俳優の榎木孝明さんが和歌山城に来てくれました。日本文化と歴史を次世代に継承し、世界に発信する取り組みを聞かせてもらいました。時代劇は日本文化を伝えてくれる存在でしたが、現在はNHKを除いて民放で放送されなくなっています。ドラマ水戸黄門の撮影が終了してからは時代劇の存在は無くなりつつあり、このままでは時代劇の技術の継承とその精神が失われつつあることを懸念しています。技術もそうですがその精神も一度途絶えると復活させることは難しくなります。時代劇の撮影は単に衣服や髷を結って撮影するだけではなくて、武士道という精神が込められたものです。スタッフは武士道の精神を抱き撮影していたことを知りました。
時代劇を失うことは日本人としての精神が失われることになります。榎木さんはこの精神を次世代に受け継ぐために時代劇を通じて日本文化の継承を訴えています。
和歌山市は歴史と文化に彩られたまちです。榎木さんは、時代劇の時代に培われた日本人の精神を継承し日本文化を世界に発信しようとしています。その取り組みを支援したいと考えています。
ところで榎木さんは雑賀衆の生きた時代を現代に伝えている和歌山市を評価してくれています。今年開催される孫市まつりの応援をしてくれています。今日は孫市まつりの皆さんの応援に駆け付けてくれました。雑賀孫市が織田信長との戦いに向かう時の覚悟を台詞で伝えてくれました。
「戦は数ではない、魂だ。織田信長軍を倒すのだ」と続く台詞を高らかに読み上げてくれました。力強くて魂のこもった言葉が榎木さんから発せられました。「台詞は大切な言葉があります。この場合魂という単語が鍵になります。単に『魂だ』と強く言うのではなくて、織田軍に勝つという強い気持ちを魂に込めた台詞にすると、言葉に力強さが宿る」と話してくれました。
榎木さんの台詞に続いて私もおなじ台詞を読み上げました。魂をこめて天高くまで雑賀衆の心意気が届くように台詞を読み上げました。「声を出すことで元気が宿りますし、元気になります」と話してくれましたが、一日の始まりに大きな声を出すことは気持の良いものです。魂の入った台詞を大声で話すことで元気な一日が始まります。議会前の時間の使い方としては最高の朝になりました。
また立ち方についても指導してもらいました。立ち方をしっかりさせなければ姿勢がぐらつき少しの力が加わるだけでよろめくことになります。まずかかとを上げてしっかりと着地し、少し肩を上げてストンと落とす。丹田に力を込めて少しお腹を前に出す。そしてお尻を少し後ろにつきだすような立ち方をすれば立つ姿勢が安定します。この姿勢で台詞を話すと言葉が通るそうです。
そして何よりも大切なものは氣です。西洋はパワーで相手を圧倒しようとしてきました。対して日本人は氣の力で相手を倒すことを磨いてきました。榎木さんは古武道を取得していますから氣の力で相手を飛ばすこともできるそうです。榎木さんの前に立ち身体に氣を入れてもらうと身体が安定しました。不思議なことに氣を抜かれると身体の中心が失われるような感覚に陥り身体がぐらつきました。不思議な感覚ですが、それが氣の力だと教えてくれました。人間は氣の力を操ることで相手に勝つことができるのです。ここで言う勝つは倒すことではなく精神を自由に操ることを意味にしています。演説では自分の思いを相手に伝えることが必要ですが、伝えるためには氣が必要です。氣の入った演説は相手に届きますが、氣のない演説は聞く人の心に響きません。
「武士は氣を操れたと思います」と話してくれたように、武士の戦いは刀で切り合うだけではなくて、そこには氣の力が込められていた筈だと話してくれました。相手を氣で圧倒することで戦いに勝つ。それが武士道の精神だったような気がします。日本人が持っている気の力は争わずして安定させる力があると思います。パワーではなく氣の力で秩序を安定させることができるのは日本人だけだと思います。パワーよりも氣が安定させる力としては勝っていると思います。世界の平和は氣力を持っている日本人が先頭に立つべきですから、本来、日本人が持っている精神を継承したいと思います。和歌山市にはその精神が宿っていると思います。
榎木さんから「演説をする場合は氣を込めて話して下さい。訴える力が違いますから」と指導してもらいました。
本日はスポーツ振興議員連盟の会合が行われました。紀の国わかやま国体に向けた取り組みについて議論を交わしました。紀の国わかやま国体では約70万人の方が、紀の国わかやま大会では約9万人の皆さんが和歌山県を訪れてくれます。合計して約79万人の方が和歌山県に来てくれることになりますから、国体と大会を通じて和歌山県の活性化につなげることが県政として大事なことになります。観光振興を通じた経済対策にもなりますから、おもてなしの精神を持って選手、応援団の皆さんを迎えたいものです。
また議会では和歌山市山口地域の産業廃棄物処分場の問題が議論されました。もし和歌山市から和歌山県に対して林地開発許可申請が提出された場合、和歌山県事務取扱要綱に基づいて関係者の同意書の提出を求めることになります。関係者とは自治会、土地改良区、水利組合などを指し、これら関係者の同意書の添付がなければ受け付けないことになっています。和歌山市と事業者との話し合いの最新の状況は把握していませんが、和歌山県としては要綱に基づいた対応をすることになります。
和歌山県スポーツ功労者表彰を受けた坂口先生のお祝いの会に参加しました。坂口先生はソフトテニスの振興が評価されての受賞となりました。親しい仲間でのささやかなお祝いの会は時間を忘れるほど盛り上がりました。大切な時間を皆さんとご一緒できたことに感謝しています。