大勢の経営者と交流しているAさんと懇談する機会をいただきました。それぞれタイプがあり、会社によって仕事のやり方が違っていることが分かります。
トップダウンの経営者のいる会社では、経営者の強いリーダーシップによって会社を前に進めています。方針を示されデータ分析と戦略を作った部下が報告し、それを基に経営戦略を策定しています。ここで大切なことは経営者の考え方を理解し、文章表現できる人材が必要だということです。語っていることを膨らませて文字にする人がいるから新規調達も広報も営業もすることができます。まとめられた資料もなく話術だけで交渉相手を説得することはできません。
伸びる会社には戦略を文字でまとめられる能力のある人材が存在しています。
私の場合ですが、何かの相談や依頼の連絡があって、その人と会う時、90パーセント以上の人は資料を用意していません。口頭で事情を説明して「よろしくお願いします」という依頼になるのですが、人を説得するためには大抵の場合、事情が理解できる文面と依頼内容が分かる文面が必要となります。そのペーパーがないことが大多数なので困ることがあります。依頼内容が公的機関に関係する場合、口頭の説明だけで動いてくれることは少ないからです。
文章にすることで課題が整理できる上、明確になり、相手に伝えることが容易になります。相談を受けた側からすると、聞いた内容を理解して、担当する部署に伝えて、それを理解して動いてもらう必要があります。そのため口頭で聞いた内容を分かり易く書面化する場合がありますが、結構それに時間を要してしまうのです。
できるなら要点と求めている結果を文章化して相談に来てくれると有り難いのですが、そんな人は極めて少数派です。そこで仕事に正確さを期するため、申請書類や文書のコピーを依頼することがありますが、写しを取っていない場合が多く、当該書類を提出した日時、相手も分からない案件があります。
依頼者は自分が困って相談しているのですから、相手が理解し動いてもらい易いようにしてから相談に伺うべきだと思います。
誰かに依頼するのは会社で仕事をすることや役所に申請することと同じです。書類がなければ受付もしてくれませんし、専決権限の場合、権限者は意思決定をしてくれません。先進国や役所、上場企業などは文書主義ですから、口頭だけで仕事が前に向いて進むことは稀だと思います。
また毎週ミーティングを行い、部下から意見を聞いて事業計画を決めている経営者もいます。計画策定から関ることで経営者の考え方が分かり、自分も意思決定に参画したという意識が醸成されるので、チームワークの良い社風となっているようです。
また数字を求める経営者は数字を基にして経済動向による会社の将来を見通しているようです。勿論、データに自らの経験と知識を加えて経営方針を導くので、数字が万能だと考えている訳ではりません。
タイプが違う経営者がいて社会が発展しているので、経営に正解がないことが分かります。経営学から基本を学べますが、実社会では実践によって得た経験と知識が必要となります。失敗、つまり挑戦を恐れないことが将来につながっていくのです。
経営者による会社経営の違いを知ることは楽しい出来事でした。
- ホテル、旅館などの防火対策について聞かせてもらいました。川崎市で発生した簡易宿泊所の火災を教訓とした対応について現状を確認しています。
- 地熱発電所の可能性に関して調査を続けています。大分県の地熱発電所を視察した結果を受けて、条件や適地性などを調べています。