和歌山市の刺田彦神社にお参りをしました。紀州出身の徳川幕府の将軍、徳川吉宗がお参りをしていたという神社です。将軍になってからも、この地を訪れることがあったようで、そのことから戦の神様、出世の神様と言われています。平成28年は徳川吉宗が八代将軍に就任してから丁度300年目を迎えています。
和歌山市では記念イベントを計画しているようですから、その歴史と活躍した場所として脚光を浴びることを期待しています。
臨時災害放送局というシステムがあります。これは、臨時的かつ一時の目的で開局する放送局のことです。暴風、豪雨、洪水、地震、大規模な火事など災害が発生した場合に、その被害を軽減するために役立つことを目的とする放送局のことを言います。
昨年11月15日、和歌山県串本町潮岬でこの臨時災害放送局のデモンストレーションが行われています。東南海・南海地震で最も大きな被害が想定されている地域である串本町での災害避難訓練において臨時災害放送局を開局し、地元の串本高校の生徒がアナウンスを呼び掛けるなど、実戦に近い訓練を行っています。
この放送局用の機材の提供や協力はNHK和歌山放送局、和歌山放送、エフエム和歌山の三社が行っていると聞きました。災害発生後の情報伝達のため臨時災害放送局を開局して対応することは効果的だとされていて、その訓練としくみを確立させることは意味のあることです。この放送局は、例えば簡易テントを立ててその中から放送することができるので、早期に簡単に情報発信することができる特長を有しています。災害発生後の対策は何重にでもしておく方が被災者を助けることにつながります。携帯電話へのエリアメールや防災無線と防災ラジオ、コミュニティエフエムや臨時災害放送局など、複数の情報提供手段があることが一人でも多くの人の命を救うことにつながります。
臨時災害放送局に必要な機材は和歌山市内のラジオ局にありますから、災害発生後の有効な情報伝達対策として計画段階から取り入れるべきだと思います。
今日訪問した皆さんからは多くの意見を聞かせてもらいました。
- 「1月1日の津波警報の誤報は大きな問題です。機械に頼っている意識や体制などを見直すべきです」。
- 「那智勝浦や串本町など津波警戒区域の観光地では大変な騒ぎになりました。県外からのお客さんのイメージダウンになったと思います。気を引き締めて欲しいと思います」。
- 「関東からツーリングで那智勝浦に来ていた友人達から当日に連絡がありました。『津波が到来するので大変なことになりました。避難場所が分からないので不安です』という内容でした。土地勘がない人を避難誘導させることは難しいことだと思いましたし、後に誤報と分かり安堵しましたが多くの人に迷惑をかけた大きな問題だと思います。県議会で取り上げるべき問題だと思います」。
- 「和歌山市内でも秋葉山に約100人の人が避難しています。正月の誤報は混乱させることになっています」。
- 「家族と親戚が集まっている元旦の団欒の時間帯に、各自の携帯が鳴り始めたので家の中が混乱しました。二度も警告が来ると不安に思いますし、誤報と分かるまでの時間が長くて不安でした」。
- 「和歌浦に住んでいる一人暮らしの母親が地元の消防署に電話をしたところ、『詳細が分からないので、そのまま自宅で待機しておいて下さい』と言われたそうです。高齢者の一人暮らしですから不安が高まりました。誤報で良かったように思いますが、誤報が不安にさせました。対策を考えて欲しと思います」。
以上、主な意見を記載しましたが、津波警報に関して混乱と不安を感じた方が多くいました。巨大技術や電子機器を取り扱う多くの場合はそれを扱う人のヒューマンエラーが原因となります。機械に頼りすぎないような情報提供のあり方に関して課題を残しました。
夕方からは和歌山県電力総連新春の集いに参加しました。それぞれが今年一年への期待を語る良い懇親会となりました。開会に際して短めの挨拶をさせていただきました。
新年おめでとうございます。最初に、昨年は三度目の県政に送り出していただき大変お世話になりましたこと、心からお礼申し上げます。ありがとうございます。
お陰様で三度の本会議を経験し、その内、二度、一般質問で壇上に立たせてもらいました。皆さんからのご支援があってのことだと深く感謝していします。
さて今日は限られた時間なので、一つだけでも持って帰ってもらえる話をさせていただきます。毎年、新春に際して東京大学出身の先生の勉強会に参加しています。今年は金融の歴史を中心に議論をしたのですが、その中で先生から「片桐君、現れないのが透明人間だよ」と話してくれました。謎解きのような問いですが、これは見えないものを持っていることが、社会で力を発揮するために必要なものだと伝えてくれています。
もし透明人間がいるとすれば、怖さや威圧を感じると思います。また味方にすれば助けてくれる力強い存在になると思います。人間にとって相手を圧倒できる見えないものとは、知識であり、技術であり、経験であり、人脈だと思います。これらのものを身につけている人間が、昨日今日、ゲームに参加した人に負ける筈はありません。
見えないものを多く持っている透明人間になることを目指しましょう。本年もよろしくお願いいたします。ありがとうございます。