和歌山県内で洋菓子店は、最盛期には約500店舗あったそうです。現在は「半減していると思います」と話してくれたように、家庭内で経営しているお店や小規模なお店は廃業をしている状況にあるようです。近年は毎年5パーセントほど減少していることから洋菓子経営の難しさを感じることができました。
減少の原因はいくつかありますが、後継者がいないこと。大手スーパーには全国規模の店舗が入るため、お客さんがそちらに行ってしまうこと。そしてこれまでのお客さんも高齢化していることから洋菓子を食べなくなっていること、そのため贈答品などの需要も減っていることなどが挙げられています。
注目すべきことで参考になるのは、後継者がいても顧客を維持できないということです。これは現在の社長の人脈で洋菓子を買いに来てくれるお客さんがいますが、それは社長の人脈であって、後継者である、例えば息子さんの人脈ではありません。
今日、懇談したお世話になっている社長は「自分の人脈を持つことがお店を反映させることであり、経営者として必要な資質です」と話してくれました。勿論、味が守られることが前提ですが、ノウハウを教え込まれている後継者にとって、味を維持するよりも顧客を開拓する方が課題であり難しいことです。
「私が現役でいる間は私のお客さんは来てくれると思いますが、代が変わると自分のお客さんに来てもらわなければお店は続かなくなります」と言うように、商売には横の人脈が必要なのです。
同業種で構成している組織として組合がありますが、組合員は同業者が会員ですから、現役の間は顧客になってくれることはありません。ですから業界の外の人脈を増やし、お客さんやファンになってもらうことが課題となります。
このお店は息子さんが後継者として店内で洋菓子作りをしてくれていますが、首都圏で修業を積んでいたため、和歌山市内での人脈作りはこれからの課題となっています。継続的に反映するためには人脈を引き継ぐことに加えて、自分の人脈を築くことが必要となります。後継者を作ることとは、お店を引き継いでくれることと、技術を伝承してくれること、そこに人脈を維持するだけではなくて新しく開拓することも入っています。この能力を持って初めて、後継者として認められることになります。
品質と価格、サービスに加えて人脈が商売の先を左右することになります。このことは商売だけのことではなくて、全ての仕事に通用する原則だと思います。人脈を築くことがビジネスに必要なことですが、先輩や職場の人脈を引き継ぐことは簡単なことではありません。人が変わると人脈も変わるものですから、後継者や新しく配属された人には維持することの難しさと新規開拓することの難しさが待ち受けています。
先輩が元気でいる間に、人脈の引き継ぎ方を学びたいものです。
三日間の恵比寿さんも今日が最終日で、残り福をいただきに津秦天満宮に行きました。
寒い中、皆さんが待ってくれていて大歓迎を受けました。「良く来てくれました。みんな待っていてくれたのですよ」など嬉しい言葉をいただきました。この言葉のシャワーが残り福で、たくさんの福を受け取ることができました。今年一年の繁栄を皆さんから授かったように感じています。
そして昨年まで福をもたらしてくれた笹を納めて、「最終日だから福が少なくなっているから」と言って、取っておいてくれた笹をいただきました。これまでの一年間に感謝し、新しく迎えている年にも感謝の気持を伝えました。
皆さんと懇談していると「来てくれることが嬉しいことです」、「みんな片桐さんの到着を待っていたのですよ」など、嬉しい言葉を次々に伝えてくれます。いるだけで喜んでくれることは嬉しいことであり、皆さんの心と行動に深く感謝しています。
日が暮れてすっかり暗くなってしまった帰り道を、嬉しい気持ちに包まれた余韻を持って行くことができました。
日高郡由良町までお悔みに伺いました。到着の時間は午後9時30分頃になってしまいましたが、和歌山市から来たということもあり皆さんが親切に迎えてくれました。由良町に行くのは久しぶりのことだったので道順が不安でしたが、お悔みを伝えることができした。
心からのご冥福をお祈りしています。