活動報告・レポート
2014年10月15日(水)
大連出張

和歌山県の産品の売り込みに中国大連に出掛けました。井本かつらぎ町長を団長に、橋本市経済部長、九度山町総括担当、JAの皆さん初め17名が和歌山県代表として和歌山県が誇る柿の売り込み活動に出掛けました。大連で開催される商談会に参加して中国の皆さんに和歌山の柿を大いに売り込みます。中国は検疫が厳しいため基本的に日本からの果実輸出はできません。輸出できるのは青森県のリンゴと鳥取県の梨だけとなっています。和歌山県の柿、ミカン、桃や梅などは輸出できないのです。

その壁を突破したいと以前から活動をしているのですが、輸出は未だに実現できていません。大連の商談会には過去、4回参加していますが、最近2年間は参加していませんでした。それは国家間で尖閣諸島の問題が発生したため参加を見合わせていたのです。ところが大連からの要請があり、和歌山県の果実を何としても中国市場に売り込みたいと願っていたので、団長を始めとする訪問団に私たち和歌山県議会議員4人も加わり、和歌山県として参加することにしました。今回の商談会で成果を持ち帰りたいと意気込んでいます。

ところで大連市の人口は669万人で日本人は6,039人住んでいます。進出している日系企業は1,851社もあり比較的馴染みの深い市となっています。和歌山県から進出している企業や飲食店もあり、和歌山県としても力を入れたい市のひとつになっています。

また日本語の人材も多数いて、日本語能力試験N1の受験者は上海に次いで中国で二番目の多さとなっています。また中国の中では大連市は比較的親日的でビジネスがやりやすい環境があります。

ただ最近の為替レートが円安になっていることから、日本企業の経済活動は厳しくなっているようです。その理由は、日本企業は日本への輸出は円建てなので、売り上げの20パーセントから30パーセントが減少しているようです。日本企業が経営上の課題として、従業員の賃金上昇、現地人材の能力と意識が低いこと、新規顧客の開拓が難しいこと、そして現地通貨の対円為替レートの変動が激しいことなどがあげられています。和歌山県から市場開拓をするに際して、気をつけたおきたい課題が並んでいます。また可処分所得は上海よりも4年程度遅れている感覚です。市内を回るとマンションや大型ショッピングセンター、そして外資系の飲食店などが増えていて、4年後の経済環境は上海と同様の水準になっている可能性を秘めているように感じました。

日本に滞在していて10年前に大連に帰国した中国人の方は、帰国した時の所得は1,400元程度だったのですが、現在は約5,000元に上昇していることを話してくれました。実に10年間で3倍も賃金が上昇しているのです。この経済成長が高級マンションの建設と完売につながり、市内は高級車が日本の道路よりも走っています。成長している市の活力を感じることができます。

また日本企業ではユニクロが目立っていますが、現地ではZARAブランドがユニクロよりも少しブランドイメージが高く若い人達が好んでいるようです。マクドナルドやスターバックスも好まれていて、若い人達の味覚は日本人とよく似た傾向にあると聞きました。

また日本の果実は品質が高く味も良いので中国人が欲しいと思ってくれていますが、輸出が制限されていることから市場で流通できていません。

本日は商談会場に出掛け、展示スペースの確認と準備を行いました。今回はアピールと共に実効性のある販売につなげることが目的です。大連の市場の志向や調査を行うことによって柿を輸出につなげたいと考えて参加しています。そして今回も参加するために和歌山県から柿を持ち込みましたが、事前に調整していたためスムーズに検疫を通り過ぎることができました。これまでの難しさを考えると、これは信じられないことです。

過去の商談会においても和歌山県の柿は中国人に好評だったことから、輸出できれば市場で受け入れられる可能性を感じています。