活動報告・レポート
2015年10月15日(木)
奇跡の種
モノについて

和歌山県内の経営者が訪れて話をしてくれました。「商売で大切なことは人間関係に尽きます。日頃からきっちりとした付き合いをしていることで困った時には助けてくれます」という話をしてくれました。多くの人は、困った時にだけ頼みごとをしていますが、長期的に発展するためには日頃が大事だということです。

そして面白い意見を聞かせてもらいました。「父から言われた言葉があります。モノをくれる人は大事な人だということです」。これはモノをくれるから良い人だということではなくて、心は見えないので心を形にする必要があるということです。「あなたのことを思っていますよ、という気持ちを伝える媒体がモノだということです」と説明してくれました。

この説明を「なるほど」と思いました。心は見えないけれど、何かの形にすれば心が伝わるということです。モノは価値や値段ではなくて、気持ちが伝えられるものであれば良いということです。どんなに親しくても常に顔を合わることは出来ませんから、その時間を埋めるものがモノだと言えそうです。

この経営者は「事業が上手くできているのは、私を応援してくれる人がいるからです。父の教えが生きていると思います」という話を伝えてくれました。父の教えを生かしている経営と生き方に感銘を受けました。

コンパクトシティ

コンパクトシティについて話を聞かせてもらいました。和歌山市では人口が減少、高齢化が進展しています。将来の税収減も合わせて考えると、和歌山市の市街化区域に居住してもらえるまちの環境を整える必要があります。既にインフラが整っている区域に住んでもらうことは行政コストの負担が少なくて済みますから、和歌山市としてコンパクトシティ化を目指しているところです。そのため、市街化調整区域の開発基準の見直しを行っているところです。将来の和歌山市について、コンパクトシティを目指す観点から考えてみます。

奇跡の種

東日本大震災で被害を受け、宮城県の石巻市立大川小学校では多くの子ども達の命を失いました。尊い命を失った子ども達を偲んで、子どもを亡くしたお母さん達が校庭にひまわりを植えました。そのひまわりは毎年のように花を咲かせて、命をなくした子ども達から命へ尊さを伝えてくれています。

そのひまわりが大切なご縁をいただき和歌山県に来ています。毎年のように花を咲かせて、ついに和歌山県で開催された紀の国わかやま国体で東北復興支援の声をあげるように、メイン会場である紀三井寺競技場で花を咲かせて選手達を迎えてくれました。紀の国わかやま国体開催に合わせて大切に育ててきたひまわりが競技を見守る中、和歌山県が総合優勝を果たし閉会しましたが、その命の輝きは今も続いています。紀の国わかやま大会でも選手達を見守ってくれることになっています。

個人的希望ですが、和歌山県で大切に育てているこの大川小学校のひまわりの種を収穫し、次回国体開催県である岩手県に申し送りたいと考えています。石巻市立大川小学校から受け取った和歌山県は大切に育てることによって命の尊さを感じています。地元開催の国体で花を咲かせたこのひまわりを次の岩手県で開催する国体につなぐことで、命を大切に思う心のリレーをしたいと思うのです。

東北復興支援の国体でもあった紀の国わかやま国体ですが、次回は被災地であった岩手県ですから、復興支援ではなくて再興のための国体になると思います。そこに大川小学校のひまわりをリレーすることで、私達は命の尊さをつないでいることを感じ合いたいと思うのです。

岩手県に大川小学校のひまわりの種を贈る前に、素敵な歌が誕生した話を聞きました。「奇跡の種」というタイトルの歌です。まだこの歌を聴いていませんが、この歌は全国に届けられると聞いています。「奇跡の種」である大川小学校のひまわりの種を和歌山県から岩手県に届け、被災と国体の忘れない記憶として定着させたいと考えています。