和歌山県の各部から平成28年度の重点施策について説明を受けました。新年度の予算規模は、5,752億円で対前年度と比較して120億円の減額ですが、これは紀の国わかやま国体関連予算などの減少分となっています。この一般会計についての審議する平成28年2月議会は明日開会となります。3月17日の閉会日まで議論を交わすことになります。説明会で僕が議論した主な項目は次の通りです。
予算額1,129万円。薬学部新設のため建設予定の地質調査費用を予算計上しています。建設予定地は和歌山市の伏虎中学校の跡地ですが、この場所は和歌山市からの要請に基づくものとなっています。
薬学部の新設は知事の政策ですが、建設場所は和歌山市からの要請に基づいて和歌山県が地質調査をすることになっています。開学は平成33年度を予定していますが、薬学部の設置について大学の理事会と詳細を詰めておくことを依頼しました。懸案として、中心市街地の活性化のために伏虎中学校跡地への建設を計画していますが、本質は薬剤師を県内に配置するため薬学部進学を希望する高校生に、和歌山県内で学んでもらうことにあります。大学運営面からも理事会の意見を聞いて対応してもらうことを意見しました。
危険ドラッグへの対応については重点施策に入っていません。大阪府の危険ドラッグ撲滅に向けた取り組みを聞いてきただけに、和歌山県でも未成年を危険ドラッグから守るために重点志向が必要だと思い問題提起しました。危険ドラッグに関して和歌山県は先進的な取り組みをしていますが、他府県が大々的に撲滅に向けた取り組みをしているだけに、余波を受けないように対応を強化する必要性を伝えました。
予算額581万円。メタンハイドレードの調査に要する予算です。和歌山県として独自にメタンハイドレードの調査を行っていますが、日本海側は国が調査を行っています。和歌山県のメタンハイドレード資源が有望であるとするなら、国の調査事業として取り扱ってもらうことを依頼しました。
当局からは国に対して継続して予算化、事業化をしてもらうためにも、県として調査を継続する必要性があると見解を示してくれました。
予算額878万円。林業関係者と発電事業者へのインセンティブ予算で、事業の立ち上げ時の支援とするものです。バイオマス発電事業を行おうと考えている事業者は自前で資金を持っています。資金調達できない発電事業者はいないと思います。和歌山県にバイオマス発電所がないのは立地に尽きると思います。発電事業を立ち上げるための補助金ではないのです。和歌山県としてすべきことは立地場所の確保という要望に応えることです。森林県である和歌山県にバイオマス発電所がないことは恥ずかしいことですから、事業者に対する立地支援が必要な対策です。
またインセンティブを用意しても、和歌山県内にはバイオマスに必要な森林資源が不足しています。複数の事業者が和歌山県の森林を燃料にすることを希望しても対応できないと思います。バイオマスは発電事業を希望する事業者が、この制度を活用できないことにさせないようにして下さい。
加えて、事業資金がありこの制度を活用しなくても事業化できる事業者がバイオマス発電事業を行う場合、この制度を利用していないことで不利にならないようにして下さい。この制度を利用する事業者がアドバンテージを持つことのないように考えて下さい。
和歌山県がすべき施策は立地の希望に応えることですから、何としても事業化の支援をして下さい。
中小企業融資制度実施について。予算額820万1,460万円。信用補完制度実施について。予算額4億3,440万円。マイナス金利の取り組みが行われています。和歌山県の金融施策についてもこの影響を受けると思いますから、県の金利負担を大きくしなければこの制度の活用が減少すると思います。つまりプロパー融資の金利が安くて、県の融資制度を活用する方が信用保証料の負担があるため金利が高くなると言う逆転現象が発生する可能性があるからです。対応を考えて欲しいと思います。
当局からは、プロパー融資の金利が安くなる場合があると思いますが、金利負担を含めてこの制度の見直しは考えていないと回答がありました。全ての事業者がプロパーでの融資を受けられないため、県の融資制度の必要性はあるからです。
確かに中小企業へのプロパー融資は厳しいことに変わりないため、中小企業支援のために県の融資制度は必要ですから、せめて信用保証料の負担軽減を図ることも制度として検討すべきだと思います。県の融資制度を利用するためには信用保証料が必要なので、マイナス金利によってこの負担が大きくなると折角の制度の利用価値が減少します。金融市場の動向に合わせて制度の見直しも課題であることを指摘しました。
予算額3,818万円。この取り組みは評価するものです。LCC誘致と南紀白浜空港の民間委託について具体案があることから平成27年12月議会で一般質問をしようとしたのですが、当局から「動きはないので答えることはありません」と回答があり取り止めました。急に平成28年度の重点施策として登場してきた理由についての回答を求めました。
当局からは平成28年になって国の方針が変わったことに伴い、南紀白浜空港の扱いについて検討することになったと回答を得ました。重点は中国、台湾、香港などの国でLCCの定期便の誘致を検討しています。国際ターミナルビルの基本設計と実施設計に着手しますが、滑走路は2,000mであるため大型旅客機の着陸はできないとこに変わりはありません。
スポーツトレーナーの松栄勲さんの講演会に参加しました。上達するためには正しい方法でトレーニングをする必要があり、正しい方法でやらないと故障の原因になることの指摘がありました。運動は筋肉の動きを意識することで身体のバランスが良くなるようです。どの筋肉を動かそうとするのかを意識することが大事なことだそうです。
身体に弱いところがあると、無意識にその部分をカバーしようと身体が無駄な動きをすることになります。無駄な動作はスピードを弱め、力を発揮できないことになります。左右のバランスと体幹の強化をすることが運動の基本だそうです。
身体の動かし方の大切さと筋肉の動きを意識することなど、とても参考になりました。
午後7時からは定例の勉強会を行いました。本日はマイナス金利の地方経済への影響について学びました。他の国でもマイナス金利の事例がありますが、わが国では初めてのことなので現段階で影響度合いは分かりません。
ただマイナス金利を実行しているのに、ヨーロッパ、中国、産油国経済が弱く、アメリカ経済も良くないと評価されていることで、本来であれば円安になるのですが、他国経済よりも良いと市場が評価し円が買われているため円高になっています。マイナス金利なのに円高になると言う逆の影響が発生していることから、今後の動向を分からなくさせています。