活動報告・レポート
2016年3月30日(水)
仕事について
仕事について

人と関わる仕事について話をしました。世の中の多くの仕事は人と関わりを持ちながら進めるものですから、人とのご縁と信頼関係は欠かせないものです。

人はどこでつながっているか分かりませんから、信頼関係を大切にしなければなりません。100回書類のやり取りをするよりも一回食事に行く方が親しくなり、その後の仕事がスムーズに運ぶことは珍しくないことです。

また法律や条例は、がんじがらめにしているものではなくて解釈の余地を残していますから、判断する人によって拡大解釈をする場合もあれば縮小解釈する場合もあります。法律や条例に解釈の余地があることは、例えば、行政担当箇所に裁量があるということですから、人との関係は大切になります。決して変な意味ではなくて、担当者が「この人のお役に立てるように」と思って仕事をしてくれるのと、「この人だったら頼みはちょっとね」と思われるのとでは、仕事の進め方が違ってくると思います。

「この人のため」と思うのと「この人の頼みはねぇ」と思うのとでは仕事の速度や結果に大きな差が生じます。この差を生み出しているのが、信頼関係であり日頃からのつきあいです。

また仕事は、明るく実行する方が良い成果が期待できると思います。明るいチームは楽しく仕事を進められますから良い結果につながると思います。苦しみながら、辛いと思いながら仕事をしていると、結果はそちらの方向に導かれていきます。時には歯を食いしばって仕事をすることも必要ですが、仕事の過程において、いつも歯を食いしばる場面ばかりではありませんから、極力、明るく楽しい仕事をしたいものです。

退職の日

春、人事異動の季節です。明るくて楽しい季節である春も、時折、寂しい演出をしてくれます。定年退職や職場を去る人が出てくることです。日頃から良くしてくれる人が定年退職の日を迎えることは寂しい気持ちが芽生えます。惜春という言葉があるように、別れの時は春なのに寂しさを感じます。

60歳で定年になる方や65歳で退職する方は、今と全く同じ環境に出会うことはなくなりますから、この瞬間を惜しみ楽しむことになります。お別れの会話は寂しいけれど、楽しさも交じっています。この時に交わした会話は、この方の思い出としていつまでも覚えていると思います。時間に濃淡はありませんが、人との会話の時間には濃淡があります。普段の会話は密度が薄くても、最後の時を迎えた会話の時間の密度は濃くなります。

見慣れた机や椅子がとても愛おしく感じるのは、時間が濃くて速度を増しているからです。いつまでもある、いつまでもこのままだという状態にいると、人はその状態が大切に思わなくなります。ところが、この状態が当たり前のものではないと気付いた時、大切にしたいと思うのです。

このことを大切に思うのは、これが限られた時間であったことに気付いた時です。最後の時がないと思うと、人は今を大切に思わなくなります、いつかこの場面も最後の時が訪れると思うと、今を大切に思うようになります。

全てのことに最後の時が訪れます。でも人はそのことに気付かないでいるのです。今が大切な時であると思いながら、この時を過ごすことが幸せだと思います。時間に濃淡はないと言いましたが、人と出会っている時、人との会話の時間に濃淡はあります。その密度を濃くすることが幸せだと思います。

明日で退職される皆さん、長い間、お疲れ様でした。そして楽しい時を刻んでくれたことに感謝しています。ありがとうございました。