活動報告・レポート
2016年4月3日(日)
高齢者の見守り隊

1人暮らしの高齢者を見守ることが行政課題となり、地域での課題になっています。和歌山県では企業の協力を求めて「高齢者見守り隊」活動を行っているところですが、滋賀県では更に進んだ取り組みをしていることを聞かせてもらいました。それはスマホを活用した「見守り隊」の取り組みです。

この取り組みに関しては、滋賀県からの平成27年11月の滋賀県のプレスリリース文を以下に掲載します。

認知症高齢者 スマホで見守り。

滋賀県では、本格的な人口減少社会の到来と少子高齢化の進行により、医療・介護需要の増大への対応が課題となる中、保健・医療・福祉の現場と健康支援サービスの創出を目指す民間事業者との連携強化を図ることにより、“治療・介護から予防への転換”に寄与する新たな健康支援サービス創出を目指す「しがウェルネスファーム」の実証運用を行っているところです。

この「認知症高齢者見守りシステム」は、行方不明者の早期発見・保護につなげることを目的に、株式会社ナスカ(栗東市)が開発中のシステムであり、認知症高齢者が持つ小型発信機から送信される電波を、専用の見守りアプリ(無料)をダウンロードしたスマートフォンが受信すると、その位置情報が自動的に見守りシステムに送信されるものです。専用の見守りアプリをダウンロードするボランティアが増えることにより、行方不明者の捜索・保護のネットワークが広がることが期待されます。

「しがウェルネスファーム」では、今回の検証実験の結果を踏まえ、引き続き「認知症高齢者見守りシステム」の事業化に向けた取組を進めてまいります。

リリース文の内容から少し割愛していますが、以上のことから取り組み内容が理解できます。高齢者にコインのような小型発信器を身に付けてもらいます。その発信機は専用のアプリをダウンロードしたスマホを持っている人が近くにいると、位置情報が管理者に送信されるしくみになっています。

つまり多くの人が専用アプリを取得してもらえると、より正確に位置情報を把握することできるようになります。

もし高齢者が行方不明になった場合、管理者はアプリからの情報を受信することによって位置を把握することが可能となるのです。アプリを取得している人は、特に何もしないでも「見守り隊」の機能を果たしていることになります。より多くの人が「わが県の、私達の地域の高齢者を見守る役割を果たそう」と思って専用アプリをダウンロードしてくれると、もし行方不明になった高齢者がいた場合、その発見が早くなります。

「見守り隊」としての活動や捜査をしないでもアプリを取得しているだけで、「見守り隊」としての役割を果たすことになり、高齢者対策に貢献していることになるのです。

和歌山県の「見守り隊」の取り組みは、郵便や新聞、飲料水の配達やメーターの検針で一人暮らしの高齢者宅などを訪問した時、郵便受けに郵便物や新聞が溜まっていたり、電気のメーターが回っていなかった場合、県庁や市役所に連絡をしてもらうしくみです。

今回の滋賀県の社会実験は、高齢者に小型発信機を持ってもらい、スマホで居場所を特定する実験です。しくみが違いますが、地域で一人暮らしの高齢者を見守ろうとする姿は一緒です。このアプリをコンビニや福祉施設、ガソリンスタンドなどの人が自分のスマホにダウンロードしてくれていたら、地域を網羅する密度が濃くなり徘徊している高齢者の方の発見が早くなります。

和歌山県では企業に協力をしてもらって「見守り隊」の活動を行っていますから、既存の「見守り隊」の方々にこのアプリを活用することを協力してもらうことで、より対策が高度化するものと考えています。滋賀県の事例を参考にしながら、取り組むことが可能かどうかを考えてみます。

良い事例を教えてもらったことに感謝しています。