活動報告・レポート
2015年5月10日(日)
宮地区連合自治会研修会初日
しあわせの村

宮地区連合自治会研修会に参加しました。この研修会は単位自治会の三役が参加対象となっているもので、今回も参加させていただき皆さんと交流させていただきました。

この研修会は自治会の三役の研修機会のため目的を持って開催しているもので、初日の今日は神戸市にある「しあわせの村」と山陰海岸ジオパークの二箇所を視察しました。

「しあわせの村」は公益財団法人こうべ市民福祉振興協会が運営している施設で、神戸市民の福祉をまもる条例に基づき建設された施設です。高齢者と障がい者の自立と社会参加と社会復帰を支援することと、神戸市民の交流と理解を深め共に生きる社会の実現を目指して整備された福祉ゾーンになっています。

驚くことに、この施設の構想が検討されたのが昭和46年ですから、まだ高齢者福祉や障がい者福祉に関して理解が浅く、施設の建設もされていない時代でした。今から44年も前にこの構想を掲げ建設に着手できたのは、当時の神戸市長の先進性によるものだと聞かせてもらいました。神戸市職員から課長、助役となり最終的に市長になった方が、日本はいずれ高齢者の時代が訪れることを予測し、ヨーロッパ型の福祉社会を目指すことを理想に掲げ、この施設の基本構想を検討したのが始まりです。

平成の時代を生きている私達とにとって、この計画は実に先進性のあるもので優れた市長であったことが分かります。市長の構想に基づいて昭和55年に神戸市民の福祉をまもる条例が制定され、昭和56年に着工、そして平成元年にこの「しあわせの村」が開村されています。実に18年もの年月を掛けてこの福祉施設を作り上げたのですから、神戸市の取り組みに敬服するばかりです。

総事業費は約400億円、維持費として年間約25億円で、神戸市は年間約11億円を一般財源から支出しています。

しかも平成元年にこの施設をオープンさせてから設備の充実を図っていて、現在の姿になっています。本日も神戸市民の皆さんが「しあわせの村」の生活を楽しんでいる姿が印象に残りました。

当初はリハビリテーション病院、運動広場、テニスコート、アーチェリー場などでしたが、その後、温泉健康センター、グラウンドゴルフ場、馬事公苑、テントキャンプ場、トリム園地などを充実させています。勿論、デイサービスや高齢者施設などの開設は言うまでもないことです。

運営は公益財団法人こうべ市民福祉振興協会ですが、ここでは神戸市職員の退職者の皆さんが神戸市民の福祉のお役に立つことを願ってボランティアで見学者の案内などに参加しています。4月からボランティアを始めている新人の方からは「市の仕事を通じて学んだことを活かせますし、訪れてくれる皆さんのお役に立てることを嬉しく思います」と話してくれました。

この施設の視察をした自治会の皆さんからは「和歌山県にもこんな施設を作って下さい」、「半分以下のスケールで良いので設置して欲しいと思います」などの意見をいただきました。関西の中で高齢社会の最先端を走っているのが和歌山県ですから、高齢者福祉、障がい者福祉施策の中で、この和歌山県民の福祉をまもる精神を活かした取り組みができないものか考えてみたいところです。

続いて山陰海岸ジオパークの中で香美町を訪れ、猿尾滝を視察しました。日本の滝100選に選ばれた滝であり、兵庫県から名勝指定を受けている観光資源です。この滝の落差は60メートルで、滝の中にある岩が観音様や仏様などの姿に見えることからご利益があると噂になり、多くの人がここを訪れています。

この滝も山陰海岸ジオパークエリアにあり、地形的にも貴重な地質遺産になっている場所です。