活動報告・レポート
2014年10月12日(日)
万葉薪能

今では和歌山市の秋の風物詩になっている万葉薪能の舞台が行われました。今年で16回目を迎えた万葉薪能は、和歌山市に近づいている台風19号を遅延させるほどの力を持ち、予定通り開演することかできました。午後、会場となる片男波公園屋外ステージに入り、会場設営のお手伝いをしました。芝生広場にシートを貼り、椅子を並べていきました。午後4時開場、午後4時20分開演でしたが、リハーサルが遅れたことから開場が20分程度遅れました。遅延理由は舞台を演じてくれる役者の皆さんが前日、宮崎県で公演があり、台風19号の影響で飛行機が飛ばなったことから、新幹線で和歌山市入りしてくれたためです。

万葉薪能

しかし開場準備をしながらリハーサルを見ることができました。リハーサルを見ることは本番を見るよりも楽しいことがあります。出演者の気軽な姿やリラックスした中にも漂う緊張感のある空気、そして納得できない場面は繰り返し練習をすることなど、見所はたくさんあります。クラシックコンサートでもリハーサルを聴くのが楽しいという意見があります。テレビなどで見ることができない生の姿を間近で見ることができるからです。

今日のリハーサルでも、役者の声の調子や体使いは本番と同じように格調高いものでした。一連の流れを通してから納得できない箇所をもう一度おさらいしていました。パートナーと息を合わせることや舞台の位置を確認して回ります。この時見た光景が本番では舞台衣装に着替えて繰り広げられるのです。両者を比較するとリラックスとした中での真剣さと、緊張した本番の雰囲気の中での役者の存在感を体感できることができるので、楽しさは倍増します。

リハーサルを見ながら開場準備をしたのですが、とても贅沢な時間を過ごすことができたと感じています。

万葉薪能

開演してからの本番の舞台は古い歴史の香りが漂い、和歌の浦の光景に溶け込んでいくようでした。きっとその昔も同じような舞台を楽しむ人達がいたと思うと、万葉薪能が和歌山市で毎年開演されていることの重みと価値を見つけることができます。

ところで仙台市内から大学教授が会場に来てくれて、開場前からプログラムを熱心に開いて読んでいました。万葉薪能の裾野を広げるためには和歌山県内の人に来てもらうことと併せて、他府県からもお客さんに来てもらう必要があります。

仙台市から和歌山市に万葉薪能を見るために来てくれたことは、将来の万葉薪能の姿が浮かぶようで嬉しいことです。教授に聞いたところ、午前5時に仙台市内を出発すると11時頃には和歌山市に到着したという返事がありました。東北と和歌山は以外と近いように感じました。

万葉薪能のことを知ったのはインターネットで、このページを見て来てくれたと話してくれました。インターネットの力の凄さと、県外からのお客さんが少ないのはインターネットを十分使いこなせていないからだと思います。地元振興のためには地元の皆さんの参加と県外の人に来てもらうことが必要です。他府県からのお客さんをお迎えすることを考えていますが、仙台市から来てくれたことは先につながることです。

「インターネットで薪能を検索すると、万葉薪能のことが示されますよ」と話してくれたように、16回目を迎えたイベントは全国に発信できるだけの力を持っていることを知りました。ただ広報力を強化しないことには全国展開につながるような広がりはありませんから、前夜祭を開催するだとか、ホテルと共同企画で宿泊券付き鑑賞券を発行するなど、改善の余地はあります。

万葉薪能

ただ16年目を迎えた万葉薪能の力を感じることができた舞台と参加者数でした。参加者は800人、お手伝いの人も含めると900人に迫り、今では和歌山市を代表するイベントだと思います。

万葉薪能終了後はスタッフによる打ち上げを行いました。この瞬間があるからお手伝いは辞められないと思う人もいるように、一つのことを仕上げた達成感と16年間も継続してきた粘りの力を感じました。皆さんの協力によって第16回目の万葉薪能を成功のうちに終えることができました。