行政改革・基本計画等に関する特別委員会の県外視察に出掛けました。行程は今日から三日間で、行先は九州の福岡県と大分県です。ただ昨日からの最強の大雪の影響で福岡県内の高速道路が閉鎖され、鉄道も動いていない状況となり、大幅な予定の変更を余儀なくされました。行きの新幹線も、京都市内の雪の影響で約40分遅れとなり、JR博多駅に到着したのは午後2時50分頃となりました。博多駅に到着して驚いたことは積雪の凄さです。東北の都市に来たような寒さと光景で、九州とは思えない程でした。
そのため視察先の九州国際重粒子線がん治療センターに向かいましたが、高速道路が閉鎖されていることから一般道も大渋滞となり、しかも一般のドライバーが雪道の運転に慣れていないことから速度を出せない道路状況となり、視察先に行くことが困難になりました。この九州国際重粒子線がん治療センターは国内で四番目に開設された施設で、初の民間運営の施設なので、がん死亡率の高い和歌山県として関心を持っているセンターとなっています。今回は視察見学と案内してくれる機会を持ってくれることになっていたのですが、大雪のため視察を残念することを現地の移動中に判断することになりました。
改めて都市は自然がもたらす大規模な環境変化に弱いことを思い知らされました。集中豪雨や大雪、地震や津波なども含めて、これらの災害に襲われると都市機能は麻痺してしまいます。幸い、大雪のため郊外型の店舗は臨時休業の看板を出していることや、一般車両が少なかったことで交通事故の現場に遭遇することはありませんでした。
しかし物流は天候に関係なく動いているので、大型トラックが一般道路に流れ込み大渋滞を引き起こし、インバウンド観光の観光バスが走行しているなど中止にできない交通があるので、一般道路が車で溢れてしまっていました。交通事故や災害が発生した場合の出動態勢も考えていると思いますが、天候の変化に伴う危機管理の必要性を感じました。
ただし私達の乗車したバスはバス本社との連携により最新の道路情報を把握し、的確な道路選択と安心して乗っていられる安全運転をしてくれました。雪道の走行は慣れていないと思いますが、安心して乗ることができました。
また不安な気持ちになっている人を安心させてくれるのは「大丈夫だ」という情報です。渋滞していても大幅に遅れることなく宿泊地に到着できるとアナウンスしてくれたことが不安感を持たなくて済んだ要因だと思います。また沈滞しそうな車中の雰囲気を明るくしてくれた乗務員さんの見事な案内と心配りには凄いと思いました。
危機管理に必要なことは情報把握と早く情報を伝えること、そして現場の雰囲気を明るくすることです。本部が的確に最新情報を把握し、現場スタッフに伝えること。現場スタッフは情報を基に、これからの進め方を選択し安全に行動すること。お客さんかいる場合は、安心感を与えることを心掛けること。そのためにはお客さんに情報を伝えると共に明るい雰囲気を作るための案内をすることが重要だと感じました。
現場に情報が伝わってこない、そして暗い雰囲気が漂うことよりも、必要な情報を入手して伝えること、そして明るい雰囲気を創り出すことが、危機管理に際して表に現れないけれども必要なことだと感じました。
視察行程は大幅に変更することになりましたが、大雪に遭遇して危機管理について現場体験から学ぶことができました。
それにしても比較的暖かい地域で見たことのないような大雪の光景に驚きました。事前に福岡県は雪のため高速道路が閉鎖され鉄道の運行も見合わせているという情報は入っていましたが、これ程とは思いませんでした。情報で判断することも大事ですが、やはり現場の状況を見て判断することが誤りを少なくする方法だと思いました。