平成27年度、ライオンズクラブ335B地区の大きな事業がライフジャケット推進事業です。津波による被災が予想される地域にある保育所や幼稚園に対するライフジャケットを寄贈する活動について和歌山県との協定を行い、この式典の準備を進めてきました。既に湯浅幼稚園などには寄贈していますが、今回は1,885着のライフジャケットを贈呈する大規模な式典を挙行しました。
テーマは「ライオンズクラブは3.11を忘れない。ライフジャケット合同贈呈式」です。和歌山県の『津波から「逃げ切る!」支援対策プログラム』に基づくもので、「子どもの命を守ろう」を掲げて一緒に取り組んでいます。
和歌山県の子ども達にライフジャケットを寄贈するきっかけは、東日本大大震災の支援のため当時のキャビネット役員が被災地を訪問したことにあります。大川小学校にも立ち寄っていますが、多くの子どもの命が失われたことに心を痛め、「せめて一人でも多くの子ども達の命を助けられないだろうか」と考え、子ども用のライフジャケットを寄贈することの意思疎通を図り、和歌山県の協力を得て寄贈を決定したものです。
命を失った子ども達と、子どもを亡くした親の気持ちがライオンズクラブの心を動かしたのです。「もし子ども達の身近なところにライフジャケットがあれば、これだけ多くの命が失われていなかったのではないだろうか」と思い、専門家などと協議した結果、「ライフジャケットを着用していても確実に命を守れるとは言えないけれど、着用していれば子ども達の命を守れる確率は高くなります」という意見をいただきました。
大地震による津波が発生した場合、その被害から1人でも多くの子どもの命を守れるのであれば、それに対応することが社会貢献活動を実行している団体の社会的責任だと考えました。
多くのライオンズクラブメンバーの協力を得て、この日に辿り着くことができました。これだけの事業ですから様々な意見があり、また困難に直面しながらもやり切ることができました。この取り組みが実現できたのは、キャビネット役員のリーダーシップとそれに応えたメンバーの心意気と行動力の賜物です。
式典は開会宣言、主催者を代表して中村猛ガバナーの挨拶、和歌山県を代表して和歌哲也危機管理監の挨拶へと進みました。ライオンズクラブ100周年委員の森田孝委員長から、この事業の経過と取り組みについて説明を行い、ライフジャケット贈呈式を行いました。
式典終了後にメンバーの一人が「こんな式典に参加するとライオンズクラブの凄さを感じます。来年度も継続して実施しなければと思いました」と話していたように、「参加して良かった」と思える式典でした。活動は地道なものですが、時には活動の集大成として大規模な式典があると、これまでの活動が見える形になるので今後の活動の励みになります。
そして何より、このライフジャケット推進事業と合同贈呈式の舞台は和歌山県であったことです。残念なことですが、和歌山県は南海トラフの巨大地震による津波被害が予想される海岸地域が多く、ライフジャケット推進事業は、和歌山県南部地域で海岸に近い保育園と幼稚園の子ども達の命を守るための事業です。
和歌山県を舞台にした大きな活動に携われていることは嬉しいことであり、次の活動へとつながるものです。中村ガバナーが着手したライフジャケット推進事業は、第一地区ガバナー、第二地区ガバナーも賛同していることから、最低でも3年間は継続されることになります。
和歌山県から発信する「子ども達の命を守る取り組み」が全国に、そして世界のライオンズクラブに影響を与えることになります。この活動に関係している一人として誇りを持てるものです。
ライフジャケット合同贈呈式に参加して良かったと思いますし、準備段階から関わってくれた皆さん、参加してくれた皆さんに心から感謝しています。