和歌山市加太が元気です。それは地域の将来構想を今から具体化させようとしているからです。和歌山県の将来計画に基づいて地域の人口予測を行い、そこから人口減少を食い止めるための産業創出と雇用の確保を目指しています。目標とする人口、雇用、必要な産業形態、そして資金計画など、具体的な構想ができつつあります。
漁業の振興、再生可能エネルギーの導入などによるスマートシティ構想など、小さなコミュニティの中で実現可能な構想が計画書案に並んでいます。地元で資本金を出して株式会社を設立し、利益を地元に還元することでコミュニティ全体に恩恵を浸透させようとしています。
面白いアイデアとして現在も取り組んでいますが、コスモパーク加太にアジサイ園を作り、全国からお客さんを呼び込もうとしています。アジサイは6月に咲く花なので、和歌山市の観光にとって閑散期である6月に観光客を呼び込めるものとして活用ができるというものです。尤も全国からお客さんに来てもらうためには、アジサイ園の規模、世界一を目指すことです。世界一のアジサイ園であれば、全国からも世界からも観光客が来てくれることになります。
アメリカにもアメリカアジサイがあると聞きますが、アジサイは日本の固有種なので世界一になればお客さんに来てもらえると考えています。数年前から植栽を続けていますが、世界一のアジサイ園を目指した取り組みも加太の挑戦です。スマートコミュニティ加太構想は、和歌山市にとっても夢のあるものなので支援したいと考えています。
高齢社会を迎えている和歌山県は介護職場がとても重要になっています。高齢社会において安心できる環境を整えることや、若い人たちの雇用の受け皿にもなっているからです。
しかし介護職場では様々な問題点があります。今日の夕方から介護職場で働く皆さんと勉強会を行い、その話し合いの中で出された意見です。
若い人が介護職場に集まらない状況になっていること。募集を出しても問い合わせも応募者も少ない現状があります。そして応募者と面接の日時の約束をしても面接に来ない人も珍しくないようです。5人の人の面接日を設定しても、実際に面接に訪れるのはその中の2人程度で、面接日を設定しても来ない人がいるようです。
それだけ介護職場で本気で働くことを望んでいる人材が薄いということです。最近は土木や建築の仕事でも人が不足しているので人材を募集していますから、若い人がその分野で働き場所を見つける機会が多くなっています。介護職場で働くことを希望する人材が少なくなり確保できない状況が和歌山市にあります。
介護施設や介護事業を広げたいと思っている経営者も多いと思いますが、事業拡大を阻んでいる壁は人材が不足しているということです。働く人がいないので事業を拡大できないため現状規模の事業形態で経営を続けることになっています。
介護職場は暗いというイメージがあります。それを打破し明るくてやりがいがある、そして将来性も感じられる職場にすることが課題です。
介護職場で働きたがらないのは体力的にも精神的にも辛いことが多いからです。介護には体力が必要で、ヘルパーさんの膝や腰に負担が掛かります。体力的にきついことは介護ロボットの導入で乗り切れないだろうかと話し合いました。介護ロボットは和歌山大学システム工学部で開発されたと聞きました。和歌山県発の新規事業であれば、地元産業支援のための補助制度や介護施設へのリース制度を作り、普及を図りたいものです。
若い人が集まらなければ、ヘルパーさんは介護ロボットを利用して、50歳代でも60歳代でも身体の負担を軽減して働ける環境を整えることが可能です。
空き家対策として空き家を改装して介護施設として活用することもアイデアです。
高齢者はペットで癒されることが多いようです。ふさぎ込んでいた高齢者がペットに触れて表情が明るくなることや、ペットを抱いた時の温かさに触れ、感情が豊かになった事例があると聞きました。ペットと介護を受けている高齢者の関係は良いと報告されている調査結果もあり、和歌山県としてペットと共生できる社会作りにつながるように感じます。これが高齢者施策にもつながります。
杉並区では知的な介護施設が人気になっているようです。ヘルパーさんと入居者が、政治の話や経済の話、ビジネスにつながる話などをして刺激を受けているようです。ここでのヘルパーさんは現役を引退したビジネスパーソンが資格を取り、自らの経験を入居者に話しているようです。入居者皆さんを遊ばせるのではなくて、社会に関心を持たせることで脳の働きを良くすることを目指しているようです。
介護職場で働く人が格好よくすべきという意見です。ホテルのフロントのようにスーツを着用するなど、ジャージや制服ではない衣装で働くと格好よいと思います。また何歳になっても異性を意識することは若くいるために必要なことなので、格好のよい男性、可愛い女性が働く職場にすることも面白いアイデアです。
テレビで国会中継を見ているように高齢者は政治の話が好きです。入居者の皆さんに県議会傍聴ツアーを実施することで、社会からの刺激を与えることも楽しいアイデアです。県議会を見たことのある高齢者は少ないと思いますから、政治の現場を見て、議場での議論の様子を聞いてもらうことは刺激になり、関心を引き出すことにつながると思いす。是非とも実行したみたいアイデアです。
両親をどう見送るかが子どもにとって最大のテーマです。気候も良く、食べ物も美味しい和歌山県が、介護と終末医療に適した県であることを知らせたいものです。高齢社会を迎えている和歌山県が、福祉の分野では先進県となるようにノウハウを蓄積しておきたいものです。
介護従事者のための託児所を作ることで、介護職場で働きたいと思う人材が増えることも予測できます。かつて介護職場で働いた経験のある女性に復帰してもらうためにも夜間も任せられる託児所が必要です。小規模な介護職場では託児機能がありませんから、若い人が働ける環境整備の一環として夜間に利用できる託児所の設置も検討したい課題です。
本日の勉強会では、職場の課題と将来の課題を出し合って解決方法を考えました。介護職場で働くことが楽しくなれるようなアイデアを出し合い、将来、介護職場で働くことが格好よいと思ってもらえるように今回の構想を仕上げたいと考えています。
初回の今日は、午後6時30分から午後10時まで勉強会となりました。仕事の負担にならないようにしながらも、課題を共有し解決方法を考えるために、継続した勉強会にする予定です。