行動の動機づけに必要なことは「体験することにあります」という話を伺いました。この方は食料品を製造している女性経営者ですが、食べ物なら試食に勝るものはないということです。「他の業種にも当てはまると思います」と言いながら、衣料なら試着すること、美容や健康であれば体験することが有効な手段だと説明してくれました。
購買意欲を持ってもらうためには体験と説明のやり方が重要となりますが、まずは体験できる体制を整えることが第一歩だということです。体験こそ最大のプレゼンテーションになることを説明してくれました。
そしてプレゼンを担当する人は、その雰囲気を持っている人でなければなりません。美容の説明をする人はきれいであること、健康の説明をする人はスマートな人など商品イメージと合致している人が説明者となるべきです。健康商品の説明をする人が肥満であったり、美容の説明をする人が不健康な肌をしていると商品イメージを損ないますから、不適切な組み合わせということになります。
良いものが売れるのではなくて体験と適切な説明、そして人脈によって物が売れることがありますから組みあわせは大切だということです。
今回の説明に関しては簡略化して記載していますが、ビジネスはこんなに単純なものではありません。この経営者は日頃から新商品開発に際してはその分野の専門家と議論し、また専門知識の習得に努めています。専門家に近い知識を得てお客さん対応をしているのです。「見えないところでどれだけの準備と知識を得ているかが大切です」という言葉には、人に出来ないことをやっているから自分のビジネス展開ができているという自信が隠されています。できるまでやり遂げてから市場に打って出る人は、自分の商品に自信を持っていることが分かります。
二か月に一度開催している勉強会に参加しました。毎回勉強になるので楽しみにしているのですが、今日も期待通りの内容となりました。勉強会のメンバーは大学教授、金融機関の支店長、そして教育関係の皆さんです。以下に主な内容を紹介します。
和歌山県信用保証協会の貸出に関する統計を見ると、金融機関の貸出実績や県内の企業活動の傾向が分かります。毎月報告されているもので、毎月の貸付高と貸付残高などの指標が分かる資料です。この資料から分かることは、企業への融資を積極的に行っている金融機関とそうでない金融機関があるということです。企業活動を支える役割を担うのが金融機関ですから、融資を希望する企業に対しての支援を行って欲しいところです。
保証協会の貸出が増えている金融機関であれば、当該金融機関のプロパー融資も含めて増えていることになり、県内企業に資金提供がなされていることになります。逆に保証協会からの融資が少ない金融機関は、県内企業活動の支援に消極的だと推測できます。県内経済動向を知る上で、この統計資料は役立ちます。
地方における金融機関の役割は地元企業の育成にあります。地元企業を成長させることで域内経済は伸びていきますから地域は元気になります。企業が元気であることが地域の活性化につながるのです。金融機関の役割は地域経済を支えることですから、そのために資金提供によって企業活動の支援を行うことにあります。
和歌山県の中小企業対策として資金融資保証制度があります。中小企業が多い和歌山県では絶対に必要な対策なので制度が充実していくことは歓迎すべきことです。少し気になるのが、起業支援、創業支援の制度に偏っていることです。起業支援は大切ですが、既存の企業向けの融資制度の充実を図ることも大切です。
卵を孵化させてひよこにすることは大切ですか、ひよこを鶏に成長させることはもっと大切だと思います。卵を孵化させることと、ひよこを成長させることの両立を図って欲しいところです。ひよこから鶏に向かっている企業の成長をもっと支援すべきだと考えます。
和歌山県信用保証協会には連携保証制度という制度があります。平成27年10月から、無担保の融資額が従来の8,000万円から5,000万円融資枠が拡大され、合計1億3,000万円までの融資が可能となりました。連携保証制度とは市中金融機関と県信用保証協会の融資額を同等にして企業に融資する制度のことで、企業にとっては融資してもらえる金額が二倍に増えることに利点があります。
金融機関としては企業の成長を支援するためのリスクを取る覚悟が必要ですが、プロパー融資よりもリスク回避ができることから融資制度として積極的に使って欲しい制度です。
金融機関は企業に融資することで、当該企業の経営指導や決算などを注視するなどにつながります。金融機関が見守ることで、危険を回避するように企業を成長に導くことにつながりますから、企業にとっても県にとっても歓迎すべき融資制度だと思います。
和歌山県信用保証協会が企業支援のために増額した連携保証制度を活用する金融機関が増えることを期待しています。
お客さまに来店してもらうために金融機関の支店の駐車場の社有車を営業時間前に近くのコインパーキングに移動させています。支店構内の全ての駐車場をお客さま用として使ってもらうようにしています。これまでは支店構内の駐車場に社有車を駐車させていたことからお客さまが駐車できない場合がありました。これを解消するためにこの方法を採用しています。
もうひとつの目的として、営業時間が始まれば営業担当者は営業に出るのが仕事なので、コインパーキングに置くよりもお客さまのところを訪問することを促しています。
紀の川市に観音山フルーツガーデンという会社があります。フルーツ王国和歌山県の誇る果物をインターネットなどで販売している会社です。この会社に県外の大学生が就職しています。県外の大学生が和歌山県の農業事業に就職してくれることは歓迎すべきことです。県外の学生が就職してくれる農業事業者が和歌山県にあることを嬉しく思います。
条件にもよりますが、農業で年収1,000万円を目指す事業者があることを頼もしく思っています。
以上のような話し合いを行いました。午後7時から10時までの時間は有意義な時間となりました。次回は平成28年1月に実施することにしています。