建設事業の経営者と懇談しました。現在のところ仕事はありますが、紀の国わかやま国体が終わった後、つまり平成28年度から和歌山県内の仕事が落ち込むと予想していることを話してくれました。
この会社は公共工事には関係していませんが、現時点では公共工事は順調で県内事業者向けの仕事量は確保できているそうです。また民間の仕事もあることから休みはない位になっていますが、来年度の仕事の受注の見通しは立っていない状況で、現状の動きからすると下期に入ってからも仕事の発注は少ないと予想しています。
「来年の県内経済は大変だと思いますから、何としても建設や土木などの仕事を減少させないようにして欲しいと期待しています」という話です。
多くの方が同じような発言をしています。ポスト国体が県内経済の鍵を握っていると考えていますから、常に動きがあるように仕向けたいところです。
道路に関しては平成28年度まで第二阪和国道、京奈和自動車道の建設工事が継続します。高速道路の延伸もありますから道路に関しての動きはあると思います。和歌山市内では幹線道路の動きは少ないのですが、南海和歌山市駅の再開発、伏虎中学校を移転した後に、和歌山市民会館の移設と和歌山県立医科大学の薬学部の新設が予定されています。
更に和歌山市民会館が移設した跡地の活用計画も視野に入ります。加えてJR和歌山駅前再開発も動きが見えてくる時期に入りますから、これらの計画を確実に仕上げることで仕事量を確保したいところです。
兎に角、人の動きがあるところに人が集まります。情報の集まるところに情報は集まります。そして動きのある街に仕事が集まるものです。止まっていては活力が生まれないので、動きを見せることが大事なことです。県政とは街に動きを見せることが大切ですから、市と連携をしながら人も情報も仕事にも動きのある街にしたいと考えています。
また来年度の仕事量が見えていないことから、仕事のピークに合わせて人を雇う訳にはいかないので新規雇用は見合わせています。その分、仕事にピークが立つ状況においては仕事を外部に委託するので、技術者や重機類が不足している状況では費用が増加傾向にあります。この点も経営の課題となっているようです。
もう一つの課題が消費税だと聞かせてもらいました。決まっていることですが、消費税が10パーセントになれば消費は落ち込みますし、事業者も資材調達などで支払いが増えることから手持ち資金、または運転資金の調達が課題となります。そして年度末に消費税の支払いがありますから、それへの備えも必要となり、経営が厳しくなる会社が増えると話してくれました。つまり売り上げが落ちるのと、これまで以上に手持ち資金が必要になることから、今現在と同じ位の仕事がなければ経営は苦しくなるということです。
和歌山県内の事業者が課題と考えているものに対して、どこまで県政として対応できるのか検討することも必要です。
つまり公共工事の予算規模を縮小させないこと。仕事が確保できる見込みの会社の資金調達が困難にならないように県の融資制度を周知徹底すること。そしてメーカーからの請負の仕事が多い事業構成にあることから、発注元のメーカーに対して消費税増税分を価格に反映させるように働き掛けることなどです。
このように、平成28年度に向けて域内経済を萎ませないために県政が取り組む課題について話し合いました。
議会報告書を欲しいという依頼がありました。平成27年6月県議会の結果を記載していることから「応援している一人として、他の皆さんに読んでもらいたいと思いました。配布用に部数を下さい」という連絡をいただきました。読んでくれた上、配布してくるというとても有り難いことです。今回は好意に甘えさせていただきますが、このような広がりがあることに感謝しています。