活動報告・レポート
2015年7月2日(木)
お見舞い
深さ

「深さがない人物は直接的には思慮が浅い人物であり、実行力に欠ける人物です。人物の深さとは言葉に表れます」と伝えてくれました。

言葉で表現するためには実行力が必要となりますから、人物の深さとは実行力のある人のことを言います。実行力を身に付けて言葉に深さが表れるようにしたいものです。

経験者から伝えてもらう言葉にはこの「深さ」があります。深みのある言葉は心に響くものがあります。

お見舞い

「どうしても母に会ってあげて欲しい。片桐さんに会いたがっていますし、話したいことがあるみたいです」と話を聞いたので、入院している病院を訪問しました。付き添いしていたHさんが「少し遅かった」と言うので様子を聞いたところ、「今朝から調子が良くなくて緊急の検査を行っています」という返事でした。

昨夜までは元気で「明日は片桐さんが来てくれる」とHさんの母親が楽しみに話していたことを聞かせてもらいました。Hさんも安心して自宅に帰って、今朝、病室に入ったところ、ベッドの上で意識なく倒れていたのです。恐らく、急に苦しくなったことから看護士さんを呼ぶブザーを押す間もなかったと思います。

慌てて看護士さんを呼び出して、緊急検査をしてもらっているところに僕が病室を訪れたことになります。「しまった。あと少し早ければ」と思いましたが、「きっと大丈夫」と心で思いながら、検査を終えるまで病室で待っていました。戻ってきたHさんのお母さんは「ぜーぜー」と呼吸が荒くて、状態が良くないと思いました。

訪問した時は、いつもあれだけ元気に話してくれたHさんのお母さんが、苦しそうにしている姿を見ていることができませんでした。

「一体、僕に何を伝えたかったのだろう」と思いましたが、その答えは見つかりませんでした。Hさんも「分からない」という話でした。苦しそうでとても話ができる状態ではなかったので、今日、会話をすることができませんでした。

そして明日も話が出来るか分からないと思いました。

今年95歳のHさんのお母さんは、平成26年に絵画やビーズなどの個展を開催して、「始めるのに遅すぎることはない」と私達に勇気を与えてくれました。第一回目の個展が盛況だったことから、二回目の開催に向けて作品作りに励んでいました。第二回目の個展の月日が決定していることから、出展する作品が決り、後は当日を迎えるだけのところまで来ていました。ところが今日の状態からすると個展開催は厳しいと思いました。

あれだけ来場してくれる人との会話を楽しみにしていたHさんのお母さんですから、何とか開催して欲しいと願っていますが、結果は神様が知るのみです。

7月後半にHさんのお母さんの個展開催予定なので、何としても実現して欲しいと思います。

Hさんのお母さんが話してくれたことを思い出しています。

「片桐さんの目は優しい目をしているので人に親切に出来る人です。大好きです」。

「政治のよう汚れた世界に片桐さんがいることは大変なことだと思います。本当なら別の道が向いていると思います。汚れないように見守っていますから」。

「(平成27年4月の統一地方選挙に際して)片桐さんが危ないと噂を聞いています。そんなことがあってはならないと母は涙を流しながら、みんなに電話をしていました」。(Hさんが話してくれたことです)

「自宅にヘルパーに来てくれている男の子は、歌が上手なので応援してあげて欲しい。CDも出したから応援している私は買いました」。その歌が上手な人とは、和歌山市出身の歌手である藪下正人さんでした。

「個展の開催を手伝ってくれてありがとう。思い残すことはありません。本当にお世話になりました」と言って、チョコレートをくれたこと。

これまでも95歳のHさんのお母さんから勇気を与えてもらってきました。自分の命の残り時間を知っているように思いますが、是非とも、伝えたかったことを聞かせて下さいと思っています。Hさんのお母さんをお見舞いしながらたくさんのことを思いました。

  • 命は限られた時間の中に存在していること。
  • 限られた命ですから、やがて終わりの時が訪れること。
  • 限られた命ですから、伝えたいことは言える時に伝えたい相手に伝えること。
  • 言いたいことを言わなければ後悔すること。
  • 言葉にして伝えることで相手が幸せになれること。
  • 思いは言葉にして伝えなければ相手に届かないこと。

命が存在している時にやるべき大切なことは思いを伝えることだと思います。私達は時間の中で生きているのですから、先延ばししている猶予はありません。苦しさの中で生きている姿で以って、大切なことを伝えてくれました。

最後に、平凡な願いである「家に帰りたい」という言葉を実現させてあげたいと心から思っています。