午後2時過ぎからミニ集会を開催してもらいました。集会を開催してくれたのはMさん夫婦で、Mさんの自宅に集まってくれたのは17人の皆さんです。直近1年間の県議会活動について説明させてもらいました。
まず二期目県議会議員として本会議で12回の一般質問を行っています。項目は福祉、教育、まちづくり、防災対策などを取り上げていますが、皆さんから聞かせてもらっている意見から質問を考えていますが、和歌山県の課題は尽きることはありません。本会議で取り上げる項目は、今日のような集会の機会に皆さんから聞かせてもらった意見や質問の中から取り上げています。つまり議会活動の基本は直接対話にあると思っています。
県政の課題とは地域の課題であり、私達が思っていることを表現していくことにあります。一例として平成26年12月議会では空家対策を取り上げて当局と議論を交わしました。この過程を説明すると議員の仕事が見えてくると思います。昨年の夏頃までは空家に関してあまり問題視していませんでした。しかし各地域を訪問して意見交換をしたのですが、質問の中に空家対策を考えて欲しいという意見を出されることが多くありました。どの地域においても空家が問題になっていることが分かり、調査を開始しました。
和歌山県の空家率は約18パーセントで、実に6軒に1軒が空家であるという事実が分かり、この数字は全国でも上位にあり、しかも団塊の世代が後期高齢者を迎える頃には40パーセントになると予想されていることも分かりました。これは地域の固有の問題ではなく和歌山県全体の問題であることから本会議で取り上げることにしました。
空家が問題なのは、防犯上の問題、そして雑草などが茂ることによる虫の発生などの環境の悪化などの問題が生じることにあります。空家を放置しておくことで犯罪につながることや放火の危険性も生じますから、地域の安全確保のためにも空家対策に取り組むべきだと考えました。
議会で取り上げることで和歌山県全体の課題として認識ができましたし、県行政として取り組むべき課題であると認識してもらいました。空家対策の根本は地域の皆さんから聞かせてもらった意見にあります。県行政も、県議会は遠い存在のように感じると思いますが、地域の課題を解決していくために存在してしますから、皆さんが思っている地域の課題を聞かせてもらうことから議員の仕事は始まります。
もうひとつ県議会の仕事としてわかりやすい事例を紹介します。介護保険報酬のことです。平成26年の夏頃に財務省が、介護事業者に対する介護保険報酬の見直しが示されました。8パーセントの報酬を6パーセントカットし、2パーセントにまで引き下げるという内容です。介護保険報酬の引き下げは介護事業者の経費削減を求めることになりますから、即ち、介護職員さんの給与カットへとつながる恐れが生じるものです。和歌山県は高齢社会に突入していますから、介護施設は重要な位置づけとなっており、事業者の健全経営と将来に向けた設備の充実が求められるところです。それを支援しているところに介護保険報酬の引き下げが示されたことから県議会として対応してきました。
併せて介護職場は3Kと呼ばれています。これはきつい、汚い、危険ではなくて、きつい、希望が持てない、結婚できない、を指して3Kと呼ばれています。人件費の引き下げは、この3Kに更に拍車をかけるものですから看過することはできない問題だと認識しました。
そのため介護保険報酬率を引き下げることは和歌山県として好ましいものではないと判断し対応してきました。平成26年12月議会おいて国に対する意見書を議会で採択し、国に対して反対の意思表示を示しました。
和歌山県の力ではありませんが、結果として介護保険報酬の引き下げ率を約2パーセントまで圧縮できることになりました。元の水準を維持することはできませんでしたが、少しでも事業者の経営を安定される程度に戻せたと考えています。皆さんの意見を聞かせてもらい議会で取り上げ、対応できた事例を紹介しました。県議会は遠い所の存在ではなくて身近なところにあるものだと認識してもらえると幸いです。
夕方からは平成2年頃、一緒に働いた皆さんとの懇親会に参加しました。一緒にいた頃から約25年も経過しているのですが、そんな思いはしませんでした。不思議なことに、昨日まで一緒に仕事をしていたように感じるほど身近に感じました。当時の上司が昨年に定年を迎えたことからみんなで集まったのですが、25年の時間を感じることができました。
当時発刊していた広報誌も見せてもらい、懐かしい顔の登場に会話が弾みました。当時は何も思わなかったのですが、時を経て広報誌を見ると当時の空気が封印された状態になっていることが分かります。文字と写真は時を越えて存在している、そう感じました。
楽しい一時に感謝しています。