和歌山県の過疎地への投資に関して説明を受けました。山間部など過疎地での事業の可能性を調査し場合によっては投資も検討しているという話です。具体的なコメントは控えますが、人口減少と地域資源の活用に資するものなので計画書策定の結果を受けて対応したいと考えています。
首都圏への一極集中による地方都市の衰退がわが国の大きな課題です。和歌山県も人口減少と高齢化が進展している県であり、人口減少と現役世代に移り住んでもらうために歯止めが必要です。これらの課題に挑戦するものなので計画書の提案を依頼しました。他からの視点で見ると、地元では気付かない地域資源の価値というものがあります。まず価値あるものを見つけること。そしてその後が大事なことなのですが、その価値を価値として認め投資をしてくれる事業家が必要だと言うことです。地域社会では自分達の資源だから後世まで大切にするという考えが強く、「もしこの場所で事業をしたいならもっとお金を持って来い」という姿勢になる場合があります。資源を持っている人の立場が強く、投資家の立場が弱いといいう構図が地方都市にはあります。
このように投資する人の存在が軽く思われていますが実際は違います。投資する人がいなければ地域資源は経済的価値を産み出さないので、何の経済的価値もないことになります。大切に抱えていても投資する人がいなければ価値はないのです。そして事業とは生き物ですから時期を逸してしまうと投資する人はなくなります。将来、現れるであろうという期待は実現することなく時間が経過することになります。
地位資源の開発は、地元と投資家が協力することで実現できます。そして欲を出しすぎないことが協力の条件となります。実際、投資家は和歌山県の過疎地に投資しなくても他の場所でも案件を持っていますから、欲を出しすぎると進展しなくなります。そのことを分かってくれて協力姿勢を見せてくれる場所で事業が進むことになります。投資家の存在は不可欠であり、投資家があるところに事業と活性化が生まれるのです。
このように課題に対応するための可能性を模索しているところです。
お昼の時間、市内の経営者の方と話し合いの場がありました。「和歌山県の皆さんに豊かさを感じてもらいたいと思っています。お陰さまで会社が順調なので、今の段階では経済的に困ることはなく、自分達だけが良ければという考えを脱することができています。周囲の皆さんに豊かさを享受してもらえる社会づくりに取り組みたいと思っています。苦労した時代もあったことから、豊かさには生活に困らないだけの少しの経済力が必要です。心の豊かさだとか、社会参画などといっても、本当は経済力がなければ豊かさを感じられないのです。ですから少し豊かさを感じられようにしたいのです。お役に立てることがあれば申し出て下さい」という話をいただきました。
将来に亘り自分達の生活に不安がなくなることで周囲が見え始めます。ある程度の経済力を持つことで余裕が生まれ、周囲の人を支援する気持ちになれるという話は、本質だと思います。「皆さんに支えられてここまで来ました。残りの人生をお世話になった人や周囲の皆さんのお役にてるようにしたいと思っています。特に若い人達に経験を伝え、地域が豊かになる取り組みをしたいと考えています」と話してくれました。
無心になったこれからの活躍が益々楽しみです。
水産資源の活用について事業経験者から話を聞かせてもらいました。和歌山県内の水産資源量は減少傾向にあり、既存の資源を当てにして新たに水産業を起こすことは難しいという話です。農林水産が和歌山県の重要な産業ですが、水産業の場合、今以上にパイを拡げることは難しそうな感じがします。水産牧場のように水産資源を増やしながら、事業拡大を図るなどの方向性の模索が課題だそうです。