1人暮らしの高齢者の問題が発生しています。これまで数件の事例を聞いていますが、今回も一つの事件があったことを聞かせてもらいました。
和歌山県内の某自治会で、一人暮らしの高齢者が暮らしていました。自治会の同じ班の中では顔の見える関係を築いていました。ある日、自治会長のところに班員の一人が相談に来ました。「○○さんのポストに数日分の新聞が溜まっています。気になるのですが・・」という相談です。
相談を受けた自治会長は「確か一週間前に電話で話したけれど、それ以降、話していないし会っていないなぁ」と思い、その高齢者の方の自宅を訪ねました。ポストに新聞が溜まっていて、また呼び鈴を押しても反応がなかったので、その場から息子さんに連絡を取りました。息子さんは結婚して住居を別に構えているのですが、直ぐに駆けつけてくれました。玄関の鍵を開けて家の中に入ったところ、この方は既に亡くなっていました。
救急車を呼んで対応してもらったところ、「突然、心不全が起きた可能性があり数日前に亡くなっていた」ということでした。
不幸な出来事に息子さんも自治会長も「相当のショックを受けた」と聞かせてもらいました。自治会長は「できることがあったのではないだろうか」と責任を感じ、「二度と同じ出来事を繰り返さないようにしなければ」と強く決意をしていることを話してくれました。
そのため対策として、班長会議を招集すること。その中で、自治会内で回覧板を回覧する時は、ポストを見ることや自宅に何か変化がないかどうかを確認すること。また数日間、旅行などに出掛ける時は近隣に声を掛けていくことなどを提言することにしています。
そして一人暮らしの高齢者宅の雰囲気が「おかしい」と感じた時は、家族に連絡をすることとし、連絡がつかない時は緊急なので「警察に連絡して欲しい」ことを班員に伝えることにしています。
この出来事は高齢社会である和歌山県の大きな課題です。和歌山県では一人暮らしの高齢者を見守るために「地域見守り隊」の施策を実施しているところです。これは郵便局、電力会社、宅配事業者や新聞配達などに協力してもらって、一人暮らしの高齢者宅を訪問した際に、何かの変化や異変を感じた時は直ぐに和歌山県や警察に連絡を取るしくみのことです。
地域全体として、個別に訪問機会のある会社の協力を得て、一人暮らしの高齢者を見守ろうと取り組んでいます。近年ではコンビニエンスストアも宅配サービスを行っていることから、都市圏では宅配サービスで自宅を訪問する際に「見守り隊」の役割を担ってもらっているようです。
つまり一人暮らしの高齢者に接点があると思われる皆さんに協力を呼び掛けて、訪問した時は「変わりがないか」、様子を見てもらうことにしています。
高齢者を守ることや災害時の連絡体制などの安全対策は、一つの手段で良いとするのではなくて何重にも網をかぶせておくことが大事なことです。
今回の和歌山県内で発生した事故に直面した自治会長の話を教訓として、一人暮らしの高齢者を見守るしくみを強化することが地域社会の求めていることだと思いました。命に関わるひとつの事故は、地域全体に影を落とすことになります。地域の安全と安心を築くためには、未然防止が何より大切です。
和歌山県が取り組んでいる「地域見守り隊」を強化すること、民間事業者の協力を得ることを推進したいと考えています。
- ご縁をいただいている組織の役員会に出席し、平成27年度の事業結果と平成28年度の事業計画などを説明してもらいました。順調に業績を上げているのは理事長と職員さんの人柄によるものだと思います。事業所を訪問した際に、みなさんが笑顔で挨拶を交わしてくれたことから分かります。伸びている組織の空気を感じました。
- 元中学校の同級生のお店を訪ねました。心から気配りをしてくれるので落ち着くことができます。人を思う気持ちとは、春の陽気に似た心地よい心を感じられることだと思います。心地よい気持ちに浸れたことに感謝しています。
- 有家自治会役員会を開催しました。平成28年度有家自治会総会の議題について話し合いました。予決算と活動結果と事業計画、新年度の役員体制などを作成して総会に諮る準備に着手します。