道筋をつけたいものです。
  • 高齢者見守り隊の活動について協議を行いました。本人が意識しないでも高齢者の見守り活動をしている状況になるしくみがあります。滋賀県で実証中ですが、この取り組みは全国から注目を集めています。今回は東北の被災地となった自治体からの問い合わせもあり、和歌山県としても滋賀県の成果に注目したいと考えています。