活動報告・レポート
2014年11月6日(木)
研修会二日日

昨日に引き続いて福井県内での研修会のため昨夜は小浜市に宿泊しました。小浜市はかって連でオバマ大統領を応援している市ですが、丁度アメリカの中間選挙の結果が報道され、オバマ大統領への不信感が湧き出したような日となりました。ホテルのロビーにはオバマ大統領の等身大の写真が飾られていましたが、心なしか寂しそうに感じました。あれだけの人気を得て、期待のあったオバマ大統領ですが、大統領になったこの6年間で人気は凋落し、期待は薄れてきました。長い期間、人気と期待を保つことの難しさと、人の意識は変化するものだと痛感する出来事です。

社会的責任を背負っている人は、期待に応え続けなければ容赦なく批判に晒されます。責任ある立場の人にとって辛いことですが、責任を果すための権限も国民から信託されていますから、辛さと孤独に耐えることが資質として求められています。残りの任期は2年となりましたが、最後まで責任を果して欲しいと思っています。

今では誰も写真撮影をすることのないオバマ大統領の等身大の写真を見て、社会の移ろいや人気と期待を保つことの難しさを思いました。

原子力発電についても同じようなことだと思います。1970年の大阪で開催された万国博覧会で美浜原子力発電所から電気が送られました。21世紀に向かう希望の電気という位置づけだったと聞いています。人類は原子の火を手に入れたことで21世紀は20世紀を超える科学の時代になると期待していたようです。しかし3.11が起きてからの原子力発電に向けられる目は一層厳しくなりました。世界ではチェルノブイリやスリーマイルの発電所事故によって原子力の安全性の問題が議論されていますが、日本の原子力技術は世界一なので同じようなことが起きるとは思っていませんでした。ところが3.11からは原子力への不安へと社会の思いは変化しています。

平和利用とエネルギー問題からの開放への期待を持って迎えられた原子力発電ですが、今では稼動していない状況になっています。社会の思いはこのような形で社会に反映されている現実があります。

研修二日目

見学した原子力保修訓練センターでは、原子力発電所の運転員が過去の原子力発電の運転や点検作業におけるトラブルを学習し、同じ過ちを繰り返さない教育訓練を行っています。人は過去の過ちから学ぶことで、将来、同じことを繰り返さないようになります。さらに反復訓練をすることで、より安全レベルの高いオペレートを目指しているのがこのセンターです。

研修二日目

一緒に参加者した人からは「過ちを学ぶことで人は成長するものです。このセンターではその基本訓練をしているので運転に関しては安心できます」という意見を聞かせてもらいました。また「わが国のエネルギー事情を考えた場合、原子力がないと経済は持たないと思います」という意見も聞かせてもらいました。現地を見ることでこれまでと違う視点を身につけたからだと思います。勿論、一度の見学で考え方は変わらないと思いますが、考え方に幅を持たせることは、人が成長するうえで欠かせない条件だと考えます。凝り固まった考えや人の意見を聞かない人は成長することはありません。人は成長していくもので、そこに人としての値打ちがあります。昨日よりも今日の自分が優れているとしたら嬉しいことです。今日よりも明日の自分が成長しているとしたら、朝目覚めることが楽しくなります。エネルギー問題を考えるに際して、日本全体のこと将来のことを考えてそれぞれで判断をして欲しいと思います。そして人の意見は違って当たり前です。人を批判することは議論ではありません。考え方の違いを認め自分の考えを深めていくことが議論だと思います。エネルギー問題も批判ではなく議論して相手を認め、わが国の継続的な発展を目指したいものです。国の発展は私達の生活の豊かさへと続く道だからです。

二日間の研修をいただいたことに感謝しています。