平成28年度の和歌山県の新政策について報告する機会をいただきました。新政策の中から数項目を選んで参加してくれた皆さんに説明しました。和歌山県の新政策として取り上げたのは、木質バイオマスの利活用について、白浜空港の国際線ターミナル新設について、PFI事業の推進体制について、空き家対策について、都市政策のあり方について、建築物の耐震補強についてなどでした。
説明することで改めて気付く課題もありますし、質問を受けて考えさせられることもあります。終了後、「楽しい報告会だったのでまた実施して下さい」、「県の政策を知ることで仕事に反映させられます」、「県の政策を聞くことでこれから進む道を知ることができるので有益です」などの意見をいただきました。良い研鑽機会となりましたから、継続して実施していきたいと考えています。
和歌山県の南の地域では「仕事がない状態」であることを聞かせてもらいました。公共事業は減少させていないと思っていたのですが、実際は「紀伊半島大水害の復旧を終えたので、仕事がない状態」だと話してくれました。トラックや機材など、県からの仕事をあてにして設備投資をした会社は困っているようです。和歌山県にとって公共工事は生命線なので、仕事量を減らさないようにして欲しいと要望を受けました。
和歌山市内でいるのと減少認識の違いを思ったので、認識のずれを縮小するため、現場に出向いて話し合うことの大切さを感じています。
また県外の都市開発関係の経営者は、「和歌山県の農地転用を認めないことや、開発許可の規制は自殺行為だと思います。大阪や神戸のように事業者を呼び込まなくても来てくれる県であれば良いのですが、和歌山県は滋賀県や奈良県と同じように仕事を呼び込まなくてはならない県です。郊外の開発を規制し仕事をなくすような行為は考えられません。和歌山県がすべきことは仕事を増やすことだと思います」と話してくれました。
和歌山県外からの視点でもやはりそう思うようです。
新しい店舗を開設し、商売を開始する二人に会いました。和歌山市を取り巻く社会環境は厳しいものがありますが、「立ち止まっていても仕方ない」ということで、新規事業に取り組む経営者がいます。そんな二人と話をしていると困難でも歩こうとすることが大切だと感じました。
何もしなければ現状維持で収まらないのが社会ですから、常に前進する覚悟が必要です。前進しようとすることが、最低限、現状維持になるからです。前進とは行動と決断、そして投資することを意味しています。
そして新規事業を立ち上げるには個人の力だけでは無理なので、応援してくれた人、支えてくれている人、相談に乗ってくれる人達が必ずいます。そんな人たちの応援に対して恩返しをすることが「私にできることです」と話してくれました。ご恩に応えるには頑張ること以外にありません。頑張って成果を出すことがご恩に報いる方法です。
「人材を集めることも新規調達も厳しいことに違いはありません。厳しい環境を乗り越えるために必要なことは経営者が現場に立ち、自ら働いている姿勢を見せることです。トップの姿を見せることで意気込みを感じてもらえますし、一緒にやろうと思ってくれます。そして投資した金額を回収しなければならないので不安は大きいのですが、これまで以上に気持ちが昂ぶります」と話してくれました。
必要以上に人に頼ることなく自らの道を切り開く覚悟を聞くと、これまで以上に応援したくなります。
二カ月に一度程度開催している懇親会に参加しました。経営者に必要なものは余裕とゆとりだと話してくれました。「切羽詰まった表情をしている人や余裕のない人に付いていく人はいないでしょう。経営者は明るくて余裕のある人でなければ人は付いてきません」と話してくれました。
「切羽詰まって余裕のない人と余裕の感じられる人のどちらに付いていきたいと思いますか」、「笑顔のある人と悲壮な表情の人のどちらに付いていきたいと思いますか」、「話しやすい人と避けたい人のどちらに付いていきたいと思いますか」という設問がありましたが、その答えは明らかです。
部門の違う経営者の皆さんとの懇談で得られるものはたくさんあります。