韓国から日本に来て10年と17年の方と出会いました。二人とも自分で店舗を構え商売をしていますが、苦労を楽しみに変える力を持っていると感じました。
「日本に来た時は誰も知らないから大変だったでしょう」と尋ねると、「自分のお店を持てて居場所があったから大丈夫、自分がいる場所があることは幸せなことです」。
「日本語の勉強はどうされたのですか」という問いに対しては、「日本のテレビを見て覚えました。だから話すことは出来ますが書くことは難しいです。日本語を覚えるために韓国のテレビは見ていません」。
「日本人は親切ですか」と尋ねると、「最初日本に来た時には誰も知らなかったのですが、その時に出会った人が仕事を助けてくれました。今も恩を感じているので、早く恩返しをしたいと思っています。そのためには仕事で頑張りたいと思います。他の人たちもとても親切にしてくれています」と印象を話してくれました。
「子どもは韓国にいるのですか」という質問に対しては、「韓国の大学生2年生です。韓国では徴兵制があるので20歳から2年間は義務として兵役に向かいます。とても厳しいようですが、男として鍛えられます。強くなると言うよりも、礼儀正しくなること、親や他人に優しくなれること、自分の主張を言えるようになること、親の面倒を見てくれるなど良い効果があります。ただ厳しいから抜けようとする人達もいますが、見つかると国から罰せられます。
徴兵制が義務になっているのは北朝鮮の脅威があるからだと思います。隣国の脅威があるから自分達が国を守るという意識を持っています。男の子に徴兵制は心配ですが、先に言ったように男らしくなること、脅威に備えることなどが義務として必要なことだと思います」。
「日本で働くことは楽しいですか」に対しては、「働くことは楽しいことです。一日中何もしない日はつまらないです。働けることに感謝していますし、苦しいなんて思わないし、仕事ができることを楽しいと感じています」と答えてくれました。
飲食店ですから夜の12時頃まで営業し、後片付けをして仕事を終えるのは午前3時30分ごろになるようです。午前4時からはお祈りを捧げ、帰宅するのは5時頃になっています。寝る時間は5時から10時頃までの時間で、午前11時からはお昼の営業のためお店に入ります。そんな毎日を過ごしていることに驚きますが、「仕事ですし習慣ですから、何でもないことです」とさらりと答えてくれました。
他にも驚いたことがあります。お店で得たお金は経営に必要なものを残して、恵まれない人達に寄付をする文化を持っていることです。特に子どもに対しての思いが強く、自分の生活を楽にすることよりも、生活ができているならそれ以上を望まないで、恵まれない子ども達のためにお金を使おうとする姿勢に共感しています。
「私達は日本でお世話になっています。日本で働いて得たお金ですから、日本の子ども達のために使って欲しいと思っています。それがお世話になっている国に対するお礼です」と話してくれたように、自分のことと同じように他人に対しての思いやりの気持ちを持っています。
「果たして、社会や人のためにどれだけお役に立っているのか」。そんなことを思いました。働くことは傍を楽にすることと働く意味を伝えることがありますが、二人の方の働き方からそのことを感じました。
今朝は早い時間に素晴らしい人に出会いました。生き方、考え方に共感することがあり、隣国と仲良くすることが平和につながることだと感じています。隣国が脅威であるのと友好関係であるのとでは、平和維持に対する取り組みが全く違ってきます。平和な国を築く根底にあるものを感じました。