親しくお付合いをさせてもらっているY社長と懇談する時間がありました。色々な人から「Yさんは良い人ですよ」、「誠実な人です」などの話を聞いていますが、その度に嬉しく思っています。最近は大阪や東京で仕事をする機会が多くなっていることから、和歌山県内にいる時間が限られています。シルバーウィークなので和歌山県に戻ってきて時間を割いてくれました。これまで手掛けてきた事業に関する経験も興味深いのですが、それよりも日常の心掛けについて教えられることが多くあります。
日常生活の中で神事を大切にすること。毎月1日と15日は神様の日です。Yさんはこの両日、毎月、地元の神社にお参りをしています。
それと共に毎日、朝起きた時と就寝する直前に神様にお祈りをしているのです。そして神様にお祈りすることには決まりがあると教えてもらいました。
それは地元の皆さん、日本、世界の人々、自分を応援してくれている方、家族、そして自分の幸せと平和を祈ることです。6つのことの幸せと平和を祈り、しかも祈りで自分の順番は最後にすることです。まず、皆さんの幸せと平和を祈り、最後に自分のことを神様に託すのです、お祈りですから頼みごとではなく幸せと平和を与えてもらっていることに感謝の気持ちを伝えるのです。
一日の始まりにおいては、「今日一日が幸せで平和な日となること」をお祈りし、一日の終わりの時は、「今日一日幸せで平和な一日であったこと」への感謝の気持ちを伝えるのです。神様へのお祈りは、常に感謝の気持ちを伝えることが原則です。
お祈りに際しては方向も大切だそうです。朝は太陽に向かって、夜は月に向かってお祈りを捧げます。太陽も月も命を与えてくれている神様の象徴だからです。
健康も、日常も、仕事も順調に行っている全ては「毎朝のお祈りと毎月2回の神社への参拝です」と話してくれました。そして「信じるか信じないかはその人の判断ですから、信じなくてもどうと言ったことはありませんが、信じるということはやろうと思うことです。人の話を聞いてやろうと思うこと、やってみることが大事なことです。ですからこの話を聞いてやらない人は、どんな大切な経営の秘訣を教えたとしても信じないだろうとやらないと思います」と話してくれました。
Yさんが話してくれたことは、全くその通りだと思います。経験者からどんな良い話を聞いたとしても、自分のモノにしようと思っていなければ自分の経験にすることはできません。「神様へのお祈りをして上手くいくなら、誰でも成功できる」なんて思うなら、どんな経営上の大切な話を聞いても「それはYさんだからできたこと」だとか「時代の波に乗っただけ」など思う筈です。
全ての人は時代背景や置かれた環境は違います。しかし経験した人から与えられるヒントは応用することで役立ちますし、何より人との信頼を築くことはおいては時代や環境に関係ありません。
「人の話を聞いても実践しない人ばかりです。人の話を聞いて良いと思っても、それを実践しなければ忘れてしまいます。それでは経験者と会う意味はありませんよね」と話してくれたように、進歩しようと思っているなら、聞いて良いと思ったことを実践すべきです。
私達はたくさんの人に会い、たくさんの書物を読んでいますが、自分が経験したこと以外ものは受け入れようとしない性質を持っています。しかし自分が経験できることは自分の周囲の出来事に限られますし、大きな舞台を経験していない人が大きな舞台に立つことの意味を知ることはありません。
私達は自分が経験していないことが圧倒的に多いのとことを知り、人の経験から学ぶことが必要となります。それができる素直な人が、他人の経験から学び成長できる人なのです。神様に祈るか祈らないかは別として、行動を起こそうとするかどうかが大事なことだと思います。