活動報告・レポート
2014年9月29日(月)
サービス業
サービス業

和歌山市内のサービス業界は紀の国わかやま国体を控えて、おもてなしを充実させるための取り組みをしています。訪問した会社では役員が主導して早い段階から従業員研修を行っています。講師を招いての机上研修と共に重視しているのが現場での実践訓練です。お客さんと接する中でおもてなし力を強化させています。この会社では役員が時々抜き打ちで巡回し、お客さんと接している従業員の態度や言動などで気付いたことがあれば、お客さんが帰った直後に指導し、改善すべき点を気付かせています。

後になって指導するのと、直後に指導するのとでは全く効果が違います。自分の接客態度を覚えている時間内に指導すると思い当たるとがあるので反省できますが、後日になってしまうと忘れていますから指導を納得しないような食い違いも発生します。熱いうちに指導することが効果的なので、ここでは現場主義を取っています。

これができるのは、この会社の管理職は最低3年間の現場勤務を義務づけているからです。幹部候補でも現場経験をしてから管理部門に配属されます。現場を知って管理業務をしているから現場指導ができるのです。この会社の強みはこの点にありますから、行政によるおもてなし研修を受講しなくても高いサービスレベルを誇っています。

この会社の基本はお客さんに心からの挨拶をすることです。心のこもった挨拶とそうでない挨拶とでは伝わり方が違うと言い切っています。お客さんには言葉と態度で心が伝わりますから、心からの挨拶の訓練を行っていると聞きました。

お客さんが最初はそのことが分かってくれないとしても、時間経過と共に気付いてくれる時が来るようです。形だけの「いらっしゃいませ」という挨拶と、心のこもった「いらっしゃいませ」では伝わり方が違うからです。

出先の事業所で訓練を受けた従業員がお客さんに対して挨拶をしたところ、お客さんは笑顔になって「あなたの挨拶は違いますね」と言われた話を聞かせてもらいました。挨拶とセットになっているのは姿勢です。丁寧な挨拶は丁寧なお辞儀と共にあります。心がこもっているとしたらお辞儀の姿勢がそれに呼応するので、お客さんはその違いを理解してくれるのです。こんな訓練を積み重ねて、今日もおもてなしのレベルを高めています。

また営業で会社を訪問した時にも、同じように心のこもった挨拶を実践していることを聞きました。事務所の執務室に入った時、最初は「誰が来たのか」など無関心な態度で迎えられることがあります。そんな時でも毎回大きな声で気持ち良く挨拶をしていると、1年も経過すればその会社の人から認識されるようになっているということです。顔見知りの関係になると、自分の挨拶に対して心のこもった挨拶を返してくれます。

さらに発展していくと「良く来てくれました」という気持ちに入った挨拶に変化していきます。人間関係の基本は挨拶であり、それはビジネスでも観光行政でも同じです。高いところから見るのではなくて、姿勢も心の中も同じ目線で言葉を交わすことが高いレベルのおもてなしへとつながります。

プロの仕事は技術と心が重なったものです。技術が高くても心のない仕事では人は集まりません。心が伴ってプロの仕事ですから、和歌山県のサービス業界はおもてなしのレベルが高いと思ってもらえるようなお迎えをしたいと思います。紀の国わかやま国体まで残り一年となりました。競技力の向上と共におもてなしのレベルを上げていきたいものです。

県政報告会

夕方からは県政報告会を行いました。説明した内容は和歌山市中心市街地の再生向けた取り組みについてと、和歌山県の産業として将来有望な海洋発電の実用化に向けた問題です。和歌山市の都市計画策定は市の役割ですが、平成26年9月議会定例会の一般質問に対して、「和歌山県が放置してきた責任がある」と知事が答弁しているように、県も責任を持って関わり県市が協調して再生を目指すべきです。責任を放棄するのではなくて関わることで動きが発生しますから、これからの県政と市政の動きに関心を持ってくれることを説明しました。

また串本町沖の海域で実用化を目指している海洋発電に関しては、技術レベルが高いので簡単な計画ではありませんが、実用化が図れると巨大プロジェクトになることから、内閣官房から選定されなかったとしても継続した取り組みを実施していくことを説明しました。使用者、つまり事業者の問題を解決できれば動きは見え始めます。

その他
  • 10月と11月のエネルギーに関する研修会に関しての打ち合わせを行いました。国の将来を考える中でエネルギー確保の問題は大きな課題です。現在は国産エネルギーの確保は困難ですから、国際競争力を高め、国内産業を発展させるための経済活動に必要な量と質の確保を図ることを目指す必要があります。
  • 二重行政に関しての意見を頂戴しました。和歌山市には市民図書館と県立図書館、県立博物館と市立博物館など重複した施設があり、和歌山市の規模からすると二か所も必要がないという意見です。二重行政の解消を図って欲しいという提言をいただきました。県の施設と市の施設の役割を見直ししていきたいと考えています。