平成27年は和歌山県にとって動きのある一年でした。振り返ると足跡を確かめることができますが、動きが感じられることは嬉しいことであり、これを継続させるよう取り組むことが必要だと感じています。
まず4月です。4月は統一地方選挙があり、皆さんからの支援を賜り和歌山県議会三期目に送り出していただきました。その後、6月と12月県議会定例会の本会議で一般質問に立たせてもらいました。皆さんからの後押しをいただいたお蔭で壇上に立たせてもらい知事を始めとする当局と県政について議論を交わしています。議会活動こそ議員の本分ですから、本会議での議論を基本に活動を続けたいと考えています。
9月から10月にかけて紀の国わかやま国体と紀の国わかやま大会が開催されました。紀の国わかやま国体では目指してきた総合優勝を果たし、見事天皇杯を獲得しました。選手の皆さんの活躍は素晴らしいものがあり、この勢いを来年に継続させることを新しい目標として取り組みが始まっています。
また和歌山県として東北復興支援を支援した両大会でもありました。そのシンボルが大川小学校のひまわりの種をいただき、和歌山県内で育てメイン会場である紀三井寺競技場で花を咲かせて、全国からの選手団を迎えた取り組みです。東北選手団は勿論のこと、和歌山県が復興を支援している県であること、命を大切に考えている県であることを発信できたと考えています。
12月には特筆すべき大きな出来事がありました。和歌山県から提唱した世界津波の日が国連で認められたことです。わが国で制定されている津波防災の日は11月5日ですが、これは稲村の火にちなんだ日です。この記念日が世界の津波防災の日となったのです。わが国としても、和歌山県としても誇るべきことであり、防災和歌山県を訴えることができる出来事となりました。
そして「みなべ・田辺の梅システム」が世界農業遺産の認定を受けたことです。和歌山県議会とても協議会を設立し、認定に向けた取り組みを行ってきました。その成果が表れ、伝統的な和歌山県が誇る梅システムが世界に認められたのです。
もうひとつあります。和歌山県とトルコを舞台にした映画「海難1890」が公開されたことです。和歌山県串本町で起きたエルトゥールル号が遭難して串本町の人が救助した事件と、テヘラン空港の閉鎖の時にトルコ政府が日本人を救出してくれた事件を映画化したものです。何故、日本とトルコが友情に結ばれているのかを両国民に発信できる映画です。
先人が行ったことの恩恵を私達が受けているのです。この歴史に感謝し、友好関係を継続して次の世代に送ることが私達の使命です。平和をつなぐことの大切さと風化させないために語り継ぐことの難しさを感じます。
以上の平成27年の出来事はこれから先につながることばかりです。
皆さんからの信任をいただいた県議会議員としての活動はこれから三年間続きます。県政の課題に取り組むことで県土発展につなげたいと考えています。
紀の国わかやま国体と紀の国わかやま大会の結果は、次の岩手国体につなげるための取り組みが始まっていますし、和歌山県から発信した命のひまわりの種は命の大切さを訴え続けることになります。
11月5日が世界津波の日に制定されたことで、稲村の火は世界に向けて発信する機会となります。和歌山県は昔から防災意識の高い県であり、防災先進地としての和歌山県を目指すきっかけとなるものです。
また世界農業遺産に認定を受けた「みなべ・田辺の梅システム」によって、この梅産業が世界レベルのものであることを発信し、そこから誕生する商品としての梅を世界に売り込む契機となります。
日本とトルコの友好関係はこの映画を契機として更に絆が深まることになります。日本とトルコで上映されていますから、若い人達にもエルトゥールル号の歴史を知ってもらい、語り継ぐことのできる人が増えることを願っています。和歌山県では在学中の全ての高校生に「海難1890」を鑑賞してもらうことにしています。
このように平成27年は、平成28年以降につなげられる取り組みを行いました。継続することの大切さを感じながら新しい年に向かいます。