活動報告・レポート
2014年10月7日(火)
建設委員会視察
建設委員会視察

建設委員会による県外視察に出掛けました。直接先進地を訪問し視察することで感じられるものがあります。現場の活き活きとした空気、当事者からの熱意あふれる説明、街中を歩くことなどによって得られるものがあります。インターネットや情報誌からでは得られない情報や感じ方があり、今後の活動にとても役立つものだと感じています。

初日は岐阜県を訪問し、JR岐阜駅前の再開発について説明を受け現場を見てきました。以前の岐阜駅前は小さい商店が立ち並ぶ場所で、都市の広がりによって人通りが少なくなり、シャッター通りになっていました。こうなると益々人が離れていくので駅前と言いながらも活気が失われていたといいます。そこで約20年前に「このままではいけない」と地元商店街が立ち上がり、組合を設立し再開発に向けて動き始めました。「変わらなければいけない」という理事長の信念の下、200名近い組合員が協力し、時には後ずさりしながらも再開発に向かって取り組みを開始したのです。

建設委員会視察

岐阜市役所もこの地域を中心市街活性化計画に指定し支援体制を確立しました。目的は賑わいを創出することとまちなか居住を推進することにありました。その結果、岐阜駅前名は岐阜シティ・タワー43が建設され、当時のシャッター通りは岐阜市を代表するシンボルタワーとなっています。この成功を契機として、このビルの隣には岐阜スカイウイング37が建設され、岐阜駅前のツインタワーを形成しています。

岐阜駅から見上げるビルは壮大であり、地方都市にこれだけのタワーが完成していることに驚きました。これらのタワーは賑わいと回遊性を持たせ、しかもまちなか居住を達成しています。岐阜市ではマンションは売れないという常識がありましたが、この高層マンションは直ぐに完売し全戸に入居しています。岐阜駅前ですから利便性が良く、名古屋市まで電車で約20分ということから通勤に利用する若い世帯が入居しているようです。岐阜市内の購入者が約50パーセント、岐阜県内からは約20パーセント、岐阜県外からが約30パーセントとなっているようです。

建設委員会視察

このように地方都市のマンションは売れないという定説を覆して、まちなか居住が図れている事例です。

また医院と高齢者住宅もタワーの中に入居しています。医院が低層階にあり、その上が高齢者施設になっていることから安心して暮らせる環境を整えています。そのため高齢者もこのタワーに入居しているのです。高齢者がまちなかに暮らすと便利で快適であり、しかも医療施設が入居していることから安心感があります。

賑わいの創出とまちなか居住は和歌山市中心市街地の課題でもあり、推し進めたい施策ですが、岐阜市ではそれが実現されているのです。この事例は地方都市であってもやればできるという自信になるものです。岐阜市の事例を視察して「和歌山市にできない訳がない」という思いと、「和歌山駅周辺の再開発をやり遂げなければ」という思いが視察により強くなりました。

建設委員会視察

視察による効果として、先進事例を見ることでやろうという気持ちが昂ることがあります。地方都市は自信を無くしていて、何をしてもできないという諦め感が蔓延している場合があります。しかし困難を克服してやった事例があるのですから、和歌山市にできないことはありません。やり遂げた理由は地元が立ち上がること、行政の支援があること、事業者が協力してくれることにあります。岐阜市の駅前再開発の事例は希望を与えてくれるものです。

何よりも説明してくれた岐阜市役所の幹部職員さんが、誇りと自信を持って説明してくれたことが嬉しいことでした。自分の仕事に誇りを持っていること、岐阜市に誇りを持っていることの二つの側面がありますが、説明を聞いていて楽しいと感じました。

嬉しい気分に浸りながら初日を終えることが出来ました。まちが動いている姿を見ることは楽しいことです。