活動報告・レポート
2015年11月11日(水)
歴史は未来を見る
和歌山市の地価

首都圏から和歌山市に転勤してきた人がいます。これから和歌山市での生活が始まることになり、関西の見知らぬ土地柄に戸惑っているようです。人脈と仕事、そして生活環境に慣れることが大変だと思いますが、和歌山市に活力を与えるためにも頑張って欲しいので応援しています。

ところでこんな話を聞かせてもらいました。「和歌山市に来て驚いたことがあります」と話を切り出してくれました。それは「地方都市なのに土地の値段が恐ろしく高い」ということです。前任地は首都圏で、しかも名前の知られた市でした。そのJR駅前の土地の値段と和歌山市のJR駅前の土地の値段を比較すると、和歌山市の方が4倍以上も高い値段になっていることに驚いています。

「和歌山市の土地は異常に高いですよ」ということで、「地方都市でこの値段は考えられません」と感想を聞かせてくれました。首都圏の有名都市のJR駅前の土地価格よりも高いことを聞いて、これには驚きました。

都市の再開発が和歌山市にとってのテーマですが、中心市街地の土地の値段が高いと進出してくれる事業者が少なくなります。投資額と見込める収益を比較して、採算に合わないことや投資額の回収年が長期間になれば、事業者は投資してくれません。

不動産価格が高くて収益が見込みにくい場合、事業者の中心市街地への進出は期待できなくなります。駅前再開発を目指しているところですが、採算面で投資額の回収が長期になるとすれば投資は厳しくなります。

首都圏の都市よりも和歌山市の土地の値段の方が高い。これが健全な発展を阻害している原因の一つかも知れません。考えさせられる事例を聞かせてもらいました。

歴史は未来を見る

「歴史は未来を見ることである」。そんなことから話は始まりました。尊敬する経営者二人が顔合わせし、高いレベルの経営学と経済の見通しに心は酔いました。質の高い議論に参加できることは素晴らしい体験であり、この二人の議論の質の高さに驚きました。詳しいことまで書き記すことはできませんが、もし他に経営者が参加していれば得難い体験になっていたと思います。

中国の経済問題について。経済成長をすれば通貨の価値は上がるので通貨高になります。中国が経済成長を続けていくなら人民元は切り上がります。これは経済の鉄則であり例外はありません。将来に向けて人民元の価値は高くなります。日本円に対しても強い通貨になっていきます。

ただ日本経済は欧米と比較して円は強いので、ユーロやドルに対して円の価値が下がることはありません。世界経済が成長時期ではないので日本経済の信頼性は高く、円の価値が低下し続けることはないと思います。

中国が経済成長を続けているのは、安定成長期に入っていないからであり、まだ先進国に入ろうとしている途中にいるということです。やがて中国の経済成長と共に人民元の価値が高まる時が訪れます。しかし人民元が切り上げることが経済を強くするとは限りません。輸出型の経済対策であれば人民元高は経済成長を押し留める原因になります。人民元が高くなれば輸出が減少しますから、そこで経済成長が減速されることになります。中国の経済発展が日本に与える影響については注視しておきたい課題です。

日本経済について。先進国は安定成長期に入っていることから、これからも高度成長期のような二桁成長をすることはありません。先進国は低成長であることが普通なのです。高度成長している国は開発途上国など、これから発展していく国の特徴なのです。日本経済が低成長だから日本の未来は明るくないだとか、低成長から脱却できないのは政治の責任だなどと言う人がいますが、安定成長期における経済のしくみを分かっていないのです。

日本経済は安定成長期にあることを知っておくことです。

さて「日本の強みは」という質問に対して即答してくれました。「四季があり自然環境に恵まれていることです」という答えです。春夏秋冬のある国は世界でも珍しいことです。

日本は比較的温度差の少ない国ですが、こんな国は多くはありません。おいしい水が飲めること。楽しい会話が交わせること。四季の恵みをいただき、おいしいものを食べられること。これらのことが当たり前のような生活をしているのは日本人だけです。

日本の強みは、安心して飲める水。おいしい食べ物。戦争がなく豊かな生活ができている。四季に恵まれていることなどです。日本人はこれらの恵みを当たり前のように恩恵を受けていますから、その価値に気づかないのです。

どれだけ恵まれている毎日を過ごしているかを分かりたければ、貧しくなること、戦争が惹起することによって知ることになります。

ですから、日本人は豊かで幸せな日々を過ごせていることに感謝すべきです。「どれだけ幸せな毎日を過ごせているのか」、「どれだけ豊かな暮らしをしているのか」を知ると、現代日本に生まれた奇跡を実感できることになります。もう少し早く生まれていたなら、太平洋戦争に巻き込まれていたのです。もっと以前に生まれていたら、戦で命を落としていたかも知れません。

現代日本に生まれたこと。そして60億人いる世界の中で1億人の一人として生を受けたことは奇跡なのです。このことに感謝しても、不満を言うことはできません。もし現代日本に不満を言っていたら、次の世界での居場所を失います。「あれだけ豊かで幸せな日本で生きていたのに不満を持っていたのですか」と問われることになります。今に感謝することは次の世界での幸せにつながっていきます。

感謝は感謝に満ちた世界を創り、不満は不満が充満した世界を創りだします。

現代日本においては無形財が財産となります。幸せを感じる会話やおいしい水を飲めることが豊かさですから、日本が世界に誇るものは無形財なのです。四季があることは贅沢なのです。

ですから経済がゼロ成長でいられたら政治は合格で、1パーセントでも経済成長させる政治家がいれば歴史に名を残します。

ところで金融政策は無茶であり、早晩、行き詰ると予想しています。中国の元が滅亡した原因があります。戦争ではなくて金融政策によって滅びたのです。元は通貨を発行した国なので、お金で国を支配していたのです。元が更に成長するために通貨供給量を増加させていったことからインフレとなり、通貨の信用が失われたことが滅亡の原因だったのです。日本の金融政策も通貨供給量を増加させていますから円安になっています。円安は通貨価値が低くなっていることを意味していて、供給量が増えることは信用の低下につながっていきます。この次の手段はなくなっている現状があります。やはり私達は歴史に学ぶ必要があります。

理事会

和歌山ゴールドライオンズクラブ理事会に参加しました。議題は、共同農園でのサツマイモの収穫の決算、年末の例会の予算案と企画内容などでした。もう年末が近づいてきました。残りの月日も全力を尽くします。