活動報告・レポート
2014年11月4日(火)
円安
円安

日銀の政策の影響で急激に円安が進展しました。108円から114円まで、一気に5円も円安になったことで和歌山市内の中小企業は今朝から対応に追われました。お会いして話し合った中小企業の経営者は、「今朝から電話が鳴ってばかりでした。これだけ円安が進むと企業努力で対応できないことから材料費の値上げを検討して欲しい」という内容です。

 和歌山市内のこの業界の中小企業は、これまでもアベノミクスによる金融緩和の円安に対応してきました。価格をあげずに乗り切ってきた企業や材料費の価格上昇分を価格に乗せた企業もあります。この1年間で約20パーセントも材料費などが値上がりしていることから、商品も20パーセント値上げをした企業があると聞きました。その企業の業績を聞いたところ、これまでの年間の売り上げが約10億円だったものが、平成25年度は売り上げが6億円も減少し、売り上げ実績は4億円に落ち込んだそうです。光熱費と材料費の削減は限界なので人件費を削るなどして対応していると聞きました。雇用調整の局面に入り、更に今回の円安によって経営の厳しさが増すと考えています。

幸い、この経営者の会社の経営は順調で、円安に伴う材料費の上昇分をゆったりと価格に乗せています。1年間で約16パーセントは価格に乗せることができたのですが、この業界の材料費などの値上がりは約20パーセントなので、利益は4パーセント落ちています。そこに消費税上昇の3パーセントを加えると7パーセントも利益が飛んでいます。ここに消費税が2パーセント上昇すれば、約10パーセントも利益が失われることになります。この事態を今から警戒して対応しようとしています。

当然のことですが円安になると中小企業は厳しくなります。原材料を輸入している企業にとって行き過ぎた円安は利益を削り取ることになります。利益が減少した結果、雇用が失われるので失業者が増加していきます。失業者が増えると行政コストが上昇し、治安の悪化へと向かいます。円安は地方の治安悪化を招くことになるのです。

できれば円安で輸入コストが増えた分を価格に乗せたいのですが、発注側の大手企業は価格上昇を望んでいないのです。取引価格の改定を言うような中小企業は取引を見直しされる危険性があるのです。値上げをしないで材料を供給する企業があるからです。値上げしても利益拡大にはつながらないで、逆に売り上げが落ち込むので利益は薄くなる事態にあります。

円安政策の今、地方の中小企業が生き残るために、これまでの製品の製造を中止し、新しい製品に切り替えることが対策として考えられます。既存の製品の価格が1,900円だとすれば、新製品の価格を2,900円に変更するのです。市場がそれに切り替わることによって利益を確保できます。コスト削減が思うように進展しないのであれば、新製品の開発に取り組むことも戦略になります。

現在、わが国の中で中小企業に従事している割合は約65パーセントです。大企業に従事している割合は約15パーセント、パートやアルバイトの割合も約15パーセントですから、円安を進めることによって中小企業の従業員さんの給与は低下し消費は拡大しません。わが国で約65パーセントも占める中小企業の従業員さんがこれだけてることから、中小企業の所得が上昇しないことには消費は拡大しません。

「地方の中小企業にとってこの3年間の経営は厳しくなると予測しています」と話してくれたように、危機への対応を考えています。

知事決起集会
知事決起集会

仁坂和歌山県知事の決起集会に参加しました。県民文化会館で開催された決起集会は参加者が多く、それだけで活気があります。知事の三期目への挑戦をみんなで支援することになりました。

和山県は課題先進県です。これから全国で出現する課題は、既に和歌山県が先に経験しているものが多いのです。人口減少社会、少子高齢社会、医師不足、土地の価格の下落など和歌山県で出現している課題が、全国の府県の課題解決のためのモデルとなります。和歌山県がこれらの困難な課題を解決すれば全国で水平展開できる武器になります。

現職知事が再選されたら、これ以降、課題先進県を目指した取り組みがスタートされることになります。

県政では、当たり前のことが当たり前のように思える環境を作っています。何かしていると思われないで解決することや環境を整えることが優れた人物の裁量です。これらのような知事の意気込みを聞かせてもらいました。

その他
  • 南龍会の定期会合に関して話し合いました。平成26年度の会は開催しているので、次回に向けた取り組みを開始することにしています。
  • コスト削減のため全館空調を個別空調に変更を考えていると話を聞かせてもらいました。県有施設のため自分で内装の改造はできません。知恵と工夫で改善を図ることを目指しています。
  • 早いもので父がなくなってから三週間目を迎えました。友人の皆さんから預かったお供えを行い、感謝の気持ちを伝えました。