「情報は人にあります。ですから大切な情報を得ようと思ったら、人に会いに行くことです」と伝えてもらいました。そのためには現場を訪ねることで、そのための出張は惜しんではならないと言うものです。必要な情報はインターネットで把握できますが、肝心なところや公表されていない段階の情報は人から得る以外にありません。インターネットに掲載されている情報も有益ですが、時間を競い合うビジネスの場合、それに頼っているようでは後れを取ります。
人から人に伝わっている情報が生きた情報であり、早く聞き取れた人がビジネスを制することがあります。現場に出ることを惜しんではならない。この教えを学びました。
スーパーの話を教えてもらいました。今日お会いしたAさんは、経営破たんをしたスーパーの経営者と交友関係がありました。そのためこのスーパーを利用していたのですが、気付いていたことがあり、事あるごとにスーパーの社長に苦言を呈していたのです。
「店員さんがお客さんに挨拶をしていない」、「電話をかけても身内を亡くしたような暗い対応で、サービス業の電話応対とは思えない」など意見を伝えていたようです。
しかし改善されることなくいました。そんな矢先に経営が破たんしたのです。Aさんは、「こんな日が来ると思っていた」そうです。二代目の経営者は聞く姿勢を持たなかったことからサービス業の基本を徹底できていなかったのです。
先代社長は、スーパーの現場に出て行ってはお客さんに挨拶をして、商品説明やお買い得品の案内をしていたので、お客さんから信頼があったそうです。社長の顔が見えるスーパーとして地域のお客さんに親しまれていました。その後、規模が大きくなり店舗数が多くなると、経営者の顔が見えなくなっていったのです。創業社長は自分のスーパーと商品を愛していますから、その思いが直接お客さんに伝わっていたのです。ところが代が変わり店舗が多くなったことから、隅々まで社長方針やお客様対応のルールが徹底できなくなっていたのです。
友人から危険な兆候を知らせてもらっていたのですが、自ら現場に出ていなかったため忠告されたことの改善を怠っていたのです。ですから激しくサービス競争をしているスーパーの戦いに勝つことはできませんでした。
「経営破たんをした後なので言えることですが」と内部の話を聞かせてもらいましたが、聞く姿勢を持つことがビジネスでも政治でも大事なことだということです。
和歌山市の政治家に関しても話を聞かせてくれました。今春の統一地方選挙で「応援して下さい」と依頼されたので事務所に行って、自分の思うことを候補者に伝えました。しかし候補者は「古い戦い方です」、「もうやっています」など意見を聞く姿勢を持っていませんでした。そこで「聞く姿勢を持たないのであれば応援の依頼をしないで下さい」と伝えて、事務所を去ったそうです。
意見を聞く姿勢を持たないで自分の意見を相手に主張するだけでは、人はそこから去ることになります。傾聴することの大切さは会社でも役所でも言われていることですが、実行できている人は少ないので、呪文のように何度も繰り返して言われているのです。
Aさんからも大切なことを伝えてもらいました。
滋賀県草津市で開催された第35回定時大会に出席しました。変革期に臨む決意が感じられる空気が感じられました。元参議院議員で関西総連の足立顧問の挨拶が印象的でした。
「会社の寿命は短くなっています。今では23.5年が平均的な存続期間で、以前は50年と言われていましたが、生き残ることが大変な時代になっています。その中で会社の最盛期はもっと短くなっています。人の寿命が延びているのに会社の寿命が短くなっていることから、これまでと同じことを望んでいても叶わないことが分かります。
昔のやり方が良かったからだとか、元に戻さなければという考えは無駄で、変化に対応していくために対応できる柔軟な考えが必要です。元に戻すことは難しいことなので、変化に対応することを期待しています。
この変化に対応する考えは苦しいことでも難しいことでもありません。今では多くのアスリートがオリンピックなどの大会を楽しんでいます。日頃の成果を発揮できる機会を楽しんでいるように、仕事も苦しみではなく楽しみと捉えることが大切です。苦しみよりも楽しみを求めること。変化に対応する精神はそれに尽きると思います」。
要約していますが、以上のような話が骨子です。変化への対応を楽しむこと。参加者の皆さんの気持ちが楽になるような話でした。
毎月定例的に開催している月一会に参加しました。それぞれのこの一か月の出来事の意見交換やこれからの活動やイベントなど話し合う会です。過去とこれからを話し合い、その中で今日やるべきことと、今日を楽しむことにしています。