活動報告・レポート
2015年11月18日(水)
日本の未来予測
日本の未来予測

今言われていることは、東京オリンピック開催年である2020年までの日本のことは見通せるとしても、その先がどうなるのか予測がつかないということです。見通しが立たない時代を生きている私達のその先に、何が待ち構えているのかを講演してもらいました。

2015年から15年先は2030年ですが、今から15年前は2000年でした。2000年から現代を見ることも15年先の未来を予測するヒントになります。

2000年の時、中国のGDPは日本の1/3の規模でした。ところが15年後は日本の2.4倍の規模に成長しています。2000年当時は中国の経済成長が、これほどまでに日本を凌駕するとは予測できませんでした。

当時、人口の増加は資産が増えることを意味するのか、負債が増えることを意味するのか結論が出ていませんでした。しかし現代社会が答えを出してくれました。中国を見て人口は資産であり、人口の増加が経済規模を増加させることに異議を唱える人はいなくなりました。

一方、国内では2005年に郵政民営化法案が可決し、今日において郵政民営化が本格始動しています。一つのことが決定し、社会のシステムが変わるまでに10年を要しています。

今日、日本政府は2021年までにGDPを600兆円にすることを目指しています。これは実質で年2パーセント、名目で3パーセントの経済成長を図り、6年で20パーセントGDPを押し上げ、その結果として600兆円規模のGDPを達成しようとしているのです。1.02パーセントを六乗すると約1.2パーセントとなりますから、その数字を6年後に達成することを根拠にしています。

先を見通すには過去を見ること、そして現代を見ることが大事なことです。現代の完全失業率は約3.4パーセントで、この数字はほぼ完全雇用が図れている状態を示しています。どの業種においても労働力が不足していますが、それは完全失業率のデータとして示されています。また日銀黒田総裁の金融緩和によって、市場へ供給している貨幣は二倍に増加しています。つまり労働力が不足するほど企業活動が活発になり、お金が市中に供給されていることから、これから先の経済成長を目指す土壌はできているのです。

それなのに経済が回復している実感が伴わないのは、消費税を8パーセントに引き上げたからです。消費税の引き上げが消費を抑え、マイナス成長へと導いているのです。

しかし経済が成長するための土壌がありますから、規制緩和によって民間の力を引き出すことが政策として必要になります。

農地解放政策を兵庫県の養父市が行いました。その結果、11社が養父市に進出していると聞きました。また滑川市も農地を解放する政策を実施していると話してくれました。規制に守られた農地の自由度を高めることで、民間企業が参入し地域に活力を与えているのです。地方にとって規制をどこまで外せるかが地域活性化の鍵を握っています。

同じように規制緩和をしているのが空港です。既に仙台空港は東急グループと前田建設による民間で運営する空港として活用することが決定されています。関西空港もオリックスを中心とした民間企業が運営する第一の権利を付与されています。ヨーロッパの空港はほとんど民間企業が運営しているように、空港は国や県が所有しているものの運営は民間企業が行う方が、効率が良いとされています。

運営を民間企業が行うことの利点は、民間企業であれば航空会社と利便性を高めるように熱心に交渉をすることや、空港隣接地に大学を誘致するなど、地域開発の拠点となることが挙げられます。

官が持っている施設やインフラを運営する権利を民間にゆだねることをコンセッションと言います。このように官業を民間に開放するコンセッションが成長と地域活性化の鍵となります。

もうひとつが締め切り効果です。2020年の東京オリンピック前には東海道新幹線が開通や幹線道路が次々に開通し、現代日本の枠組みができています。仕事に締め切りがあることで人はその期限を守ろうとしますから、仕事を完成させることができるのです。締め切りがないと仕事に区切りがつきませんから、締め切り効果が生まれません。2020年の東京オリンピックに向けたインフラ整備が行われますから、2020年までとその後に続くリニアモーターカー開通に向けて新しい国土は形成されていくことになります。

リニアモーターカーは2027年に東京と名古屋がつながり、2045年に名古屋と大阪が結ばれる計画です。しかし2027年に一気に東京と大阪を結ぶ方が国土発展につながります。東京と大阪がリニアモーターカーでつながると移動時間は65分となり、両都市での仕事は出張から通勤へと変化することになります。この環境の変化が成長に必要なことになります。

メガチェンジ2050年では、シュンペーター的な競争がイノベーションになることが成長の扉を開くとされています。もうひとつは英語が国際語としていの地位を保ち続けるので英語力を有する国が成長力を有することになると指摘しています。

これまでも先の見通せる時代はありませんでした。いつの時代も不透明な時代だったので、これから先も目標を掲げた経済成長を目指すことで社会は発展していくことになると伝えてくれました。

その他
  • 再生可能エネルギーに関する打ち合わせを行いました。新エネルギーの導入と利用に関してのあり方を協議しています。
  • 三カ月ぶりに400mlの献血を行いました。尤も献血のサイクルは三カ月に一度なので、結構、献血を行っています。