官僚の方と話をした中で、「政治とは民です。民から離れている政治は間違っていると言うべきです」という意見を聞かせてもらいました。一人の民の意見は正解かどうかは分かりませんが、多数の意見は正しいことが多いのです。選挙で選ばれた政治家の意見を信頼するのは、大多数の民の意見だからです。人は誤った考え方をすることがありますから、多数決という民主主義の基本的な考え方によって、判断の誤りを少なくしようとしているのです。ですから政策や課題があれば、議会を構成する議員によって議論し、多数決によって正解と思われる答えを導くのです。
ですから政治とは民の意見となります。ところが議会の議論と民の意見がかけ離れている場合もあります。本来は民の意見が政治ですからかけ離れることはないのです。しかし現実にかけ離れる場合があるのは、政治家が民の意見を聞いていないからです。議会で議論するに際して民の意見を聞くならば、政治は民と同じような価値観を有することになります。そうなっていないのであれば、自分の考え方が民と乖離している原因を政治家は考えるべきです。
そして政治とは違う価値のあるところであるべきであり、同じ価値を有する政治家が集まっているような集団では政治は腐敗していきます。有権者は多様な価値を持っていますから、選ばれた政治家も多様な価値を議会に持ち込むことになります。しかし政党という縛りがあるとそれぞれ違う価値を議論で戦わすことがなくなります。地方議会において政治家は有権者と密接な関係にありますから、政治家は政党という同じ価値に縛られることは好ましくありません。地域政党というべき地域で暮らす民と同じ価値を持った政治家が必要なのです。
政治家は自分達の集団の価値を押し付けてはならないと思います。民の価値を聞き取り、それを議論の中で伝えることが大切だと思います。
地方都市においては、地元金融機関の役割が地域経済を左右しています。地域の企業の成長を支援するために事業計画や経営者の資質に基づいて融資をしてくれる金融機関があれば企業活動が活発になり地域は元気になります。しかし依然として担保主義を取っている地元金融機関であれば、担保価値以上の融資をしてくれませんから現在の力以内の経済力を保つことが精いっぱいになります。担保価値以上の融資を金融機関がしてくれることが企業力を高める要因になります。資金需要を満たしてくれなければ新規事業も設備投資も新しい雇用も生み出すことはできません。真面目で事業計画を策定して将来を志向している企業が資金を欲しているのであれば、それに応えるのが地元金融機関だと思います。
金融機関の裁量によって企業の成長度は違いますし地域経済も違ってくるので、金融機関の力量が地域力に影響していると思います。
また和歌山市内では土地の値段が下落傾向にありますが、道路に面した住宅地や立地条件の良い住宅地の値段は維持もしくは上がっていると伺いました。和歌山市の周辺部旧市街地の値段が下落していることから平均すると価格は下落傾向になるようですから、市内の平均値だけを見ていると傾向を見誤りそうです。
土地の値段が上がってくると事業者は融資が受けやすくなりますから、地域にとって良い傾向であると思います。土地本位主義が日本経済の基本であるという本質は変わっていないようです。
地方都市では事業を拡大するにあたって、新たに設備投資と人件費が必要となれば止める方が良いという話を聞かせてもらいました。価格の高い商品を扱う事業であればこれに該当しませんが、価格の小さな商品を扱っている事業者が、新規に設備投資と人件費の増加を伴う事業を行えば、地方経済の置かれた状況からすると厳しいという見解です。
既に資産があれば、立地条件の良い場所で得意分野の事業展開をすることは良いと思いますが、それ以外の投資をするまで「和歌山市経済は回復していない」という意見です。
和歌山市華月殿で開催されている「プリザーブドフラワー展」に行ってきました。フラワーデザイナーの太田美香さんが主催しているもので、華やかな会場に浸りました。プリザーブドフラワーとは、生花に特殊な技術を施して長い期間色あせないようにしているもので、生花と同じ新鮮な花を約3年間楽しむことができます。お花は贈り物として最適なものの一つですが、飾って楽しめる期間が限られていることから、「もったいない」だとか「長期間きれいでいて欲しい」などの要望を聞くことがあります。そんな要望に応えるのがプリザーブドフラワーなのです。
台風の最中でしたが、時間を見つけて作品を楽しむことができました。