連合和歌山政策フォーラムに参加しました。今回のテーマは「地域資源を活かした地域活性化」です。そのため藤本陽司和歌山県商工観光労働部長から「和歌山県の観光施策について」、多田稔子田辺市熊野ツーリズムビューロー会長から「観光による地域活性化について」の講演を聞かせてもらいました。お二人の和歌山県に愛着を持った内容が心に届きました。和歌山県を愛する人が観光施策に携わることで観光客が増え、そこからの広がりが期待できるものだと感じました。
例えばインバウンド観光もテーマとなりました。和歌山県を訪れる外国人は香港や中国から以外にフランスからのお客さんが多いことが特徴です。フランス人の目的は高野山で、日本独特の精神世界に関心を持っているという説明がありました。高野山のケーブルカーの車内ではフランス語によるアナウンスがあると伺いましたから、訪れる人の多さが分かります。このように外国人が訪れる和歌山県の代表的な観光地は高野山と熊野古道です。
参考までに免税店は全国で18,000か所ありますが和歌山県内では100か所となっています。買い物するためにも免税店を増やしたいところです。
また紀の国わかやま国体などで和歌山県を訪れた人の人数が集約されています。紀の国わかやま国体は約67万2千人、紀の国わかやま大会は約8万人の方が和歌山県を訪れてくれています。合計で約75万2千人の来県者があり、和歌山県の活気につながったと評価しています。
ところで多田さんから、「熊野古道とスペインのサンティアゴの道は姉道提携を結んでいます。この姉妹道提携は1998年のことなので、熊野古道が世界遺産に認定を受ける前のことです。和歌山県の先進性に驚くばかりです」と話してくれまた。
1998年当時、確かに熊野古道は世界遺産にも認定されていませんでしたし、国内からも余り注目されていませんでした。歴史や背景を知らずに歩くだけなら山道ですし、地元の方々も観光資源だと気づいていないようでした。
その年は南紀熊野体験博開催の前の年で熊野古道の価値を高めるため姉妹道提携の働きかけをしていましたが、道同士の姉妹提携は他に例がなく、世界で初めてのふたつの道が姉妹提携をしたことは成果であり、驚きでした。しかもサンティアゴの道は既に世界遺産であり、熊野古道の存在は前述のとおりの存在だったからです。和歌山県の関係者がスペインのサンティアゴを訪れ、粘り強く交渉したことを思い出しましした。
あの姉妹道提携が一気に熊野古道の名声を轟かせることになり、のちの世界遺産登録へとつながっていくことになります。懐かしい姉妹道提携の話を聞かせてもらい、リアルタイムで熊野古道が世に出る夜明け前の時代に、その仕事関われたことの幸せを改めて感じました。
その後、2008年に田辺市熊野ツーリズムビューローとサンティアゴ・デ・コンポステーラ市観光局との間で共同プロモーション協定を締結、2012年には和歌山県とガリシア州との間で友好関係を強化する覚書を締結、2014年に田辺市とサンティアゴ・デ・コンポステーラ市は姉妹都市を締結しているように、世界遺産の二つの道をつなぐ関係は強化され発展し続けています。
1998年に種を蒔いた関係がその後も発展していることを嬉しく思いますし、忘れていたことが継続されていることに驚いています。誰かが蒔いた種は、その人がいなくなっても成長を遂げているのです。蒔いた種は、それを本気で育てようと取り組む人がいれば、成長していくものなのです。
多田さん達が、熊野古道のインバウンド観光に取り組んでいることの熱意が伝わってきました。この熱意と行動力が外国の人たちに伝わり、熊野古道を訪れる人へとつながっていると感じました。今では田辺熊野ツーリズムビューローの売り上げは1億円を突破していると伺いました。熊野古道の観光でこれだけの売り上げを成し遂げていることは嬉しい限りです。これからの活躍を心から期待しています。
- 和歌山県でのバイオマス発電の可能性について協議を行いました。和歌山県で適地がなければ他府県で推進していくことも検討しています。
- ペットとの共生社会推進に関して協議しました。ペットの健康のためペットフードに和歌山県産品を組み合わせた取り組みについて可能性を研究しています。