一般社団法人ペットフード協会の越村義雄名誉会長と懇談する機会がありました。人口減少と少子高齢化の時代において小動物との関係は生活面においても、健康寿命に関しても重要になっていると話してくれました。
平均寿命と健康寿命の差を縮めることがわが国の課題ですが、経済産業省の報告書にペット飼育が人間のセルフメディケーションに有効であると記載されているようです。平成26年にインテージ社がペットとの共生による健康寿命の延伸について調査したデータを示してくれました。その調査結果でペットとの共生で健康寿命が延びているという報告がされています。男性は0.44歳、女性は2.79歳も健康寿命が延伸しているのです。そのためペットフード協会では「人とペットの健康づくりマーケット研究会」を立ち上げて研究を行っているそうです。
日本の男性の平均寿命は80歳、女性は86歳ですが、健康寿命は男性が71歳、女性が74歳で大きな差があります。この差を縮めることができれば、介護に頼らないで自分のことは自分でできるので豊かな高齢時代を過ごせることになります。またわが国の医療費は約40兆円であり、毎年1兆円ずつ増加しています。高齢社会が医療費を押し上げていることから、この視点からも健康寿命を延ばす取り組みが重要だと考えます。
そしてペットと暮らす効用は次のよう調査結果が報告されています。
子どもの場合は、心豊かに育っていること。生命の大切さをより理解するようになっている。家族とのコミュニケーションが豊かになっている。他人を思いやるようになっている、などです。
高齢者の場合は、情緒が安定するようになった。運動量が増えた。寂しがることが少なくなった。ストレスを抱えないようになった。規則正しい生活をするようになった、などです。
自分自身に関しては、生活に潤いや安らぎを実感できるようになった。孤独感を感じなくなった。健康的になった。ハリのある生活が送れるようになった。ストレスを抱えなくなった、などの効果があると答えています。
このように子どもも高齢者もペットを飼育している人にとってペットと暮らすことによる効用があると答えているように、これからの社会はペットと共生できる住環境や旅行などの移動時の環境を整えることも考えるべきことのようです。
越村さんは、ペットと暮らすことで生活の質を高めることができると考えて提言をしてくれました。ペット産業は医療費の削減効果がある健康産業であると考えています。またペットと暮らすことで他人にも優しくできる人が増えることになれば、人に優しい社会を築くことにつながるものであり、幸せ創造産業であると語ってくれました。人とペットが共生できる社会を築くことが、誰にとっても幸せな社会を実現させることになることを信じた活動をしています。
地方創生の取り組みとしてペットと共生できる生活環境を創造することに関心を示す県もあり、越村さんのところに検討の依頼がきています。和歌山県紀伊半島大水害の時、全ての被災犬の命を救ったことから命を大切にする県として名前をあげていますから、ペットとの共生を提言できる県だと考えています。地方創生の取り組みとしてペットと共生する県として名乗りを上げる資格があると考えています。
人とペットが共生できる環境を整えることで、和歌山県が命を大切にする県であり、健康寿命を延伸させることに本気で取り組んでいる県であることを全国に発信できると思います。
和歌山県下における防災対策推進のための会議に出席しました。南海トラフ地震への備えとして子ども達の命を守ることに関して、私達ができることを話し合いました。今月中に具体的行動を起こすことを目指し、平成27年7月には知事と防災対策支援事業の協定を締結したいと考えています。