活動報告・レポート
2015年10月13日(火)
住宅事情
住宅事情

和歌山市の最大の課題は人口減少と高齢化問題です。人口減少はそのまま県勢を減退させることにつながりますから、人口を増やすことは難しいとしても、人口の維持は県勢を維持するための最低条件となります。

このことに関して住宅会社の経営者と懇談する機会を得ました。和歌山市で住宅販売は頭打ちの状態が続いているようです。原因は明らかで人口が減少していること。中でも持ち家をする若い世代が減少していることから、販売増加につながっていないようです。この傾向は今に始まったことではないので、数年前から危機感を持ちながら経営を舵取りしていることを知りました。

これから10年近くは「何とか大丈夫だ」という話ですが、次の代になった時は「厳しくなると思います」ということです。住宅が増加していないことの最大の要因は人口が増えていないこと、取り分け生産人口が増えていないことが厳しい要因です。

ただ最近の持ち家事情は改善されていて、頭金がなくても金融機関の住宅ローン商品の中には、住宅購入額の110パーセント貸付をしてくれる融資制度もあり、頭金がなくても持ち家ができるしくみになっています。全額住宅ローンを組んでも持ち家ができるという事実を知ったことは驚きです。私の世代だとなるべく頭金を多く用意して、借り受ける金額を少なくするように考えていました。そのため持ち家は30歳代になることが多かったのですが、現在は住宅ローン制度が充実していることから20歳代でも持ち家が可能となっています。

むしろ賃貸物件に住むよりも持ち家をする方が有利な場合もあるようです。賃貸住宅の場合は、家賃を滞納すれば出て行く必要がありますが、持ち家の場合は出て行く必要はありません。もし世帯主が死亡した場合、賃貸住宅であれば支払いできなければ出て行く必要がありますが、持ち家の場合だと住宅ローンを組む時に相応の生命保険に加入しますから住宅ローンの返済が完結することになります。この場合、持ち家は住宅ローンがなくなり自分のモノになるのです。

これらの優位性があることから、住宅ローンで持ち家をする若い世帯があるようです。勿論、無理をして購入すれば手放すことになる恐れがあるのは言うまでもないことです。

和歌山県の政治に期待していることは、人口を増やすこと、若い世代の働く場所を増やすことなどだと話してくれました。人口が減少していくにつれて需給バランスが崩れ土地の価値が下がり、地域内の金融市場も狭められます。

現在においても空き家が増加していることから持ち家を手放す人が多くなっています。それに対して住宅を購入する層が減少していることから、供給過多で需要が減少していることから土地の価格は低下傾向にあるそうです。

ですから和歌山市郊外の土地利用の用途規制に関しては、「余り問題とは考えていない」ということでした。置かれている状況によって立場や考え方が違っています。

再開発

和歌山市中心市街地再開発に関して協議を行いました。JR和歌山駅前の民間事業者による再開発は必要です。地方自治体の公共事業に頼るだけでは収益性も、賑わいも、医療施設も福祉施設も創出できないからです。民間事業者が再開発に参加してくれることがポイントになります。

和歌山市が本気で中心市街の再開発をする気があれば、準備を進めてきた計画を確実に実行し仕上げることが大事です。再開発の計画があり投資をしているのに、これまで支援をすると言っていた地方自治体が予算不足や財政面を理由に中止するようなことがあれば、大きな問題です。協議を引き続き実施するつもりです。

体育館

和歌山市内の公立小学校で老朽化した体育館があります。今直ぐにでも建て替えして欲しい老朽化している体育館ですが、予算が無いことから建て替え計画はないようです。予算が無いから「やらない」、「やれない」というのは誰にでもできる仕事のやり方です。

実際に子どもが体育の授業をこの体育館で実施していますし、休憩時間にこの付近で遊ぶ生徒もいます。危険箇所を予算面の理由から放置しておくことは残念です。公教育として検討してもらいたい喫緊の問題です。