法律家の話を伺いました。法律家が人を弁護するためには信頼関係が必要で、単に依頼されたから「引き受けているのではない」ことを聞かせてもらいました。依頼者が嘘をついていたり、信頼を裏切るような行動を取るようなら、「弁護を打ち切る」ということです。
法律家はどんな案件でも引き受けるものではなく、基本は正義に基づいた案件であることが前提です。依頼する人は、結果はどうあれ自分が正しいと信じて弁護士に依頼をすると思います。自分が正しくないことを知りながら誰かを訴える人はいないと思いますが、もしいるのであれば信頼できない人だということになります。弁護の途中で信頼を損ねる好意がある場合は契約を途中で解除することもあるようです。
そんな信頼関係を損ねたことから弁護することを取り下げた事例を聞きましたが、人は利害ではなく信頼関係で動くものだと思いました。行動の基本は正義に基づいたものであること。それがビジネスでも人間関係でも大切なことです。
同じように、ある人との付き合いを止めていることに関する話をしました。「どうしてですか」という質問に対して、「その人は社会からの信用を失っていることから付き合いすることを止めています」と答えました。社会からの評判が悪いので、一緒にいるところを見られるだけで、「どうしてあの人と一緒にいるのですか」と言われることがあるからです。
社会からの信用は仕事をする上で、とても大事であることが分かります。信用があって仕事が成り立っているのです。信用できる人との仕事は進展するケースが多いのですが、一人でも社会からの信用の薄い人が関わると仕事が行き詰ることが多々あります。
ご縁を大切に、人からの信用を大切に、社会からの信頼を大切にしたいものです。
和歌山市にも拠点を持ってビジネス展開をしている会社があります。本来の事業領域とは違う分野の新しいビジネスであることから、当初は小さな拠点を置くことからスタートしました。時代の要請に応じて徐々に市場を開拓して、今ではこの会社の立派な収益を産み出す一つの柱になっています。数年かけて育ててきた事業は順調に展開されています。
本日は和歌山市までこの会社経営者が来ていたので、話をする機会がありました。一ヶ月のうち、数日だけ和歌山市の事務所に来ているのですが、嬉しいことに今日、お互いの時間調整ができたことから会うことになりました。
今、実行しようとしている案件に関する話をしていたのですが、不意に社長が話してくれたことがあります。
「こうして和歌山市に事務所を置いて事業ができているのは片桐さんのお陰だと感謝しています。最初に相談に行った時は、まだ事業が成功するかどうか判りませんでした。あの時、少しでも初期投資を抑えるために和歌山市が運営し始めたSOHOを紹介してくれて入居させてもらったことが始まりでした。小さな事務所からスタートさせたこの事業は、徐々に市場を拡大させることができたので、今では主力事業の一つになっています。SOHOから始まって、少し大きな事務所に移転し、事業拡大が図れた今はこの場所に移転することができました。最初のきっかけを作ってくれたのは片桐さんなので、このことは忘れてはいません」と話してくれました。
僕の方はこの経緯を忘れていたのですが、話を聞いていると思い出してきました。「そんなことがあったなあ。早いもので長い時間が経過しているんだなぁ」と思いました。嬉しい話は思い出をきれいに再生してくれます。
少ない時間でしたが、今の課題への対応と過去の経緯を思い出させてくれた有意義な時間となりました。
福祉事業と教育事業の経営者の皆さんと懇談会を行いました。福祉の主な対象は高齢者で教育の主な対象者は子どもです。社会で助けを必要としている方々を支援するために事業展開をしている皆さんですから、社会を良くすることに関して積極的な意見交換の場となりました。
加えて障がい者の方々への社会からの支援は福祉と教育の両方に跨るものですから、両者のノウハウを活かしたものにすることが、社会で求められていることだと話し合いました。私達の社会は、税金によって助けられる人を減少させ、税金を支払う人を増やすことを目指すべきことです。税金を支払える人になることが社会的使命であり、そのための教育は大切であり、社会で活躍できる人を送り出すための方策についても話し合いました。