活動報告・レポート
2015年9月6日(日)
責任の所在
責任の所在

ある業界の経営者と交わした話があります。多くの場合、業界でも経営者は協会や組合などの組織を作り、業界全体の発展を目指すことがあります。加入している会社への情報提供や政治との関係など、業界の発展に寄与することを目的としています。そんな組織の理事長は、当然のことですがその業界における優れた経営者がなります。また理事メンバーも経営者で構成されることになります。それぞれの会社の経営者ですから、責任感がある尊敬されるべき人ばかりです。

ところが組織自体は利益を生み出すことはありませんから、加入している会員が会費を支払い会の運営を行うことになります。業界が好調の時は、問題はありませんが、景気が低迷し、業界全体の売り上げが落ちている時は、廃業や事業縮小などで会員が脱退することにより会費収入が減少し、組織運営が厳しくなることもあります。そんな正念場に立った時、役員の資質が試されます。

この組合では会費収入が減少していることから、当面の運営費を調達するため金融機関からの融資を求めることを理事会で諮りました。金融機関から運営費の借り入れを受け、返済するために、当面の間は組合費を値上げするという議案を理事長が提案したのです。

ところが理事会では、理事から値上げ反対の意見が出されて否決されました。資金調達ができなければ組合の運営できないという事態に陥っているのですが、値上げすることを否決されたため融資を受けることができなくなりました。

議案に反対した理事は「値上げをすると会社に影響がある」という理由からです。会費の値上げは一ヶ月200円で、組合に加入しているみんなが支出し合うことで返済できることになるのですが、それに反対したのです。理事長から「それでは組合を運営していくための代案を示して下さい」と意見を求められても、「代案はない」というものだったようです。組合を運営するための代案もなく、お互いに身を削って会費値上げで厳しい時代を乗り切ろうという議案に反対する理事がいて、代案もないということになりました。

意見調整がつかなかったことから、理事会では再建協議会を設立して検討することになりました。再建協議会は反対した理事が委員長を務めることになりました。つまり結論を導けなかったことから、この大きな問題を先送りした訳です。

ところが理事会を終えて数ヶ月が経過しているにも関わらず、再建協議会は立ち上がらないまま放置されているようです。理事長が「いつ頃、再建協議会を立ち上げますか」という質問をしたところ、「国体の準備で忙しいから、時期は未定」という答えだったそうです。忙しさを理由にして問題を先送りすることがありますが、多くの場合、そのまま放置されることになります。

反対する理事は代案を示すべきですが、代案のない反対は問題を先送りにするに過ぎない無責任な意見になります。責任ある立場の人が無責任な意見を述べるのは資質に問題があります。結局のところ、融資を受けることに反対、組合を運営していく代案はなく、代案を協議するための再建協議会の立ち上げは遅れている状態となっているようです。しかも理事職は続ける意思を持っていることから、問題解決に向けた取り組みは前向きに進まないようです。

ある組合内部の問題ですが、よく似たことは度々聞くことがあります。責任ある立場の人が決めることをしないで問題を先送りにすること。責任を取る人がいないこと。誰も代案を示さないこと。組織が崩壊していくのは内部からだと言いますが、それが本当だと思ってしまいます。危機に直面しているのに融資も受けたくないし、会費も上げたくないと問題を先送りにしている無責任さが、加入している会員の不安感を増幅させています。

問題解決するためには責任者が決断するか人事を一新することが必要となります。どちらもしないのでは状況は悪化していくだけです。他山の石として学びたい事例です。

JP総会

JP和歌山連絡協議会総会にお招きをいただき出席させていただきました。JPグループは今秋、株式上場を控えていることから、これまでと経営が大きく変わることになります。これまで存在していなかった株主が誕生し、お客さんや市場と共に株主からの評価を受けることになります。経営環境の変化に対応していくことが求められることから、組織の団結と組織を維持、発展させていくための活動方針が確認されることになりました。

本日は来賓として総会の場で挨拶をさせていただきました。統一地方選挙後の県議会での議論の状況、国の政治との関係、道路行政などの説明を行い挨拶とさせていただきました。引き続き意思疎通を図りながら健全な発展を目指したいと考えています。