研修会の二日目を迎えました。本日は鳥取県に入り鳥取砂丘にある砂の美術館を訪ねる行程です。この美術館は毎年世界の国をテーマにした砂の作品を作り展示しています。今年はドイツをテーマにした作品が館内に展示されていました。最初は砂と水で作った作品だと聞いていたのでそれほど期待していなかったのですが、見事に当初の期待は良い意味で裏切られました。美術館に入った瞬間、その作品の素晴らしさに立ち止まりました。砂を水で固めたものとは思えない芸術作品です。
グリム兄弟、ルターと宗教改革、ドイツのお城、宮廷風景、ベルリンの壁の崩壊、アインシュタインなど、砂で作ったとは到底思えない作品が並べられていました。細かいところまで表現していると共に作品のスケールは大きく、これを一年で壊してしまうのはもったいないと思います。まるでドイツの歴史を旅する空間に舞い込んだような感覚を持ってしまいます。
鳥取砂丘はわが国最大の砂丘として知られているように、これだけでも観光地なのですが、そこに芸術性とテーマ性を付加した観光地としてお客さんを集めています。この観光地として生き残るための方法は参考にすべきだと思います。過去に囚われないで先進性を有すること、そして鳥取砂丘の砂で世界を表現するという大胆さ。鳥取砂丘という観光資源に加えて話題性とリピーターを産み出すしくみを有しています。
例えば和歌山城は文化性を帯びているため城内を改良することはできませんから比較は難しいのですが、和歌山城は以前から何も変わっていません。江戸時代の歴史という普遍性を有していることから平成の時代に新たなものを付加することはできませんが、変わるものがなければリピート性は生まれません。いつ行っても同じだと思ってしまうと、その「いつ」は「いつ」になるか分からないのです。また一度観光に来てもらうと、再び来てもらうことは難しくなります。
展示物を変えるだとか、変化を生み出す仕掛けをしなければ、観光客がリピーターになってくれないのです。日本人の観光客が落ちているのはそこに要因があると考えます。
鳥取砂丘もそこだけでなら、リピート性に欠けると思いますが、砂の美術館があることで、次の作品はどんなものだろうとか想像させることで、再び訪れる人を生み出しているように思います。しかも砂の作品のレベルは高く、次の世界への期待感があります。今日見たドイツの作品には満足していますし、来年、どんな世界が創造されるのかという期待が膨らみます。毎年、変わるものがあるから来て見たいと思わせること。これが観光資源として必要なことなのです。
今日の視察は鳥取砂丘だと聞いていたので期待感は少なかったのですが、砂の美術館を視察して、この施設が観光資源として優れていることを体感しました。山陰地方はもとより、関西からも観光客を呼び寄せることができる観光資源だと思います。
今回の視察研修会は高齢者福祉、障がい者福祉、観光行政で学びがありました。自治会役員の皆さんと共に同じ認識を持てたことで、地域内の観光資源を活かす方法や地域内の福祉の取り組みに関して協調できるものと考えています。行動を共にすること、現地を訪ねることの大切さを学ばせてもらいました。そして皆さんとの交流機会になったことを深く感謝しています。
京奈和自動車道の紀の川インターチェンジから岩出インターチェンジの間、和歌山岬道路の大谷ランプから平井ランプの間の道路が、紀の国わかやま国体開会までに供用開始されることが決定しました。これらの道路の供用時期が平成28年度になったことから、せめて完成区間から供用を開始して欲しいと要望を続けていただけに、この決定は和歌山県にとって喜ばしいことです。
京奈和自動車道は京都市から和歌山市までの約120kmの高規格道路ですが、今回の紀の川インターチェンジから岩出インターチェンジまでの5.7kmが平成27年9月に開通することになりました。
また和歌山岬道路は阪南市から和歌山市に至る約20.6kmの地域高規格道路であり、国道26号線の渋滞緩和を図ることを目的とした道路です。今回は大谷ランプから平井ランプの間、約1.8kmが平成27年9月に開通することに決定しました。