活動報告・レポート
2015年10月10日(土)
名草姫
和歌山県母子寡婦福祉大会

和歌山県母子寡婦福祉大会が開催されたので参加してきました。今年が結成65周年目を迎える大会は和歌山県知事を始め多くの方の祝福の下で開催されました。母子家庭と寡婦の生活の安定と向上を目指した取り組みを行っている会として、大会決議と大会宣言が承認されました。

名草姫

和歌山市を拠点として活動している劇団ZEROによるミュージカル「名草姫」を観劇しました。地元の伝説である名草戸畔をテーマとして取り上げ、ZERO風に新しい解釈をしてミュージカルとして上演されました。

名草戸畔の伝説とは、日本書紀に記されている一文から由来です。現在の和歌山市と海南市の一部である名草地方を治めていた女王が名草戸畔で、神武天皇と戦い戦に破れた悲劇の女王として伝説が伝えられています。この戦いで神武天皇の兄が命を落とし、竈山神社で祭られているという伝説も伝えられています。

神武天皇の東方遠征の時に名草地方に入り、名草戸畔と一戦を交えこの地を平定し、その後、熊野から大和の国に入り天下統一を果したという伝説です。

今回の劇団ZEROはこの名草戸畔の伝説を新しい解釈で演じてくれました。平和を愛する名草戸畔が収めている名草地方の民は戦を嫌っているので、神武天皇と戦う道を選択しなかったという設定です。そして神武天皇も戦による天下統一を目指したのではなくて、平和を願いながら戦わずして各地を平定していき、平和な国家を築くために天下統一を図ったというものです。

従って名草軍と神武軍は戦うことなく、名草戸畔が神武天皇に降伏して民衆を守ったという物語を描いてくれました。どんな状況においても平和を第一に願う気持ちが伝わってきます。名草戸畔は一人の命も失わせることなく、また神武天皇も平和を願って東方遠征を行ったので、お互いに戦うという選択をしないで日本という国を作り上げたストーリーになっています。名草戸畔は戦うことを選択しないで、降伏し自らが神武天皇の軍と共に大和の国に同行することでこの地に平和をもたらしたのです。平和は戦うのではなくて守ることで得られることを示してくれました。そして名草戸畔が去った後を託された名草彦は名草戸畔を名乗り、彼女が目指した平和な国づくりを継承したのです。

このことから、日本が建国されたのは戦う歴史ではなく、平和を求めることによって国を統一したことから、日本は平和を求め平和を愛する国として発展してきたことを伝えてくれています。

現代を生きる私達に「わが国の歴史は平和が基礎にある。平和を大切にして欲しい」というメッセージを放ってくれました。

この舞台の最後のシーンは印象に残りました。名草戸畔が生きた時代から1000年後の名草地方の様子が描かれました。1000年前の名草地方の伝説を子ども達に語った年長者の後ろに、名草彦達が現れて同じ方向を見つめています。見つめる先にあるのは名草山に沈む夕日です。1000年後の名草地方の人々は、このきれいな名草山と夕日を守ってきた名草戸畔を思い、同じ目線で夕日を見つめている名草戸畔達は、1000年後の平和な世の中を喜んでいるのです。自分たちが守った名草地方の平和と、平和な国として誕生した大和の国が都として栄えていることを伝える場面です。

そこから続いている2015年も、平和な暮らしが続いていることに感謝しなければなりません。平和は命を賭してそれを守ってくれた人がいるから続いているのです。今の平和は自然にもたらされたものではなくて、守り継承してくれたものであることを知るべきだということです。

和歌山市に伝わる素敵な伝説に心を打たれました。創作は心にとって必要なものである。その気持ちが分かるものでした。

トイレの話
トイレの話

和歌山市片男波にある8の字公演には、和歌山県で一番きれいなトイレがあります。地元の片男波自治会の有志が「8の字会」を設立して、トイレの維持管理と掃除を行っています。トイレ清掃を始めてから実に15年目に突入しています。しかもトイレ掃除は一日も欠かさないで実施しているのです。一日も掃除を欠かさないということは大晦日も元旦もトイレ掃除を実施しているということです。一日も欠かさないで公衆トイレの掃除を続けることの凄さが分かると思います。

公衆トイレを15年もの間、ボランティアで掃除を続けている事例は全国にもないと思うほどです。このことはTOTO株式会社が発刊している「まちなかトイレ通信特別号」にもきれいなトイレの事例として掲載されていることからも推測できます。

トイレの話

また全国防犯協会連合会が発刊している「安心な街に」の平成27年10月号にも8の字公園のトイレ掃除の話が掲載されています。8の字公園のトイレには、和歌山県で初めて、公衆トイレに温水洗浄便座が設置されています。和歌山県は単に公衆トイレに温水洗浄便座を設置したのではありません。維持管理と掃除をしてくれる人や団体がいて、きれいに保つことを任せられる公衆トイレに設置しているのです。8の字公園の公衆トイレに、温水洗浄便座の第一号が設置されたのは当然のことだと思っています。

これからも自治会の有志の皆さんがきれいなトイレを維持することで、安心できる地域と住み易い地域づくりを築いていくことを期待しています。