大手の企業であっても、技術を継承していくことは簡単なことではないことを教えてくれました。それは会社そのものが技術を有しているのではなくて、人が技術を有しているからです。しかも技術力は経験をしなければ身に付くものではない上に、どんな経験をするかによっても違ってきます。その経験をした先輩の技術者がいて、その指導を直接受けられること。会社に資金力があり技術を継承するための現場を持っていること。技術を保つために必要な現場経験をする機会が与えられること。これらの要素があって技術は人から人へ継承することが可能となり、それが会社の技術力として保たれることになります。
会社だけでも駄目、技術者がいるだけでも駄目なのです。会社組織と資金力、現場があること、そして経験のある技術者と若い技術者が存在していることが、技術を継承するための必須条件となります。
こんな事例があります。外国が自国の発展のために欲しがっている日本の技術があります。しかし、その会社がその技術を活かしてプラントを作り上げたのが約30年前のことでした。設計図面などの書類や、現在、稼動しているプラントを有しているのですが、新規に建設するための技術力は未知数だと話してくれました。何しろ若い技術者が在籍しているもののプラントを組み立てた経験がないからです。
前回にプラントを作り上げた技術者の中で若手だった技術者でも、現在、50歳代後半になっています。20歳代でその建設に携わった若い技術者が、現在は50歳代後半になっているのです。つまり技術者が存在するギリギリの時期が今となっていることから、今の時期に新規にプラント建設をしなければ、その技術は途絶えてしまう可能性があります。設計図面や特許を有していても、実際に経験した技術者の存在がなければ、その技術は用を成しません。技術者が先輩から、そして現場から技術を継承することが絶対に必要なのです。
この会社では約30年ぶりに新規にプラントを建設する判断を下しました。前述したように、この時期が前回のプラント建設に関った技術者が在籍している最終段階になっていることから、組織として次代につなげるための技術を継承するギリギリの局面になっているのです。技術の継承をしていることで、その技術を必要としている外国などに売り込むことが可能となります。書類はあるけれど経験した技術者がいなければ、会社としてその技術を売ることはできません。本当の技術力がなければ責任を取れないからです。
伊勢神宮の遷宮の考え方と同じで、技術を継承するためには、無駄と思っていてもその技術を活かせる仕事を作り出す必要があるのです。その周期は30年では技術を残すためにギリギリのタイミングとなるので20年位が適切だと思います。伊勢神宮の遷宮が20年周期ですから、過去の経験から技術の継承のために適切な時期が分かっているのです。
技術継承の難しさと資金力の必要性を理解することができました。
一般質問を予定している部署と質疑に関しての打ち合わせを行いました。一般質問の日が木曜日に迫ってきていることから、質疑内容についても議論を重ねながら煮詰めています。それぞれの一般質問に対する和歌山県の答弁が、それぞれの関係者に納得してもらえると共に、和歌山県の考え方や取り組みを誇りに思ってもらえるような答弁を期待しています。
次期ゾーンチェアパーソン(以下ZC)予定者の予備会議があり出席しました。これはライオンズクラブ335B地区のZCが集まり、事前に新年度の方針やリーダーとしての心構えなどを案内してくれる会議です。次期の地区ガバナーから心構えを示してくれました。
- これから進む自分の前に道はないので、前途に開ける道を自分で想像して作り出すことをして下さい。批判や足の引っ張りは世の常ですから、気にしないでリーダーの道を進んで下さい。リーダーとしての毎日が前進の日となります。
- 多忙の中においてこそ能力を活かせる時間を見つけることができ、やりがいのある人生が開けてきます。
- 熱意を持って検討した結果、決心すれば、やってみることです。実行に移すことが大切なことで、動くことで解決策は見つかります。
- 人生は夢舞台ですから、現実は厳しいと思わないで夢と希望のある人生が幸せであると自分に言い聞かせて下さい。
- 生涯のライオンズ歴で最高の一年になるようにして下さい。
ガバナーからは以上のような教訓をいただきました。
僕からの抱負は、会員の増強を図ること。津波想定地域の学校にライフジャケットを配布するアクティビティを実行すること。紀の国わかやま国体にボランティアで参加してクラブとして社会貢献を行うこと。そして和歌山市と連携して私達ができる地域の課題に協調して取り組むこと。
以上4点を、今の段階では個人レベルの抱負として話をいたしました。