大手デベロッパーの役員と会い、都市計画について話を聞かせてもらいました。大阪府では北部地域の開発が進んでいます。阿倍野から南の地域は余程の規模であるか、開発のための要件が整うことが都市開発の条件となるようです。
この事業者は、現在のところ和歌山市に進出予定はありませんが、和歌山市の開発に関して意見を伺いました。まず近年は機能一体型の開発計画が必要だということです。機能一体型とは居住と商業および交流の三つの機能を一か所に持たせることです。
つまり駅の再開発の場合、駅という交流スペースと商業施設を駅内または駅前に設置すること。そして居住スペースとしてのマンションを駅ビルや駅前に建設することで機能一体型の地域となります。この機能一体型の開発が、近年の都市開発の条件だそうです。大阪府下の開発状況を確認したところ、確かに駅および駅前を機能一体型で開発しています。
かつては機能分散型というスタイルで開発されていた時期がありました。居住に適した地域、商業に適した地域などに分けて開発していた時期がありましたが、現在は流行ではありません。
和歌山市駅の再開発に関しては、駅舎の建て替えなので駅と商業施設を組み合わせるのは当然のこと、上層階にマンションを建設することが必要だと話してくれました。人がその場所で住むことで商業施設はお客さんの入りを見込むことができます。人に住んでもらわなければ都市の再生は困難になります。
大阪府下でも駅前再開発計画がありますが、いずれも大型の商業施設とマンションを建設し、そこに医療モールと福祉施設も併設するところもあります。このようにコンパクトシティ計画では、機能一体型を進化させて、医療と福祉機能を持たせることが都市計画の最新モデルになっています。
この役員は和歌山市の視察にも来てくれていて、和歌山市が中心市街地を核とした都市の再生を目指していることは知っています。和歌山市の印象を尋ねると、「南海和歌山市駅を下車すると、以前立ち寄った時よりもシャッターが降りていることが気になりました。和歌山市駅からJR和歌山駅まで歩いて見たのですが、人通りが少なくて、商店街も閉まっているなど活気のなさが気になりました。もしかしたら商店街の休みの曜日だったかも知れないので、限定的で個人的な印象ですが。ただJR和歌山駅の横にある商店街もシャッター通りになっていたように思います。和歌山市にとっては駅前の一等地なのにもったいないと思いました。ただJR和歌山駅前は大手住宅会社がマンション建設を計画していることが明るい材料だと思います。もっと居住スペースが必要だと思うので、大規模なマンション計画を進める方が良いと思います」と話してくれました。
都市は人が住んでいるスペースである。都市再開発にはこの条件が絶対に必要だと思います。コンパクトシティなのに居住スペースが不足しているようでは、都市再生につながりにくいということです。そして問題は容積率の緩和だと教えてくれました。都市開発を目指す地域の容積率を緩和して上層部まで建てられるようにしなければ、居住空間を生み出せないからです。「和歌山市の都市再開発の弱点は容積率にあるのではないでしょうか。和歌山市駅の建て替えに関してもそこがネックになったのではないでしょうか」とヒントを与えてくれました。これらの視点で和歌山市中心市街地の都市の再開発を見つめたいと考えています。
また平成27年度から2年間程度は大阪府を中心としたマンション事業の見通しは立っているようです。しかしそれ以降の見通しは不透明な状況なので、なかなか和歌山市まで目が向かないということです。マンション建設に関しては、仕事の労力はほぼ同じなので、価格帯を高く設定できる地域の開発の方が効率が良いこと、資金回収が図れることなどから、どうしても大阪府でも都心部の開発に向かうことになります。
大手デベロッパーの経営者から貴重な話を聞かせてもらったことに感謝しています。
和歌山西ライオンズクラブと伏虎ライオンズクラブの合同例会を訪問いたしました。例会訪問を続けていますが、今日と明日でゾーン内のクラブ訪問を一巡することになります。
今回も挨拶では、伝統を守る活動として、本年度は地域貢献として紀の国わかやま国体へのボランティアを呼び掛け、刷新を図る活動としてフェイスブックへのクラブ紹介を呼び掛けました。そして本年度の最大の活動はライフジャケット推進事業であることを訴えクラブの協力を求めました。和歌山県の子どもたちの命を守るためのライフジャケットの寄贈はライオンズクラブ結成100周年に向けた事業であり、命の尊厳を訴える活動でもあることから最大限の力を注いでいます。
例会に迎えていただいた皆さんに感謝しています。ありがとうございます。