活動報告・レポート
2016年2月1日(月)
日本とトルコ
障がい者支援

障がいを抱えた子どもを持つ父親と話し合う機会がありました。子どもは現在高校三年生で、生まれた時から知的障がいがありました。高校生として最終学年を迎え、平成28年4月からは社会に出ることが決定しています。就職先は地元の作業所なので、父親も少し安心していますが社会人になる年齢を控えて不安も出始めているようです。

子どもが大人になるということは親が年齢を重ねているということです。年を取り始めた親が、障がいを持った子どもの将来に不安を感じるのは「もし私が死んだら子どもはどうなるのだろうか。ちゃんと生きていけるのだろうか」という心配が大きくなってくるからです。

就職が決まっているこの作業所で仕事をした場合、一か月の給料は3千円から5千円だそうです。書き間違いではなく月給が3千円から5千円の水準だと聞かせてもらいました。

それでも「子どもは自分でお金を使うことはありませんから、現時点での給料の多い少ないは問題ではありません。一万円の価値も千円の価値も分からないのです。しかし貯金ができなければ、私達がいなくなった後の将来、生活していけるのかどうか不安を感じています」と率直に話してくれました。

そのため「子どもと少しでも一緒にいるために商売を始めようかと思っています。子どもと一緒に商売をすれば近くで手伝ってくれますから、今よりも不安は少なくなります。例えばパンを焼く技術やピザを焼く技術を身に付けられたら、子どもは生きる手段を確保することになりますから、親としての不安が軽くなります」と、近い将来の考えを話してくれました。

子どものことを考えると会社勤めをしているよりも、子どもが将来、生きていけるような技術を習得することを目指したいと考えているようです。そのために親が自分も技術を習得してお店を持ち、子どもと一緒にお店で働き、教えることが必要だと考えているのです。子どもが大きくなっていくに連れて将来に対する不安も増えますが、障がいを抱える子どもの親は、もっと大きな不安を抱えているのです。

全ての人が幸せな生活を過ごせることの実現を目指すと言うことは簡単ですが、現実に一人の親子が近くにいて、その子どもが社会に踏み出す時の親の不安を解消することさえ難しいのです。社会の中で見えているようで見えない高い壁というもの存在を感じています。和歌山県の障がい者支援を見つめる機会となりました。

日本とトルコ

とても嬉しいメッセージが届きました。丁度、「海難1890」の映画について、その中でテヘラン空港の閉鎖の時にテヘラン空港でトルコ航空に助けらたれ沼田さんのことを皆さんに話したのです。沼田さんは関東の方ですが、テヘラン空港でトルコ航空に救助されたのは和歌山県串本でのエルトゥールル号の歴史から来ているものであると思い、和歌山県を第二の故郷だと思ってくれています。そんな感動的な挨拶の中で話を伝えていたのです。

その夜、偶然にも沼田さんからメールが届いていたのです。偶然と言うよりも奇跡だと思いますが、奇跡のような嬉しい出来事が現実に起きたのです。話をしながら「最近沼田さんと連絡が取れていないなぁ。この話を機会に沼田さんに近況報告をかねて連絡をしてみよう」と思っていただけに、沼田さんからの奇跡のメールに感動しました。

余りにも嬉しいメッセージであり自分の独り占めにしておくことはもったいないので、現段階で公表できない部分を除いて皆さんに伝えたいと思います。

「大変ご無沙汰いたしております。片桐様のご活躍はブログを見させて頂いておりますと共に心から応援をさせていただいております。今日、海難1890のブログを読ませていただきました。まさしく片桐様の仰る通りでどうして日本では、この様に先人の善行を学校で教えないのか不思議です。

私も『トルコ航空によるテヘランからの日本人救出』で命を助け得られた日本人で、トルコのこの日本人救出のご英断が、エルトゥールル号の遭難事故の時の串本町大島樫野の人達の真心から始まった串本町とトルコとの友好の絆によるものなのです。ですから、串本町大島の人達が中心になって行った真心を是非とも教科書に掲載して日本中で教育すべきだと考えている一人です。そして、日本の真心に対して真心で返して下さったトルコの事も子供たちに教える事で、100年、200年先もこの、日本とトルコの友好関係が継続でき、将来の世界平和に繋がる事柄だと思います」。

このメッセージはまだ続くので前半部分だけ紹介するものですが、本当に嬉しいメッセージです。日本とトルコはこんな気持ちでつながっていると思いますから、途絶えさせることはできないのです。

僕がこの話に触れた日に沼田さんから届いたメッセージは小さな奇跡だと思います。エルトゥールル号事件、イランイラク戦争でのテヘラン空港の出来事に加えて、沼田さんと僕とのつながりも大切にしたいと思います。

懇親会

毎月一度開催している会合に参加しました。会の一人は、今朝4時頃から釣りに出かけて、鯛と鰤を釣ってきて料理を提供してくれる程のおもてなしでした。メンバーは気持ちの良い会話と飲み方で「仕事を忘れて語り合える」、「職場で一番尊敬している先輩です」など幸せな言葉が飛び交いました。来月も引き続き開催予定です。