現在87歳で日頃からお世話になっているHさんを訪ねました。訪問したところ元気な笑顔で迎えてくれました。部屋に案内してくれたので懇談していると、壁に張り紙があることに気付きました。62歳から82歳まで、人生の後半戦の歩みを書いて張り出していたのです。「私の老後人生の歩み」と題して、その目的を「社会奉仕ボランティア活動である」と明確にしています。現役時代を過ごした後の人生を社会貢献活動に費やしたのです。その結果社会保険庁長官賞を授与されるなど、この20年間に結果を残しています。高齢者が社会で楽しく暮らしていけることを念頭に、年金受給者を対象に組織を結成することや、楽しいイベントを開催しています。私もそのイベントであるゲートゴルフに参加させてもらったことがありますが、活き活きとした高齢者の笑顔が印象に残っています。人と接す機会があること、地域社会に存在する場所があること、参加することや結果を出すことで認められること、練習をして向上できることなどが生き甲斐となります。
人生の後半戦はこれらのことを失いがちですが、Hさんはしっかりと目的意識を持った生活ができるようなしくみを作り、周囲の年金受給者の皆さんを支えてきたのです。そんなHさんも87歳となり自分で企画作りや動き回ることができなくなりました。人生の後半戦を終えて、今は延長戦へと舞台を移しています。延長戦は自分のリズムでゆったりとした暮らしをしているように思います。
スポーツで言うと前半戦と後半戦は勝負に拘りますが、延長戦はプレッシャーを感じますが、それよりも楽しむことが大切です。Hさんは楽しみながら延長戦を生きられる人生、そんな生き方を選択しているように思います。
張り紙を眺めながら、人生は自分が演じようと思った通りに舞台が用意されているから楽しいものだと思いました。そして演じ切ることが人生なんだとも思います。舞台の用意はたった一度だけ、やり直しは利かないのです。覚悟を決めて選択した人生を生きる以外にないのです。
人生を楽しむことができない人は、「これは自分のやりたい仕事ではない」、「自分に相応しいもっと良い場所があるはずだ」、「自分はこんなところにいる人間ではない」など不満を言っている人です。自分のやりたい仕事、相応しい場所は自分がいるここだということを認めないでいる人は、何も達成できない悲しい人です。どんな仕事でも外から見ているのと実際やってみるのとでは全く違います。
思い描いた理想は自分が思っているだけのものなので現実に求めるものではないかも知りません。今を充実して生きている人は理想を求めても大丈夫ですが、現実に不満を持っている人が理想を求めても、また同じ自分の能力が発揮できない厳しい現実が待っているだけです。
Hさんと人生の後半戦の話をしていると、瞬く間に時間が経過していきました。こんな時間が人生を充実させてくれると感じました。
20歳代の青年が和歌山市を訪ねてくれました。和歌山県内の町役場に勤務している彼は、町をどう輝くものにするか、現実と理想の間を葛藤中です。元々、縁がなく知らなかった町に就職したのは、紀伊半島大水害がきっかけとなっています。紀伊半島を襲った大雨の影響で和歌山県の南の地域は大きな被害を受けました。復旧から復興へと和歌山県として取り組みを行っていますが、初期段階においては多くのボランティアの人に支えられていました。私もボランティアに参加した一人ですが、家屋に侵入した水を含んだ土砂を取り除くというとても厳しい作業でした。
彼は当時、現地入りし、そこで住み込みながらボランティア活動を続けていたのです。そこで現地の人と親しくなり、またその地が好きになり、そして被害を受けたこの町の将来に関りたいと思い、その町役場の職員採用試験を受験したのです。その地に縁がありませんでしたが、町内に住むという条件を飲み込んで見事合格したのです。
紀伊半島大水害が彼の人生を決定したのです。役所で仕事をしてみると答えのない問題が山積していることに気付きます。高齢社会、過疎化、子どもが少ない、病院の診療科目が少ない、町の長期展望がないなどの課題がここにありますが、対応が遅いので展望が見えてこないことに焦りを感じています。若い職員さんが解決できる課題ではなく、町全体で考えるべきテーマばかりですが、話を聴くと実行する体制になっていないように感じました。
所謂、「まあ、後で考えたら良いのでは」、「長期計画なんているかなぁ」、「町長の言うとおりしていたら良いから」などの声があり、若い職員さんは「この町はこれでいいのか」と考えています。大半の職員さんは地元出身で、外の地域からこの町役場に勤務しているのは少数派です。外からの視点が町にとって大切なのですが、中々受け入れてもらえない現状があるのはどの世界でも同じですが、何とか切り開いてもらいたいと思うばかりです。
課題解決に向けてできることは協力するつもりですが、まずは地元から声をあげてもらわなければなりません。声がないということは地元が望んでいないことと看做されますし、地元から声が上がっていないことを地元選出ではない議員が県議会で取り上げることは難しいことだからです。
今日のように話をするために和歌山市まで来てくれた若い職員さんの行動力と情熱は素晴らしいものであり、彼の思いを支えることが彼の将来のためにも、思いを貫いてもらうためにも大切なことだと認識しています。彼が町役場の中心的な立場になるまでは10年近くの時を必要としていますから長い取り組みになりますが、彼が中心人物になっているなら、この町は今よりも変わっていると思います。
疑問を持つこと、考えること、話をしてみることが、後の行動することにつながっていきます。過疎地の現状を聞かせてもらったことは現場の意見として大切な機会となりました。若い人が過疎地対策に関わってくれていることに感謝しながら、和歌山県の抱える大きな課題として考えてみます。
小学校時代からの友人が経営する会社の懇親会に参加させていただきました。総勢80名を超える方が集まった素晴らしい懇親会でした。友人のK社長から「同級生の片桐君が来てくれています。来春、みんなの支援をお願いします」と挨拶で触れてくれました。ありがたく感謝しています。続けて挨拶の時間をいただきました。
こんばんは。紹介していただいた片桐です。毎年、参加させてもらっているので顔馴染み人も増えてきました。歓迎してくれていることに感謝しています。紹介してもらったようにK社長とは幼馴染で、小学校と中学校の同級生です。長い付き合いをしてもらっていることから応援してもらっていることに感謝しています。
さて御社は毎年売り上げを伸ばし、本年は上半期で一年間の売上目標を達成したと聞いています。伸び行く企業として更に発展してくれることを願っています。和歌山市の企業が伸びてくれることは嬉しいことであり、地元企業が成長できる環境を整えるのも県政の役割だと認識しています。
和歌山県にとって平成27年は発展するために重要な一年となります。紀の国わかやま国体と紀の国わかやま大会の開催、高野山開創1200年の記念式典などがあり、また紀伊半島を走る高速道路は、すさみ町まで延伸する計画があり、更にその先の串本町まで延伸する計画もありますから、県土発展のスタートとなる年になります。御社が伸びる環境が更に整うことになってくれることを願っています。
今日の懇親会が楽しく有意義なものになることを期待して、挨拶とさせていただきます。ありがとうございます。
皆さんとの交流を深められた懇親会となりましたことに感謝しています。