会派視察の二日目は高岡市に向かいました。高岡市役所を訪問し、万葉線の存続と今後について調査を行いました。金沢駅から高岡駅に向かい、そこから万葉線に乗車して高岡市役所に行きました。
JR高岡駅と万葉線ホームはつながっていることから、とても便利になっています。平成26年3月29日にJR高岡駅と万葉線を結節させています。元々万葉線の駅舎はJR高岡駅から約110メートル離れていたのですが接続させました。これによって万葉線の利便性が向上し利用者が乗り易くなりました。
ところで万葉線は平成10年頃に廃線の危機に直面し、富山県と高岡市などで問題となりました。そこで富山県と高岡市などが議会で議論を重ねて平成14年4月に第三セクター方式で存続させることを議決しています。
存続させた理由は、通勤と通学など沿線住民の交通手段を確保すること。人と環境にやさしい鉄道の必要性があること。高齢社会へ対応するための福祉施策としての意味があること。高岡市と射水市を結ぶ都市形成の部分になっていることなどが理由です。
第三セクターにしてから乗降客は増加傾向になっています。これは運賃を下げて5段階へと分かり易くしたこと。イベント電車などの企画を行っていることなどが理由です。それでも収支は赤字決算なので、毎年、約5千万円を高岡市と射水市が折半で負担しています。行政が負担しながらも存続させているのは、鉄道事業ではなく公共事業と捉えているからです。
ヨーロツパでは地方鉄道は公共事業だと考えているようですが、高岡市でも公共事業と考えているので、赤字分の負担は当然だと考えています。その考えに関して市議会と市民の同意を得て、地方鉄道を存続させているのです。万葉線は町を維持するための装置となっていることから廃線させることはしない方針です。
ところで漫画家の藤子・F・不二雄氏は、富山県高岡市生まれだと聞きました。そのご縁から、「ドラえもんトラム」を運行させています。この「ドラえもんトラム」は子どもに大人気で、高岡市だけではなくて遠くからも乗車に訪れているようです。外国からだと台湾からのお客さんが多く賑わっています。
万葉線は通勤と通学以外にイベント電車と「ドラえもんトラム」によって乗車客を増やしています。ですから廃線する考えや補助金を打ち切る考えはありません。高岡市にとって必要な鉄道でありこれは公共事業だと考えているので、これからも両市の負担を受けて万葉線は存続していくことになります。
続いて富山県庁を訪問し、障害者優先調達について調査しました。富山県では障害者就労施設等からの物品等の調達方針を策定しています。県内の市町村もほとんどが調達方針を策定している段階で、平成26年9月に小矢部市が策定すれば全市町村で調達方針の策定が完了することになります。
市町村に対しては富山県から特段の指導はしていないと聞きました。障害者就労施設からの優先調達は法律によって定められている事項なので、指導をしなくても自主的に調達方針を策定しています。説明者からは「法律ですから」という回答があったほど、法令順守は当たり前のことなのです。
参考までに障害者就労施設からの物品調達は、地方公共団体に責務が課せられています。障害者就労施設の受注の機会の増大を図るための措置を講ずるように務めることと、法律で記されています。また物品等の調達に関し、物品等の調達の推進を図るための方針を策定し公表すること、調達方針に基づき、物品等の調達を行うこと、そして物品等の調達の実績の取りまとめを公表することも法律によって義務付けられています。
そして富山県の平成26年度調達方針では、過去三年間の調達実績額の平均値を10パーセント以上上回ることを目標に掲げています。
富山県としては県立施設や指定管理者や県が出資する法人に対しても障害者就労施設からの物品調達について協力を求めていますし、市町村とも連携しながら全県的に調達を推進することにしています。